FFシャシーは少数派になる!?


 

FFとは素晴らしいパッケージだ・・・

横置きエンジンのFF車は部品点数を減らすことができる上に、車内スペースを有効に使え、直進安定性も高く、悪天候にも強い。日本市場で販売されるほとんどのクルマがこの設計を取っている。メルセデスやBMWも今では半数以上が横置きFFだ。クルマ好きには盲目的にFRが好きという人もいるけど、「同じ車重」で「同じエンジン」スペックだったらほぼほぼFFの方がダイナミックなドライブフィールが得られる。


手に汗握るトルクステアフィール

MAZDAロードスターにフィアットのエンジンを搭載したアバルト124スパイダーという軽量なFRスポーツカーがあったが、同じ1.4Lターボを横置きにして車重も同等であるFFのアバルト595のダイナミックな走りに対して刺激が不足していた。より身体感覚に近いフィールを追求したモデルがロードスターだと言われてきたが、イタリアブランドの奇抜な設計と比べるとやはり「背徳感」が足りない。



FFは実はかなり速い

ニュルブルックリンクの最速タイムは横置きFFより縦置きFRの方がいくらか早いが、ランキングに登場するFR車は大きなエンジンを積んだアメリカ車ばかりでヴァイパー、コルベット、カマロがなんとかFF最速のメガーヌRSを上回っているに過ぎない。5LクラスのFR車と1.8LターボのFF車の乗り味は全くの別物だけど、レコードタイム自体はそれほど大きな違いはない。そしてドライブしていて「頭のネジが外れて」いると感じるのは1.8LターボのFFの方だ・・・。



FRは終わっている・・・

頭文字Dに感化された連中がどれだけ「FR好き」を叫ぼうとも、レクサスGSやシーマは終焉し、クラウンやフーガ、スカイラインも今後はどうなるかわからない。横滑り防止装置無しには販売することができなくなって久しい。警察の交通機動隊も3.5LのFR車ではなくて、スバルが自信を持って北米で販売している2.4L直4ターボに乗り換えた方がいい。



FF車の設計は自滅気味

国土交通省の雁字搦めの規制によって、各自動車メーカーは外部サプライヤーから法外な価格で法令遵守のための部品を買わされる。車両価格はどんどん上がる。軽自動車規格いっぱいに設計されたキャビンにFFの52ps自然吸気エンジンを搭載して車重1トン超える。10%の勾配になるとかなりしんどくなり、20%近いと走行不能にもなりかねない。レンタカーで借りるなら快適に走るためには多少は狭くても600kgくらいに抑えられた軽自動車がいい。



FFではクルマ離れを止められない!?

まともにアップダウンは走れないし、高速道路を走っても危険が伴う軽自動車が新車コミコミで200万円。もうそろそろいろんな意味で限界を迎えている。横置きエンジンの普通乗用車も、ほとんどがグローバルモデルとなっていて、イタリアやフランスで売るようなコンパクトサイズか、東南アジア市場から導入された特殊なサイズのモデルくらいしか、区画整理が進んでいない日本の街並みでは使いづらい。SUVなんてどれも北米サイズだし。



メーカーのエゴ!?

FF自体に罪はないのだけど、上記のような様々な事情があって、日本で売るクルマは色々面倒なことになっている。スバルは最初から縦置きだし、MAZDAも縦置きが主流になりそうな気配。ホンダ、日産、三菱はモーター駆動に執着。レクサスはオールBEV化。日本で顧客が群がるような輸入車は、今後の日本市場はBEVか後輪駆動のモデルばかりになっていきそうな予感が・・・。



お手本のメーカーが・・・

「MAZDAのFR化」は大きなニュースだ。VWやトヨタといった巨大グループがクルマ作りのお手本だと名指ししているメーカーでもある。このメーカーがFRの方が「コスト面で理にかなっている」とか言ってしまったのだから、えーそーなのー・・・業界全体は騒然としている。MAZDAはまだまだFF車が販売の主体になると考えているようだが、案外すごいペースでFR車への乗り換えが進むんじゃないかという気がする。



MAZDAを買うなら

トヨタとVWに散々FFシャシーをコピーされているMAZDAなので、実際にゴルフやカローラ乗ってもなんだかMAZDAの香りがしてしまうくらいだ。トヨタやVWとは違う「特別」な乗り味を求める人々がMAZDAにやってくるわけだから、多くがFRシャシーを優先的に選ぶようになるのは目に見えている。MAZDAのFR化に加えて、MINIのBEV化も更なるFF衰退を後押しするだろう。



下手くそが作ってもダメだ・・・

前半に書いたけど、FFって本来は楽しいドライブフィールを持っている。しかし多くの巨大メーカーが実用性重視でクルマ作りをしたために、FF車は楽しいと思う人が少なくなってしまった。他社の設計をコピーするしか能がないメーカーに楽しいクルマなんて期待する方が間違っている。日本車に多いFF&CVTは、走り好きな人々にとっては、確かにオカネを払うのがバカバカしくなる。FFはMT、トルコンAT、DCTのどれかを選ぶことをオススメする。現状ではMAZDAとMINIじゃないだろうか。



FRはこれから成長する

FFを楽しく作ることができるブランドが、その方向性を変えてしまえば、当然のことだけどFFのドライビングカーは徐々に衰退を迎えるだろう。一方でMAZDAが参入したFRシャシーは絶滅寸前とか言われていたが、クリエイティブ過ぎるメーカーがやる気マンマンで開発すれば、市場に大きな影響を与えるだろうし、その結果として息を吹き返すことにもなりそうだ。すでに発表されているけど、MAZDAがFR車に強烈な価格設定をすれば、競合するBMWやアルファロメオもある程度は価格を控えめにしなければならない。ユーザーの期待に叶ったクルマが増えてくる可能性は高い。



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