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アウディTT と トヨタ86

  「週末の夜」や「休日の朝」といった定番のドライブの時間帯に繰り出すと、いろいろなドライビングカーが通り過ぎていきます。私が住んでいる東京西部では、ポルシェの人気が圧倒的なようで、絶対的な数はそれほど多くはないですが、ドライブ毎に少なくとも1台は911を見かけます。自動車専用バイパスが少なく、車線幅が狭い青梅街道や甲州街道がメインストリートとなっている多摩地区では、高級スポーツカーの中では911がサイズ的にもピッタリのようで、シボレー・カマロやフォード・マスタングといった車幅があるモデルは少ないです。   そんな道路事情を追い風に近所で増殖しているのが、トヨタ86ですね。多摩地区のトヨタはアフターパーツの売り込みにも熱心なようで、個性豊かな86が多くなってます。86だけでなく、プリウスやアクアがこれでもか!というくらいにオシャレ度を競っていて、ベース車のイメージからかなりの飛躍を実現したセンス溢れる個体も結構います。トヨタ=カスタムメイドのイメージができつつあります。   ノーマルだと、ややスポーツカーとしての「オーラ」が不足しがちな86は、発売から2年経ってどんどんハードルが上がっていて、なかなかお金がかかるクルマになった印象があります。トヨタが狙った町の修理工場の再生プロジェクトという意味では大成功なのかもしれません。発売直後は批判的な意見もいろいろとあって、発売前に200万円で買える!とやや期待し過ぎていた人々によるネガティブキャンペーンがネット上で盛んに見られましたが、現在では概ね落ち着いているようです。   86が町で増えてから、めっきりと存在感を無くしたモデルの1つがアウディTTで、2年前には小型スペシャルティカーの頂点に君臨していたのがウソみたいにオーラが無くなりました。もともと全長が短くて、ワイド&ローでスタイリッシュなフォルムが印象的だったのですが、そのポジションを86に奪われてしまいました。エクステリアのヴァリエーションで目を引く86に対し、アウディTTの外装を弄るのは相当にセンスが必要で、いわゆる「やればやるほど下品になる」典型のデザインですね。街中でもほぼノーマルというものが多く、いまや地味なスポーツカーの代名詞になりました。地味さがいい!というユーザーもたくさんおられるかもしれませんが・・・。   アウディTTもま

BMW と スバル のターボに対する想い?

  日本で走る分にはターボなんていらねぇ!と常々思っているのですが、何から何までことごとくダメと決めつけているわけではないです。むしろ「欲しいな」と思っているクルマがことごとくターボだったりするんですよね。もちろんVWゴルフだとかBMW3シリーズなどは論外。直4ターボだからダメというわけではなくて、クルマの性格に合ってないから嫌かなと思います。中には「これは直4ターボで乗るべきでしょ!」というものもあります。   その代表例がBMW2シリーズです。確かにFRで直4ターボは邪道だとは思いますが、小型のボディでスポーティに振ったコンセプトならば、スポーツカーとしての用途であれば上手く嵌っているので、特に嫌悪感はないですね。そして2シリーズの宣伝にBMWが引っ張り出してきたのが、よく知らないんですけど「2002ターボ」という70年代のBMWの名車です。なんでこんな70年代のクルマを出したのかというと、このクルマがなにやら量販車としては世界で初めて直4ターボを搭載したモデルだったそうで、つまり「原点回帰」なんですよ!ということを強くアピールする狙いがあるようです。   メルセデスを追従して高級車向けの大排気量エンジンで評判を得る一方で、2002ターボのようなモデルで新たなシーンを作り出すブランドだったBMWに「敬意を表して」といったとこでしょうか。しつこいですが3シリーズ・5シリーズの直4ターボには賛同しかねますけど・・・。あと1シリーズに使われている1.6Lターボも中途半端な経済性を押し出した生っちょろいエンジンなので嫌ですね。220iは3シリーズと同じ2Lターボを採用した点が好感触です。   日本メーカーでターボを多くのモデルで取り入れているスバルも、単なる欧州メーカーの模倣ではなく、ターボエンジンのポテンシャルを独自のノウハウで取り出そうとしている点では共感できます。ターボチャージャーの過給によってエンジンの熱効率が改善されるのは、かなり理想的な回転数の時に限られていて、それ以外ではNAよりも燃費が悪くなるのが一般的です。スバルはもちろん自慢のスポーツカーにはマニュアル(MT)を採用していますが、一般モデルにターボを組み合わせることでの不合理を解消するために、CVTを使って理想的な回転数を維持する研究が続いていて、段階的に実用化されています。   クル

リッター100km超! だからどうしたって?

  自称「最先端自動車メーカー」のVWが日本以外の地域でこっそりと「リッター111km」と称する桁違いの低燃費車「XL1」を限定発売していました。なんでいきなり60~100km/Lをすっ飛ばして111km/Lまでいっちゃうのか?と驚きしかないわけなんですが、とりあえずPHV車の燃費計算というのは、特別な計算式が使われているようで、「エネルギー効率」を表す尺度としては一般に使われる数字とは乖離したものになるようです。ちなみに日本のPHVの「顔」と言える存在のプリウスPHVは61.0km/Lなっています。   VWグループがこの「XL1」を発売するのは、ブガティ・ヴェイロン(約2億円)やポルシェ918(約8000万円)とならんでグループの技術力を誇示するの最大の目的のようです。技術の全てを結集した限定モデルだけあって、その価格も破格の約1500万円。0.8L2気筒ディーゼルにモーターを付けてあるだけのクルマとしては破格の金額です。   ただPHVだからといってべらぼうな数字(燃費)を付けてふんぞり返っているわけではなく、それなりに市販車「世界最高水準」の燃費が出そうな設計上の工夫はみられます。まずは車重を700kgまで抑えています。プリウスPHVが1440kgですから同じだけのエネルギー効率だとするならば、単純に燃費が2倍になるわけですね、なるほど。それでもプリウスを2シーター(2人乗り)にしたからといって、車重が半分にできるわけじゃないですから、あらゆる部品にコストをかけて軽量化素材に置き換えていく努力をしています。その結果が300万円を切ったプリウスPHVの5倍になる1500万円という価格に表れているようです。   さらに軽量化だけでなく、空力性能も極限まで向上させていて、邪魔になるドアミラーは外されています。代わりに小型カメラが付けられていて、車内の両サイドに取り付けてある小型モニターで確認する仕組みになっているようです。後方が荷台で見えないトラックなどはカメラによるバックミラーが使われていますから、まあとっくに普及していてもおかしくない技術ではあります。   VWはガソリンターボでプリウスのシェアを奪うと息巻いていましたが、結局いくら広告費を使ってジャーナリストを買収して、気筒休止システムを使って軽自動車のエンジン並みの出力モードを設定して、さら

BMW のベストバイってどれだろうか?

  この1年で日本でもっとも多くの車種を発売したのはどのメーカーか? モデル数ならわからないけど、総グレード数に関してはおそらくBMWじゃないかと思われます。日本での販売ではメルセデスとレクサスに対してやや遅れをとっていて、なかなか思うように結果が出ていないです。最近じゃ「オートクルーズコントロール」という長距離にはとても有り難いオプションを無料で付けますといったキャンペーンで増税後の停滞感を打ち破ろうと必死です。   最近のBMWは日本メーカーが頑として作ろうとしないクーペを、なんとか日本で売ろうという姿勢が見られます。去年から投入された4シリーズと今年発売された2シリーズは、いずれも先代の3シリーズクーペと1シリーズクーペを引き継いだもので、名前が変わったからといってクルマのキャラクターが大きく変わったということもなく、巷では「値上げの為」という陰口すら叩かれていました。しかしフタを開けてみると特に大幅な値上げが行われた形跡もなく、もともとボッタクリに近い日本価格をこれ以上上げても拡販の見込みはないだろうという自覚がBMW側にもあるようです。   実はBMWは下位モデルに共通で使われているプラットフォームを、順次交換しています。先代の3シリーズクーペ(E92)は熟成された「L2プラットフォーム」を使用していましたが、今回発売された4シリーズ(F32)は「L7プラットフォーム」を使っています。「L2」から「L7」に置き換えられた全てのモデルで「よりコンフォータブルな乗り味になった」と言われています。BMWは日本車と違って年次改良などが行われることもあり、同じモデルでも時期的な変化があったり、同時期のものでも個体差が大きかったりで、1台のE90系と1台のF30系に乗っただけでは決定的な事は言えないのですが、ブレーキやサスのハードさが軽減されて、全体的にトヨタのクラウンやマークXに近づいたという点は間違いないと思います。   「L7」シャシーになったF30系3シリーズセダンは、その「没個性」な乗り味がどうも従来のBMWユーザーから不興を買ったようで、ここにきて慌てて改良を加えてきたようです。特に4シリーズは車高を思い切って下げる設計から、コーナーリング時のストローク量を抑え込む、いわゆる「フラットな乗り味」を意図的に作り出しているみたいです。軽量な直4エン

マツダ・アクセラの2大アメリカ・モーター誌での評価は?

  アメリカ市場ではアクセラのサイズは「スモールカー」に分類されます。アテンザが「ミドルカー」で、それよりも大きい全長5m超のクルマが「ラージカー」となります。今月号では「Cra and Driver」と「Motor Trend」の2誌がどちらも「スモールカー最強決定戦」なる企画がありまして、カローラ(トヨタ)、シビック(ホンダ)、ジェッタ(VW)、フォルテ(キア)、エラントラ(ヒュンダイ)といった日独韓のライバル車に混じってマツダアクセラが比較されていました。   アメリカでの「スモールカー」の売上は、カローラとシビックの2強が牽引するものの、僅差でGMのシボレー・クルーズとフォードフォーカス、そしてエラントラが追従していて、この5台が月販で約2万台に近い数字を達成しています。これに対してせいぜい1万台前後の推移で遅れをとっているのが、アクセラ、ジェッタ、日産セントラ(日本のシルフィ)です。最近では販売台数の変化が大きく、カローラとシビックの2強が盤石という体制にも陰りが見えてきています。   「スモールカー」として早くから成功していたカローラやシビックに対し、追従するクルーズはプリウスの前に敗れ去ったマイルドHVを撤収し、1.4Lガソリンターボと2.0Lディーゼルターボを追加してスポーティさを強調しています。一方でヒュンダイ/キア陣営はこのクラスのベースとなる1.8LのNAエンジンでトヨタ、ホンダ、GMを上回る高性能エンジンをアピールしています。一方でアクセラは2Lと2.5Lの「スカイアクティブG」を設定していて、アテンザと同じシャシーで同じパワートレーンを使い、小型でよりスポーティでファッショナブルなプライベートカーにしたというコンセプトです。   さて2誌それぞれの比較の結果は、ある程度は予想通りではありますが、アクセラとジェッタ(ゴルフのセダン版)の2台がずば抜けた得点で他を圧倒していて、簡単に言うと「2台だけ別の次元」という評価になっています。上級車とコンポーネンツを共有するアクセラと、それに迫るジェッタは「Driving Comfort」から他車と寄せ付けず、「styling」「ハンドリング」「ステアフィール」「ブレーキフィール」「fun to drive」で独走したアクセラが完全に抜け出して、総合点でもジェッタを振り切りました。   

スバル 実は「安全性」に問題あり?

  アメリカのテレビCMが「心に残る」とかで少し話題になったスバル。スウェーデンのボルボと並んで安全性をアピールするメーカーとしての地位を確立しているようですが、そんなスバルには絶対にあってはならないような「出来事」がありました。   JNCAPという独立行政法人が、衝突安全基準のテストを行っているのですが、2014年に「ファイブスター」という最高格付けを得たのが次の7台でした。 「トヨタクラウンHV(189.7点)」 「三菱アウトランダーPHEV(184.6点)」 「マツダアテンザ(183.2点)」 「ホンダアコードHV(178.9点)」 「ホンダNワゴン(178.8点)」 「ホンダフィット(178.0点)」 「VWゴルフ(176.8点)」 ユーロNCAPでは頂点を極めたVWゴルフが、軽自動車に負けるとはちょっと信じられませんが、一応日本で一番権威がある組織が出した結果です。   Nワゴンがアコードとほとんど変わらない得点というのも、なんだか不思議な感じですね。同じハイトタイプの軽自動車であるスズキスペーシアは152.2点ですから、Nワゴンは相当にレベルが高い印象です。   さて「ファイブスター」に選ばれなかったクルマは・・・、といってもこのJNCAPはテストする台数が少なくて「本当に大丈夫?」なんて言われているくらいなのでそれほど多くないです。しかも軽自動車を除くと日産シルフィ(161.8点)や三菱ミラージュ(163.4点)といったいかにも海外向けの「プア」なモデルばかりで、なんでこんな不人気車を取り上げるのだろうか?と訝しい気持ちになります。   そんな中で屈辱の評価を受けていたのがスバル・フォレスター。まさかまさかの169.8点という低評価であまりのショックにメーカーがゴリ押ししたかのように「サイドカーテンエアバッグ(SCA)付き」ヴァージョンで測定のやり直しが行われているようですが、それでもホンダのフィットやNワゴンに及ばない177.1点に留まりました。SCAが付くだけで相当に点数が上がるんですね。オプションだったら是非に付けておきたいです。   スバルは従来の「車体剛性の高さ」に対する評価にあぐらをかいていたようで、日産、マツダ、ホンダが一気に進めた超高張力鋼板の採用が遅れていると言われています。「安全が一番」とかコメ

「無知」以外でドイツ車を好んで買う理由って何?

  別に嫌みを言いたいわけじゃないんですが、どの評論家の文章を読んでも不思議とドイツメーカー車が欲しいとは思わせてくれないですよね。毎月ほぼ全誌を購入して読んでいての率直な感想です。「Car and Driver」は使い勝手を優先して書いてくれますが、日本で日常的に使うという用途にドイツ車を持ち込もうという発想がそもそも大間違えで、日本車で言えば普通のレベルでしかないのに無理に称賛しようとしている苦しさを感じてしまいます。まだイタリア・フランス・イギリスの小型車に関しては納得できるものもありますが、ドイツ車のミニサイズは、三菱やスズキをM&Aでパクって乗りにくく作り変えたものなので、日本の評論家もまともに相手にしないですから・・・。   「Auto Car」になるともっと辛辣で、英国人ライターがケチョンケチョンにしてます。スポーティなモデルが得意な同誌の看板企画が、同クラスのモデルを徹底比較して順位付けをするというものなのですが、ゴルフGTi、メルセデスA45AMGなど評判のドイツ車がことごとくフォード、プジョー、ルノーの下に置かれています。そしてダメ押しのように「古臭い」「つまらない」といった文句が並びます。   「CG」の日本人ライター達も最近のドイツ車に関しては、直接的なコメントを避ける傾向にあります。「まあいいんじゃないの・・・」っていうニュアンスがぷんぷん伝わってきて、もっと良い点を教えてくれ!と言いたくなります。ドイツ車の場合は基本がレベルが高いから、特に褒めなくても良いにきまってる? そんなことはないですよ!「デザイン」「内装の質感」「静音性」「エンジンの気持ち良さ」「燃費」「ハンドリング」「ステアリングフィール」「ブレーキフィール」・・・これ全部といっていいほど日本車の方がレベル高いです。それぞれトップを取っているのはすべて日本車ですし、同じクラスの独車と日本車をくらべれば、確実に日本車が上回ります。そして同じ価格帯で比べたならば、もはや「論外」というくらいの差が付いています。   「Motor Fan イラストレーティッド」でもドイツ車の評価は毎回のように散々です。世界の優秀なパワートレーンを紹介する企画でも、なぜかドイツメーカーからはなかなか選ばれません。小排気量でターボ付けて、燃費を伸ばすために気筒休止やアクセルフィールを犠

ほぼ新車の BMW1シリーズ が ホンダ・ヴェゼル よりも安く手に入る時代。

  「母の日」だったのでプレゼントを持って実家へ向かおうとしたら、駐車場まできてあまりの光景にビックリ!金曜日に突発的に降った雨で車体全体に花粉らしきものがベッタリ付いてました。これではさすがに笑われて恥ずかしいレベルなので、そのまま近所のコイン洗車場へ。やはり同様の被害に遭った人が多かったようで、普段はゆったり使える洗車場がなかなまの大盛況でした。   マンションの駐車場でバケツに水汲んできて流してもいいのですけど、それだと軽く小一時間はかかってしまうので、今回は「時間」を優先させることにしました。先週も同じ洗車場に行き2時間近くかけてシャンプーで丸洗いしたばかりなのに、なんと2周連続で500円の出費となってしまいました。高圧洗浄機による水洗いで「500円」はかなり良心的な価格設定なのですが、ディーラーで水洗い洗車をしてもらえば、コーヒー飲んで待っていて同じ「500円」です。なのでわざわざ同じお金を払って自分で洗う人ってちょっとヘンかもしれません。レクサスならば「無料」で、しかも静かなサロンみたいな場所でお茶菓子まで付いてくるそうです。   マツダユーザーの私(レベルの人間)は、洗ってもらうだけの為にディーラーを使うなんてなんだか恥ずかしくてとてもできないです。点検・オイル/タイヤ交換の時についでに「1500円」コースの撥水ポリマー洗車をしてもらうくらいです。そして普段は自宅マンション駐車場を使うか、シャンプーをする場合はコイン洗車場を使います(あと急ぐときも)。それに何より自分で洗うのが楽しいんですよね。そして自宅でじっくり洗うのもいいですけど、コイン洗車場はまた別の魅力があって、クルマ好きにとってはある種のテーマパークみたいなもので、「500円」は入園料といった意味合いが強いです。   たくさんクルマが集まった洗車場というのは見ているだけで面白いです。マツダユーザーはきれい好きが少ないのか街で見かけるよりも圧倒的に洗車場ユーザーは少ない印象です。利用者の多くは背が高くて自宅では洗いにくい大型ミニバンやSUVが多いですが、それ以外の車種で断然に多いのが、クルマをこよなく愛しているイメージがある「スバル」と「BMW」の両オーナー。あくまで失礼極まる勝手な想像ですが、「1シリーズ」と「WRX STI」のユーザーは洗車場で顔を合わしつつ、お互いに見下しあっ

マツダには悪いけど、ディーゼルを都市圏で乗る人はやっぱりアホ

  ガソリン価格がやりたい放題の大増税で上昇する中で、トヨタ・日産・ホンダが推し進める「HVセダン」よりも、輸入車&マツダの「ディーゼルセダン」が注目を集めるようになってきました。「練馬」「多摩」といったナンバーが多い地域に住んでいるのですが、「BMW320d」(3シリーズのディーゼル)がだんだんと目立ってきています。   320dはかなりのディーゼル音を響かせてやってくるので、いちいちリアの識別を見なくてもわかります。静音性が評判のマツダでも半径10m以内なら確実にわかりますが、BMWの場合はもはや「ほぼトラック」。見た目はスマートなのに音だけが「ガラガラ」鳴っているそのアンバランスさには違和感がありますが、それでもガソリン4気筒BMWのカローラ並みの「軽い」走行音にくらべればマシという意見も・・・。結局のところどっちも高級車とは呼べないような軽薄さがあるんですよね。3シリーズにも「435i」と同じ直6ターボを日本でも復活させてほしいです。   BMWという中で選ぶとするならば、「もはやハイオク(輸入車はほとんどがハイオク仕様)には乗れないからディーゼル」という選択もあるかもしれません。音にだけ目を瞑ればディーゼルで問題ない!という意見がBMWオーナー様の間では主流みたいですけど、平坦で信号が多い都市部に住んでいて、しかも「チョイ乗り」が多い場合にはなかなか「最悪」な選択です。   トヨタ・日産・ホンダはなぜ本気でディーゼルをやらないのか?厳密に言うと日産はエクストレイルにディーゼル仕様がありますが、新型には設定されず今後は廃止される見通しだとか。トヨタもホンダも欧州ではもちろんディーゼルを積んだオーリスやシビックを発売しています。ただし日本と欧州ではそれぞれ違った「排出基準」があり、トヨタとホンダはまだ日本基準に適合していないので、そのまま持ってくることはできません。国内メーカーではマツダ・三菱・日産の3社が乗用車向けディーゼルを日本基準に適合させていますが、本気で売り出しているのはマツダだけです。   やはり結局のところ日本の都市部での使用にはディーゼルは適さないです。マツダは特に「静音性」と「排気処理」に重点を置いています。ちょっと難しい話ですが燃料の圧縮比を通常のものより下げて、効率を犠牲にしてまでNOxの排出量を抑えていたりします

VWが日産よりも上等だと思っているのは日本人だけだ。

  中国市場で全体の約20%のシェアを握りトップを快走するVW。2位のヒュンダイは7%程度だから完全に独走態勢を築いています。中国人はVW車を決して高級なんて思っていなくて、中国メーカーでナンバー1の実力を誇る「第一汽車」グループのラインナップをみればそのことがよくわかります。中国で最初に作られたメーカーだけあって、「紅旗」というプレミアムブランドまで持っています。その名の通り共産党の幹部が乗る公用車を作ってきたメーカーです。   中国でも共産党の寵愛のもと特別の地位に立ってきた「一汽」は、世界中の自動車メーカーから最高のクオリティを誇る車種をベース車として選定し、そのラインナップに加えています。「紅旗」ブランドは2台の日本車(マジェスタ、アテンザ)がベースとなっていて、大衆向けブランドではVW車がベースに使われています。最高のクオリティを持つとはいえ中国人の感覚でいうところの「安物メーカー」・・・それがVWの現実です。   北米でも欧州でもだいたい「安物」というイメージは同じようなもので、どんな成熟市場でも100円ショップが流行するように、派手さはないけどリーズナブルで一定のニーズを満たしてくれるモノはある程度は受け入れられます。100円ショップが繁盛するコツは、100円では通常得られないような便益を、生産・流通の効率化(最適化)を高いレベルで行ってお客様に満足感を与えることです。VWの商売は日本以外の地域に関してはそれに近いと言えます。「100均の割にしっかり使える!」といった好印象はそれなりにあるだろうけど、決してトヨタや日産のような水準のクルマではないし、サービスも大きく劣るのはある程度は理解された上で購入されています。   北米での「品質における顧客満足度」を調べればすぐにわかることですが、VWを下回る水準の日本メーカーなど存在しません。それなのに日本ではVW車は日本車よりもかなり割高な価格設定がされていて、「海外では100均」という認識がないまま購入してしまった日本人のユーザーは、ちょっと不具合があると「VWの対応はヒドい!」と怒り出したりするケースもあるようです。もっともVWに限らず、フィアット、ミニ、ルノー、プジョーなどの欧州の大衆ブランドはどれも本質的には「100均」なので、それを承知で壊れたら自分で直すくらいの気概がある人

トヨタ のムカつくところを書いてみる。

  年間1000万台を史上初めて突破し、営業利益も2兆円を大きく超えたと報道されているトヨタ。1台当たりの利益が20万円というのは平均販売価格が250万円だとすると8%程度に達します。日本生産350万台を維持しているため、ホンダや日産よりも高コスト体質なのですが、それでもこの数字(利益率)はもはや名実ともに「巨人・トヨタ」なんだと実感できる異次元のブランド力を発揮しています。   ちょっとくどいですが、のべ1000万人が「8%」という利益率を受け入れて、トヨタを買ったということは、トヨタ以外のライバルメーカーは「全てカス」だということです。なぜならトヨタよりも2%高いコストで同等のクルマを作って、それを2%安い価格で販売するだけでも「4%」の営業利益が確保できるわけですから・・・。人件費が低い地域で製造することも可能ですから、トヨタよりも2%高い程度のコストで作ることはそれほど難しいことではないはずです。   あらゆる製造業のなかで一番発達しているはずの自動車工業において、これほど露骨にトヨタが独走するのにはきっと裏があるのだろうと言う人もいます。日本自動車工業会(自工会)を使って他の日本メーカーに圧力をかけているという噂もあります。三菱が海外生産でコスト引き下げに踏み切った現行ミラージュを、発売当初は80万円以下の価格設定で日本に投入する計画があったようです。しかしフタを開けてみるとおよそ100万円からとなっていて、既存のライバル車とほとんど価格は無いものになりました。ミラージュクラス(Bセグ)の海外でも実勢販売価格は、東南アジアなどでは50万円程度、ドイツでも70万円程度です。よって日本にも70万円台の普通車があっても良いはずなのですが、未だにどのメーカーも設定しておりません。   またまたくどいですが、三菱はトヨタの「8%」という数字に対して明確な方法論で挑もうとしました。つまり国内最大を誇るトヨタのシェアを堂々と切り取ろうと画策したわけです。おそらくタイ生産に切り替えてまで「これまでに無い」世界標準な価格設定を目指しましたが、何らかの保守的な勢力(トヨタ?)によってその計画ごと潰されてしまいました。おかげでミラージュの販売台数は、国内生産のコンパクトカーなら即時生産中止が決定されるレベルの低さに留まっています。   他にもホンダが軽自動車の販

どうしても日本車をバカにしたい人にオススメのクルマ。

  スズキの鈴木修会長が軽自動車への自動車税増税に対して、会見で恨み節を述べておられましたが、「この恨みは絶対に晴らす!」とはなかなか穏やかでない表現ですね。ホンダが調子に乗って軽自動車ばっかり作るから、とうとうお上に睨まれてしまった!とホンダを逆恨みしてそうな気もするのですが・・・。まあ"熱い"自動車メーカーのトップってのはいいですね。会長の宣言どおりスズキはホンダに対して次々にプレッシャーをかけています。フィットが「ガソリン車燃費ナンバー1」のコピーで売り出そうとしている直前にスイフトのMCであっさりとホンダを越える燃費を叩きだしたり、ホンダ渾身のヴェゼル発売を察知していたように東京MSからの急速な展開でハスラーを発売するなど・・・。   とかくクルマのことになると、熱くなる人が多いですね。特に輸入車ユーザーはもう意味不明な人が多すぎます。彼らにとっては大前提として「輸入車>日本車」という構図があるようで、「輸入車乗りは日本車を批判してもいいけど、日本車乗りが輸入車を批判することは許さない」というジャイアン的な思考回路が出来上がっているから面倒くさいです。   私は日本車乗りなのですが、自動車ブログをやっていると、どうしても「輸入車の批判」と受け取られてしまいかねないことを度々書いてしまいます。本当はそんな下品なことは書きたくないのですけども、無意識の内にというか・・・気がついたら「日本でダウンサイジングターボとかアホ過ぎだろ!」みたいなことが書き上げられていて、公開ボタンをポチッと押してしまっています。やばいやばい!すぐ非公開にしなければと思うのですが、強烈なウェブ音痴なので記事の消し方がまったくわかりません・・・。今でも去年書いた「痛々しい記事」に怒りに満ちたコメントがよく届きます。   それにしても「日本車」というデカい括りで完全否定してくる輸入車オーナー様って一体どんなクルマに乗ってんだ?って思いますね。そんな上から目線になれるような輸入車なんて「ガヤルド」や「マクラーレンMP4-12C」みたいなクルマしか思いつかないです・・・。というか「日本車なんてダメだ!」とどうしても言いたいなら、このクラスのクルマ乗ってから言え!って思いますね。メルセデスCLSみたいな「騙しのクルマ」乗ってる人がクラウンを嗤うのは筋違い

フェラーリが高価なのは、日本のコメが高いのと同じ理由!?

  フェラーリのクルマって何であんなに高いのでしょうか? ロレックスとかシャネルとか、バブルの頃に流行ったブランドはことごとくメッキが剥げて、今では「影響力」はかなり限定的になりました。自動車ブランドも例外ではなくBMWやアルファロメオって「何?」っていった「冷めた」時代なわけです。そんな時代でもフェラーリは全く左右されることなく「スーパーカー・ブランド」として殿様商売を続けているように見えます。   そもそも「スーパーカー」って何?ですよね。世の中には数千万円から数億円の価格での「オーダーメード」のクルマというのがありまして、これはフェラーリやポルシェをベースにして、内外装からエンジンのチューンナップまでを細かく請け負ってくれるそうですが、これとは違って「スーパーカー」は完全なる既製品です。要するに「これくらいの価格ならば売れるだろう」という立派なマーケティングに基づいて生産が行われています。   そしていくつかのメーカーが参入して、それなりの競争が発生しますから、「目安となる価格」というのが存在していて、大まかに「1000万円クラス」と「3000万円クラス」に大別されます。かつてはフェラーリも本国などでは1000万円クラスのモデルを発売していたようですが、今では全てのモデルが「3000万円クラス」になっています。   3000万円の価値があるクルマって一体どんなの?何がすごいの?と思ってしまいますよね。「R35GT-R」「レクサスLS」ちょっと古いですが「ホンダNSX」といった日本車の歴史の中でも最高峰に位置する名車よりも、さらに3倍も高いって・・・。しかもさらにビックリなのは、これだけの価格を付けておいて「失敗作」みたいなクルマがぞろぞろ。デザインは平気でアメ車や日本車のものをパクるし。ホンダのNSXの「アルミボディ」が良さそうだからこれもパクる。それでも世界中の顧客からひっきりなしにオーダーが入る。   何もかもが全くの規格外!これはスゴいぞ!そして何より人気を不動のものにしているのが、クルマ業界でもっとも活発に発言する存在、つまりライター達が盲目的に憧れるクルマであること。メルセデスCクラス乗ってます!と公言するライターはほとんどいないが、フェラーリF430乗ってます(乗ってました)というライターはほぼ全員がそれを口にする。なぜならフェラー