BMW と マツダ がちょいダメな理由
もう一回買って見ようかな? ・・・いやでもね〜。そんな余計な思惑が入ってしまうブランドの代表格となっているのがBMWとマツダ(じゃないですか?)。短時間の試乗で良さがすぐにわかる両ブランド・・・以前ならマツダの方がアクセルもハンドリングもクイックさが際立っていてとんがっていた印象ですけど、最近ではどちらも「ニュートラル」なレスポンスにこだわっているようで、そうなってくるとFRのBMWの方がとりあえず上手く仕上がるみたいです。現状のマツダは勝ち目がない戦い!?いやいやFFのBMWになら勝ててるかな!?
カーメディアは盛んにBMWとマツダは「他のブランドとは違う!!」みたいなことを言ってますけども、モデルによっては他のブランド(ホンダ、トヨタ、メルセデス、VW、ボルボなど)のライバル車種に負けていると思われるモデル&グレードも結構あります。・・・それが結構問題じゃないか?と思うんですよ。BMWやマツダの新車を「買う」という行為は・・・世間に「私はクルマとドライブがメチャクチャ好きです!!」と宣言するみたいなものだと思うのですけど、最近のモデルは特徴がわかりづらいので・・・よっぽど感性が研ぎ澄まされている人じゃないと安易に手を出してはいけない!!少なくとも320i非Mスポと420iMスポを乗り比べて、「全然真逆のクルマだ!!」と自信を持って叫べるくらいじゃないと厳しい気がします。
必ずしも420iMスポが「正解です」という単純な話ではなくて、320i非Mスポだって良いところはいくつもあるんです。どんなところが良いか?端的に申しますと、トヨタにプレミオというミドルセダンがあります。1.5〜2Lの自然吸気&CVTで乗り心地はクラスのレベルを超えた非常に当たりの柔らかさを感じるモデル。その乗り心地は車重1250kgレベルのクルマとしては驚異的な水準にあります。トヨタの階級の中では、カムリ、マークX、クラウン、マジェスタへと車重が上がるにつれ磨きがかかります。・・・で320i非Mスポは完全に他所ものなんですけど、このグループの一員に混ざってもやっていけるんじゃないか?と私は感じたんですよ。だけどこれ「タブー」なんですよね。
カムリは違いますけど、プレミオ、マークX、クラウン、マジェスタはほぼ国内専売(一部香港輸出)ですから、乗り心地は相当にソフトに仕上がってます。他の国内メーカーは全てグローバルモデルですから、なかなか太刀打ちできないですけど、外様のはずのBMWがここまで「日本的」に仕上げたことに率直に感動するんですよ。BMWの本来のGTセダンのイメージに近いのはもちろん420iMスポの方なんですけども、なんかスゲーことを成し遂げているのは320i非Mスポじゃないか?と思っています。本来のBMWが良しとしていたことを全部すっ飛ばして、日本車の懐に飛び込んできた3シリーズなんですよ。ブレーキも効かないし、ハンドリングもアクセルのレスポンスもダルい、直進安定性も落ちてます。そこまでやらないと「トヨタの一員」にはなれないってことなんだと思います。ただし日産だけは信じられないけど両立させちゃってますが・・・。
これマツダにも全く同じことが言えます。アテンザもアクセラもハンドリングはまろやかで、足回りもダイレクト感が減りました。マツダの場合はロードスターという「飛び道具」があるので、一般モデルでどれだけ日和ってもいいという論理が働いているのか、あるいはスポーティにこだわっている開発陣が、ロードスターのピュアスポーツ度ばかりに神経質になりすぎていて、基本設計はFFである一般モデルを過剰にスポーティに仕上げることに後ろ向きになっているのかなー・・・という感じがします。色々なメーカーの開発担当者が一堂に会したどっかの討論会で、マツダの代表が「人間は足で走るんだからスポーツカーはRWDしかありえない!!」と発言し、日産だか三菱の代表が「でも人間より犬の方が速い、だから速さを追求するならAWDだ」と反論されてました。
BMWとマツダのスポーティ視点での「勝負モデル」を挙げるならば、「420iグランクーペMスポ」vs「アクセラセダン22XD・AWD」なんですけど、全然違うタイプなので、比較のしようもないですし、どーも噛み合ってないです。ただしどっちも買って損はないですね。どちらも気合は十分伝わってくるし、他のライバル関係を比較しても「このクルマじゃないと!!」と思わせるオンリーワンな要素もしっかりあります。おそらく2Lターボ車の中で過給を意識せずにナチュラルな乗り味で、さらにハンドリングも高いレベルにまとまった中型車という意味では「420iグランクーペMスポ」は最強(ベスト)でいいと思います。たとえスカイライン200t相手でも負けていないです。
全くカーメディアでは盛り上がっていないですけども、アクセラ22XDのオーバースペック気味なユニットをMTで「ぶちかます」走りは、2002年を境にクリーンになってしまった日本メーカーからは感じ取れなくなった「ヤバい雰囲気」があります。そのクルマの名前が「ランサーエヴォリューション」やら「WRX」やらだったら乗る側もやや身構えますけども、いかにもファミリーカー的な雰囲気の「アクセラ」がここまで暴力的に加速する「ギャップ」がいいですし、さらにマツダらしくスバルや三菱よりもハンドリングのダイレクト感があるので体に伝わってくるエマージェンシーでアドレナリンが出る走りはなかなかエグい!!これはフェルトがステアリングに絡みついているようなフィールの「WRX・S4」なんかよりもよっぽど刺激的です。けどこれってさ・・・マツダじゃないよ。
従来のマツダが好きな連中は「420iMスポ」が刺さりますし、BMWが好きな連中は「アクセラ22XD」のダイレクトで力強いフィールは好きなんじゃないですかね? なんでこうなっちゃうか?色々と理由を考えるとこれはBMWもマツダも「二流」だからじゃないか?と思うんです。パクるのが上手い!! これに対して「一流」とはどこか?わかりやすく挙げるならば、日産、ホンダ、ポルシェ。この3メーカーは、自己基準で絶対的な進化をするだけの「マテリアル」を持ってるから、GT-R、NSX、911ターボを作るし、スカイライン、シビックtypeR、マカンといった500~600万円クラスのモデルでも「さすがだな・・・」という足跡が残せるんでしょうね。
BMWやマツダがこの3メーカーに対して負けを認めたわけではないですけども、バブル期から2000年頃までならまだしも、現在では立ち向かおうという気概がないですね。2000年代はまだ武器があったんですよ。「E90系Mスポ」VS「プレマシー」です。どっちもかなりイカれたクルマです。お世辞にも「いいクルマ」ではないですけども、トヨタはもちろん、日産やホンダにも絶対に作れないレベルのクルマです。先代のシビックtypeRの劣悪な乗り心地は「E90Mスポ」へのリスペクトでしょうし、日産もプレマシーをOEMするという決断をしました。認めてるんですよ。良い意味で「バカすぎ!!」です。徹底的に狂っているんですけど・・・当時のBMWとマツダは本気なんですよ。
けど何を思ったのか、どちらもその武器が「間違っていた!!」とあっさり認めて、ブランドのコンテンツからあっさり消し去ります。何が狂っているか知りたい人は中古車屋に試乗に行ってみてください。どっちも相当な「珍車」です。その「地点」を知っているファンから見れば、現行モデルはどれも「守りに入っている」「リタイア世代向けに作ってんの?」とか穿った見方をしてしまうんです。ロードスターもM2も対象年齢は65歳以上じゃないの?
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