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新時代の「自動車カースト」・・・は定着するのか?

  「自動車カースト」。あんまり良い言葉じゃないですけど、自動車メーカーが高級車を企画する段階で、徹底的にプロファイリングをするものらしいです。つまりカースト無くして高級車の価格なんて一切決められない!!ということです。もちろん日本で販売される大多数の大衆的で実用性の高いクルマに関しては、販売台数の多さや中古車の流通量から、ある程度の市場価格が決まってくるので、このようなカーストとは無関係ではありますが・・・。   日本での販売価格を示した価格表をじっくり見ると、「700~1000万円」「1200~1800万円」「2400万円以上」の大雑把に3つぐらいのグループに分かれていることに気がつきます。そしてこの3段階を決めているブランドはおそらくメルセデスです。たぶんこのブランドは顧客を独自にランク付けしていて、2400万円〜のオーナーは「上」、1200~1800万円のオーナーは「中」、700~1000万円のオーナーは「下」としてサービスにもある程度の格差を設けているようです。   それより下の価格帯のオーナーに対しては・・・ゴ◯ブリ扱い(これマジです)。こんなブランドで1台目としてAクラス(298万円〜)を買うなんてちょっとハズかしいですよね。「わざと乗り心地を悪くしてあるのに、喜ぶなんてさすがゴ◯ブリだな〜・・・」って思われますよ。これが高級ブランドってヤツです。   ちょっと込み入った話になりますが、メルセデスには「AMG」と呼ばれる高性能モデルが設定されていて、「上」にランクされるモデルはその「AMG」の中で最高級のシャシーを使っている「S」「Sクーペ」「SL」の3台だけです。二流のシャシーを使う「E」「CLS」「GLS」「GLE」などのAMG版は「中」どまり、さらに下流のシャシーを使う「SLC」「GLC」「A」「CLA」「GLA」のAMG版が「下」です。   他のブランドをこれに当てはめてみると、初代NSXは「下」だったのに、2代目は一気「上」までジャンプアップしています。現在カタログモデルとして「上」を用意している日本メーカーはホンダだけですね(北米生産車ですが・・・)。この値上げに関して当然ながら批判も出て来るわけですが、ホンダがNSXに持ち込んだ技術的な裏付けは、他の「上」のクルマを作るあらゆるブランドよりも進んだシステムと言われてますから...

スポーツカー用モジュラー・シャシーの時代がやってきた!!!

  スポーツカーと言えばどこの国のクルマを想像しますか? まずは何と言ってもイタリアですか? 世界中に愛好家を持つフェラーリやランボルギーニといったスポーツカーの超メジャーなスーパーブランドがあります。3000万円以上する超高級スポーツカーを年間10000台近くも売りさばきます。なぜ世界中の愛好家がフェラーリに讃辞を送るのか? もちろんエンジンもシャシーも完全に専用設計であり、さらに単に早いだけのドラッグカーではなくトータルの商品力が非常に高いからです。停まっているフェラーリを見ただけでも何やら引き込まれる艶やかさがあります。   エンジンはもちろんショートストロークで9000rpmまで軽々回り、4.5LのV8自然吸気で550ps程度まで搾り出す。レース用にメカチューン(過給によらない出力アップ)された「本物」に限りなく近いユニットが載ってたったの3000万円はむしろ安いくらいかもしれません。例えばスバルのWRC専用チューン車両などは6500万円もしますし、ホンダのレースチューンに限りなく近い二輪車(RC213V-S)も2000万円で市販されています。さらにフェラーリのV8ミッドシップシャシーは圧倒的なトラクションとコーナーリング性能を実現した専用シャシーが使われていて、レーシングカーにも関わらず内装までハイエンドに誂えてあります。まともに考えても3000万円は安い!!!   3000万円のスポーツカーが安いのなら、それでは800万円程度で売られているBMW・M2とは一体何なのか?BMWによる出血大サーピズの超絶「ダンピング」祭りでも開催されているのか?日本のオッサンはやたらとBMWが好きみたいですが、彼らがスポーティと信じているクルマの本質は・・・フェラーリのミッドシップV8のようなスポーツカーと同列に語るには大いなる疑義があります。①エンジンがスポーツカー向きではない。②シャシーがスポーツカー向きではない。   かつてBMWがフォーミュラカーのエンジンサプライヤーとして活躍した時期もあったので、今もメーカーの中枢ではスポーツエンジンの開発を継続しているように思いますが、もはや市販車にはフェラーリのようなレース用の自然吸気で高回転&高出力を目指すユニットは存在せず、ターボ過給で水増しされた頽廃的なアメリカン・ドラッグカー的ユニットを平然と使うよ...

トヨタの価値がわからないヤツのコメントはとにかくイタい!!

  2016年の国内自動車販売。昨年末の発売以来4代目プリウスの独走が続いています。デビュー当時は200万円台そこそこで価格が魅力だったプリウスも、今では300万円を越える上級グレードが人気の中心です。もっと安いハイブリッドもあるわけですから、車格から考えて当然の「高級化」路線なんですけども、単純に「IoT」ツールやら、場違いなオーナメントを施す・・・なんていう付加価値で、車両価格を押し上げるのではなく、クルマの本質的な「走り」に大きく手を入れてきたことにとりあえず「敬服」します。   何処とは言いませんけども、「世界初の車内wi-fi」とか「ターボの過給圧」で価格を調整するようなゲスなメーカーとは、全くポリシーが違うんだよなー。まさかプリウスに足元を掬われるなんて思ってもなかったですけど、やっぱりどうフェアーに見ても最近のフルモデルチェンジで明確に「走り」を良くして来たクルマって実は本当に少ないです。だんだんユニットの制御が巧みになってきて、トヨタとホンダのHVだけが押せ押せの大攻勢ですが、あとのガソリンやディーゼルを積む既存勢力はいかにユニットを古臭く見せないようにするかの必死の誤魔化しっぷりが透けて見えちゃうんです。もうガソリンターボもディーゼルターボも底が抜けたかなと・・・。   新型プリウスに試乗して、そのクルマの実力に散々に驚いた上で、カタログを見て実際に買うならどのグレードか?なんてシュミレーションしたらさ・・・。250万円程度のベースグレードよりも330万円くらいのグレードのほうが80万円以上の魅力を持ってるのがなんとなくわかるので、ごくごく自然に330万円使いたくなってしまいます(プレミアムAツーリング)。ちなみにこの金額ならばスバルのフラッグシップ車レガシィB4の上級グレード(レザー標準)も、マツダのフラッグシップ車アテンザのレザー標準のLパケだって買えますけどね。   輸入車なら330万円あれば、VWゴルフも人気のMINIももちろん買えますし、メルセデスAクラスやBMW1erだって新車で手に入ります。それでも人々はプリウスを買い続けるんですね。だからといって必ずしもプリウスがあらゆる面でメルセデスやBMWのモデルより優れているというわけではないですよ。ゴルフがツボの人もいるでしょう。それでもプリウスと競合する価格帯の輸入車はちょっと...

100万円台のクルマ選び!!!これが一番面白いな〜。

  中古車じゃないですよ!もちろん新車限定です。100万円台でそれなりに納得させてくれるメーカーには頭が下がります。中には「100万円台のクルマなんて恥ずかしくて乗れん!」なんて感じる人もいるでしょう。クルマ好きというプライドが邪魔してハナから視界に入らないようにしているかもしれません。・・・けどそんなバブル期のプライドなんて捨て去ってしまった方がいい。100万円台だけども前ユーザーの汗が染み込んだ中古ドイツ車に乗るよりもおそらくずっと幸せな気分になれるモデルがあるはずです。もちろんカーシェアリングでガヤルド(ランボルギーニ)を使うよりもさ・・・。   まずは・・・100万円台ながらもフルタイムAWD!!!しかも5速MTまで選べてしまう!!!とんでも無いくらいにお得なバリュー・カーです!!!そしてなんとあまり車格を気にすることなく使えることで人気がある流行のクロスオーバーです!!!本体価格はたったの166万円(輸入車でフルタイムAWDなら軽く400万円!)。しかも乗っている人はそこそこリッチな方ばかり(セカンド需要が多い)!!!いきなり1台目から決定版的なヤツ出てきました!!!なんの取り柄もない国産車が軽く200万円、300万円を越える価格で売られる時代だからこそ、こういうクルマにはぜひぜひ売れて欲しいと思うんですけどねー・・・。もちろんスズキのジムニー・シエラです。   世間では「ルノーのカングーを弄ろう〜!」みたいな「にわかー」なトレンドがあるようですけども、日本人にはジムニーがあるだろー!!!2002年1月に登場した世代が未だに現役というスズキの宝物的モデルです。デザインもちょっとずつテコ入れされていて、どこか日本車離れした風格すら漂います。シャシーは本格クロカンと同じラダーフレーム。ランドローバーやジープの上級モデルやパジェロ、ランクルと同じ。巷で人気のマツダ、スバル、ポルシェの『なんちゃってSUV』とは格が違うんです!!!しつこいですが、ジムニー・シエラ=本物、ポルシェ・マカン=ニセモノです。   ルノー・カングーと対峙するなら、ジムニーではなくてソリオじゃね!?もちろんこのソリオも標準装備でシートヒーターが付いていたりして、何も知らないで乗った人にはちょっと高級!?って思われる要素もあって、単なる100万円台では済まないとってもいい雰囲気があ...

BMW と 日本車フラッグシップはどっちが上か?

  『見解の相違』で済ましたいのはヤマヤマなんですけどね。相変わらず「うぜー」こと極まりないコメントが続々やってきて、日々うっとおしいことこの上ないです。もう2年以上前に書いた「320dはダメだ!」というややストレートなレビューに対して、「BMWディーゼルは確かに煩わしいですけども、それでもBMWは日本車とは全然違いますよ!」みたいな具体性の乏しくて受け取り拒否したくなるようなコメントが来るんですよ(なんなんだこの盲目的なまでの信仰は?)。もう『宗教』っすね。『十字軍』が進撃してきます(みなさんも試しにブログでBMWを批判してみてください!ゴキブリホイホイみたいになりますよ!)。   そりゃ日本車のミニバンやコンパクトカーからBMW車にステップアップすれば、ドライバビリティの良さに感動することもあるでしょうけど、そんな次元の話じゃないんだよなー。バブル世代?ってのは、どうやら日本車の上級セダンなどには乗らないで、輸入車にいきなり行く人が多いみたいですから仕方ないのかも。その結果?かどうかわかりませんが、クルマの良し悪しがまともに語れない残念なオッサンが多いですね(なんで日産のスゴさがわからないの!?謎過ぎる!)。アリストとかスカイラインとか乗らずに、bBやキューブから一気に3erや5erに行くから『日本車はクソ』っていう感想しか持てないのかな。セルシオを一度でも愉しんだ人ならば、BMWに乗っても『ふーん』で終わると思うんですよ。   BMWが至上だと公言して憚らないオッサン達は、レクサス(GS/IS)、日産(フーガ/スカイライン)、ホンダ(レジェンド/アコード)、マツダ(アテンザ)を知らないんじゃねーの!って気が・・・。BMWと同等の車格ほ誇るこの4ブランドとBMWを比べた上で、それでもやっぱりBMWがいい!っていう人は全体の1/5以下だと思うんですよ。   まず始動(動き出し)。これは日本メーカーが圧倒的に強い部分なので、BMWにとっては一番苦しいところです。これは一番ハッキリと日本の4ブランドに圧倒的な差をつけられてます。なんでBMWだけスムーズに出られないんだ!!!ちょっとクリープさせないと上手く始動してくれません。独断と偏見で点数化すると、「レクサス9点・日産10点・ホンダ9点・マツダ7点・BMW6点」   ハンドリングはどれも甲乙付け難いで...

トヨタは日本仕様と欧州仕様が違うって本当!?

  「トヨタは欧州向けには真剣に作るけど、日本向けは手抜きが酷い・・・」そんな『都市伝説』があるようです。もしそれが本当ならば、それって大問題じゃないの!?トヨタくらいの巨大メーカーがそんなすぐバレるようなお粗末なことするわけないじゃん。誰かがそんなデマを流しているんだろーなー!とか思いながらも、出自を求めて調べはじめてわずか5分足らずで・・・うそ!そんなバカな〜。うわぁ〜名だたる評論家の著書から続々と見つかるよ。え〜マジかよ!!具体的に名前が挙がっているのが欧州モデルとして知られるオーリスですよ。リアのサス形式が日本と欧州では違うんだってさ。現行モデルでは1.8L車に欧州式が採用されているらしいけど、専門家に言わせれば、同じサス形式でもさらに使っている部品の精度がやはり欧州と日本では違うらしいですよ(どこから出た情報だろう)。   そりゃ日本と欧州では交通事情がまるっきし違うから、CVTとATを使い分けたりはするでしょうけど、足回りという一般的にはまず交換したりしない根幹的な部品が、全然違うってのはどーいうことだ? そーいえば、私の弱小ブログにも「トヨタは欧州と日本では設計が違うから嫌い!」とか言ってくる人いたっけなー。最初はコイツ何を言ってんだろ?って思いましたけど、なるほどそーいうことだったのですか!?いやー『無知』ってのは恐ろしいことですね。   有名どころの評論家から、国内モデルと輸出モデルで大きく設計が違うことに関して「メーカーの神経を疑う」くらいに批判にされながらも、国内シェアのトップを守り続けるトヨタもまたスゴいですね(誰もカーメディアなんて読んでない!?)。ただしトヨタが強いのはクルマ所有率が高い中部地方に強いディーラー網を持っているからみたいですね。逆に東京都の杉並区や世田谷区辺りなどの、国内と輸入の両方のブランドが入り乱れている地域ではメルセデス&BMWの好調とともに輸入ブランドが優勢になっているとか。この辺では『スズキアリーナ』とか『ホンダカーズ』とか『ネッツ』とか『カローラ』とか結構閉店しているんですよね。ウチの近所でもカローラが閉店しました。   最近ではBMWやボルボといった欧州ブランドもトヨタ傘下サプライヤーの部品をたくさん使うようになりました。欧州メーカーに大人気で引く手あまたと言われているアイシンAWの6ATで...

改めて「1.8~2.4Lクラス」のエンジンについて

  小型車エンジンと比べて刷新のサイクルが遅いように感じるのが中型車エンジンです。たとえば1.8L~2.4Lの直4はトヨタも日産も化石のような古いエンジンのままです。なぜ開発そのものが放棄されてしまうのか? 日本で最も売れている中型車は、もう断トツでトヨタ・プリウスになるわけですが、つまりこのクラスのパワーユニット常識がすでにHVに移行してしまったことで、トヨタも日産も古いエンジンをベースに長年ハイブリッドシステムを開発してきたことから、安易な仕様変更ができないみたいです。   今後は例外なくHVにどんどん置き換えられていくであろう中型車向けに、わざわざ自然吸気あるいは過給のエンジンを新規に開発するメーカーが少なくなってきたようです。HVに対して慎重な姿勢のスバルやマツダも2L4気筒にそれぞれハイブリッド化されたタイプが存在しますし、どういう因果かどちらも現行エンジンはあまり好印象ではなかったりします。これまでコスト管理がしっかりできている良質な日本メーカーの中型車エンジンは、海外の少量生産を行うスポーツブランドを支えてきました。有名なところではロータスがトヨタからエンジンの供給を受けています。   先日行われたルマン24時間は劇的な幕切れでしたが、ポルシェやトヨタとともにLMP1クラスに参戦したチームはアウディの他に「レベリオン」と「バイコレス」がありましたが、この2チームにエンジンを供給していたのがAER(Advanced Engine Research)というエンジニアリング会社です。このAERは大手メーカーのエンジンをベースにレース活動するチームにエンジンを供給するエンジンサプライヤーですが、AERがこれまでにベースとしてきたエンジンは6気筒が日産製(VQシリーズ)、4気筒がマツダ製(MZR)です。   AERが採用しているからこの2つのエンジンがそれぞれ6気筒と4気筒の頂点だ!というのは少々強引かもしれませんが、どちらも日産、マツダがそれぞれ「スポーティ」を意識して仕上げた「噴け上がり」重視の相当に気合の入ったエンジンです。エンジンシリンダの「長さ(ストローク)」より「直径(ボア)」が長いエンジンを一般にショートストロークと言いますが、どちらもこれに該当します。排気量に比してストロークが短いわけですから、物理的に回転数が上がりやすい設計になりま...