初心者にオススメの「小回りが利く」モデル5選


今回は自信ある

初心者だからかもしれないが、クルマ選びはとても楽しい。しかし最近のクルマはどれも大型化が著しくて、「あとで後悔するのではないか?」という思いが勝ってしまうこともしばしばある。加速性能やスタイリングなど非常に前向きになれる部分がある一方で、上手く乗りこなせるだろうか?様々な場所の駐車場に収まるのだろうか!?狭い山間部の道路での行き違いは大変じゃないか!?などなどの懸念は初心者ゆえに次々と出てくる(何も考えずに買えるといいのだけど)。個人個人の価値観で判断されることなので、絶対にこれが正解ってことはないのだけど、やはりクルマを所有する上で譲れないポイントがある。道路に合った気持ちの良い速度域でストレスなく巡行できること。日本にある40km/h、60km/h、100km/hと大雑把に3段階ぐらいある自動車通りの制限速度において、いずれも満足できるドライブフィールを備えているは大事なことだ。



3つの速度域で自在に走れること

MAZDAやBMWではディーゼルの販売比率が高いけども、実際にこの3つの速度域でかなり質の高い走りができる上、経済性にも優れているので積極的に選ばれていると思われる。ただしディーゼルには近距離走行を繰り返すとトラブルが起こりやすいという別の問題もある。適切な排気量を備えたガソリンターボや自然吸気ガソリンであれば、ほぼほぼ満足の走りができる。それでもディーゼルの底堅いトルク感には惹きつける魅力がある。この3つの速度域を楽しむためには、エンジンだけでなく「車体の取り回し」や「操縦性」も大きく影響する。いくら加速が良くても多くのSUVや大型サルーンは街中をヒヤヒヤしながら走る。しばしば軽自動車や小型車が軽快に追い抜いていく光景も郊外の道路ではよく目にする。北米や中国向けサイズ(ワイド&胴長)の車体が増えていることもあって、ちょっとしたヒエラルキーの逆転現象が起きている。そんな日本で楽しいカーライフを送れるであろう「小回りが利く」モデルを5つ選んでみた。



1台目 スバル・フォレスター

ただのSUVではない

一見何の変哲も無いようなスバルの中型SUVである。ハリアー、RAV4、エクストレイル、CX-5やプレミアムブランドからも同クラスのSUVは多数発売されていて、メーカーにとってもかなり利幅が大きいモデルばかりで熾烈なバージョンアップ合戦が繰り広げられている。フォレスターはスバルのグローバル販売では最量販モデルとなっている。同じようなサイズのSUVなのだから、好きなデザインのモデルを選べばいいのだけど、「小回りが効く」で判断するならばフォレスターが頭2つくらい抜けている感じがする。初心者なりに理由を考えてみたのだけど、他のSUVモデルは中速コーナーなどで、重心の高さを感じてしまい、ある速度以上で通過すると破綻しアンダーステアで腰砕けになりそうだが、フォレスターに関しては不思議とそんな腰高感がない。おそらく水平対向エンジンゆえの搭載位置の低さが効いていると思われる。


小さく感じる

かつてはMTモデルもあり、グラベルの山岳路でもガンガン入っていける取り回しが売りのモデルとして売られていたこともあり、現行モデルもコクピットのパネル(インパネ)がライバル車よりも一回り小さく感じる。中型SUVの多くが分厚いボンネットで迫力のあるフロントマスクを備えていて、インパネもそれに合わせて大柄だったりするが、これでは車体が不必要にワイドに感じてしまう。乗り味もそれに合わせてユッサユッサしたクルーザー然とした感じのものが多い。クルマを大きく感じる演出ゆえか、混んでいるスーパーやドラッグストアの駐車場で両サイドが停まっているスペースに押し込む際に、ちょっと億劫な気持ちになるのだけど、実際は案外すんなりと収まるから他社SUVも慣れの問題だとは思う。フォレスターに限った話ではないが、スバル車は実際の設計でも心理的にも小さく感じる演出ができている。中型SUVの取り回しに気後れしている人にオススメ。



2台目 日産スカイライン

特別なクルマ

乗り出しで500万円くらいする日産の高級スポーツサルーンで、スポーティとは言っても全長が4810mmもあり、その取り回しにはちょっと神経を使いそう。しかし実感としてはカローラツーリング(全長4495mm)よりも楽々と気分良く走れる。価格が2倍なのだから良いに決まっているが、スカイラインと同じFRのスポーツサルーンでサイズは一回り小さいレクサスISは、カローラツーリングより楽々という感じはない。実際は小さくても大きく感じられるという「真逆」のセールスポイントを持っている。日産とレクサスの方針はどうあれ、スカイラインの作り込みは素晴らしい。取り回しは「サイズ」ではなく「中身」なのだ!!という日産のクルマ作りの凄さを端的に感じられるクルマだ。


飛び道具

「サイズ」「重量」「出力」はいずれもクルマ選びの重要な指標だ。それぞれ大きく、重くなればなるほど、一般的には「軽快な操縦性」は失われていくものだ。比較的に新しい設計で小さくて軽量なカローラツーリングだったり、同じ500万円乗り出しながらもより軽量な直4ターボを搭載したレクサスIS(スカイラインはV6ターボ)を相手に、2000年頃に設計されたシャシーながらも基礎設計の良さで素晴らしいドライビングフィールを提供している。2000年頃のシャシーの方が最近の新型シャシーよりもコストがかかっていて良いものになっているという意見もあるだろうが、ステアバイワイアなどの「飛び道具」を2014年のV37(現行)発売時から採用していて、ハイテクな要素ももちろんたくさんある。このクルマの「価値」はやはり「小回りが効く」だと断言できる。



3台目 BMW5シリーズ

レベルが違う・・・

5m近い全長のクルマなのにスポーツカー並みの走りですっ飛ばしていく。ユーザー層にも少なからず倫理的な問題があるだろうけど、ハイオクガソリンを撒き散らして走りたくなるクルマを作ってしまっている。40km/h、60km/hまでパワートレーンがストレスなく加速する感じが少々クセになる。高速道路では100km/hに達しても、まだまだ半分以上の余力を残している感じであり、ドライバーへ悪魔のささやきが・・・。特別なエンジンが搭載されたモデルなら誰でも300km/h超で走れてしまうポテンシャルのシャシーを使っているのだから、日本の高速道路ならCD値、風切り音、横風、ロードノイズいずれも全く問題なく抑えられている。


どこにでも出没

高速道路降りてそのまま峠道ツーリングに参戦できてしまう。先日も中央道を小淵沢で降りて八ヶ岳方面でドライブを満喫したが5シリーズはちょくちょく見かけた。奥多摩を超えて柳沢峠へ向かった時にも、やはり5シリーズは出現する。秩父方面に299号を走っても出てくる。車幅感覚が掴みやすくライントレース性も高い。ちょっと重めのハンドリングが直線基調の道路では安心感がある一方で、ワインディングでちょっとステアリングを切り込むとスッと車体の角度が変わるので、コーナー手前で無駄にハンドリングのタイミングを計ることに神経を擦り減らす必要もない。フルサイズセダンが収まる駐車場さえ確保できれば、最高のドライビングサルーンの1台と言ってもいいかもしれない。



4台目 スバル・レヴォーグ

日本スペシャル健在

フォレスターにも言えることだけど、全車AWDというスバルの変態設計が施されている。「小回りを利かせる」という意味ではFFやFRの方が一日の長がある。それでも全車AWDとしてエンジン、ミッション、ハンドリングをAWDに最適化して仕上げている分だけ、他社のAWD車よりも際どい設計ができるらしい。フォレスターにせよレヴォーグにせよアウトドアを満喫する荷室が魅力のクルマであり、後部に重量のある積載があってもトラクションが得やすいAWDに拘る判断は妥当だ。2代目となったレヴォーグも日本市場向けモデルらしく4755✖︎1795mmの使いやすいサイズに整っていて、出力も新型1.8Lターボで177psでフォレスターのガソリンターボと同じ。車重もほぼ同等で減速比まで同じ仕様。ただしフォレスターにはHVモデルが・・・。


V37スカイラインを超えろ!!

初代から高品質なクルマ作りで300万円を大きく超える価格帯ながらも大ヒットしたレヴォーグが、サイズはそのままにスバル自ら世界一を目指したと言い切る新型シャシーのSGPが導入された。ワゴンは車体後方のハッチバック開口部の広さゆえに「ゆらゆら」して追従遅れを感じてしまいがちだけど、剛性自慢のSGPの恩恵を受けている。セダンもかなり少なくなっているスバルはSUV、コンパクトハッチ、ワゴンに利く設計へと振っているのだろう。先代レヴォーグやWRX・S4で感じたシャシーの「ゆるさ」はなくなり、WRX・S4より一足先にフルモデルチェンジとなったレヴォーグだけど、同時発売で苦杯をナメたV37スカイラインに対抗できる「小回り」が利く「操縦性」を獲得した。先代のレヴォーグやS4も取り回しに関しては抜群に良いクルマだったが・・・。





5台目 ポルシェ・マカン

キング・サイズ

今回挙げた5車種の中で唯一の全幅1900mm超え。それでもランクル、アルファード、マセラティのギブリなど、1900mmクラスが旧規格で狭いデパートの駐車場にもびっしりと収まっているし、この中でポルシェ・マカンの取り回しは断然に優れている。1900mmの「王様クラス」しか乗りたくない!!という強いこだわりと憧れをもつ初心者は、1台目に妥協してしまうとその後もついつい1700mm前後のクルマを選ぶ「平凡なユーザー」に収まってしまう可能性も高い。アルファードやランクルに乗っている人は、「1900mm以上ないとクルマじゃない」くらいに思っているらしい。王様サイズ愛好家の仲間入りをしたい初心者は、ちょっと頑張ってマカンを手に入れよう。アルファードやランクルよりも運転席でドライブの醍醐味を味わえるクルマだと思う。


余裕で使える

アウディQ5と基本設計が同じクルマ。BMWの同クラス車よりも良いサスペンションを使うなど、アウディのオーバースペック気味の縦置きシャシーは、設計当初からポルシェでの活用を考えて作られている節がある。アウディシャシーが使われているマカンとパナメーラは、狙い通りのスポーツSUV、スポーツサルーンとしてグローバルでスマッシュヒットした。VWグループの戦略でもあるのだろうけど、アウディでは十分に実力を発揮できていないシャシーがポルシェで魅力的なモデルになった。マカンもパナメーラも最初はサイズに戸惑うけど、乗ってみれば日本の街並みでも特に不自由なく使えるどころか、むしろハリアーやカムリなどよりも小回りが効いて軽快ですらある。



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