クルマが売れない。別にカネがないわけではないが・・・

 

インフレ

クルマ、ロードバイク、書籍、靴、腕時計、ウイスキー、ジンなどなど。ある程度の年齢になれば「生活必需品」とされるものの「物価上昇」が止まらない。コロナ禍が続く中で、質の良いものを作るのはとにかく大変らしい。ちょっと前には経済評論家を名乗るデフレ大好き専門家が、メディアに多数露出して「クルマなんて要らない、靴や時計は安物でいい、本は買わずに図書館へ」とか家計のアドバイスをしていたが、それに乗った大多数の人々が救われずに路頭にさまよい、結局は安易な政権批判で自分を納得させている。失礼だが本を買わずに図書館通いしている人に政権批判をする資格があるとは思わない。



マクロ経済

デフレ大好き専門家に最初から懐疑的な視線を向け、クルマに乗り続け、本を買い続け、ロードバイクにもお金を掛け、服装、靴、腕時計にもそれなりのクオリティを求め続けてきた人は、かなりの確率で所得が上がったんじゃないかと思う。そもそもある程度の収入がなければそうしたモノにお金を費やすことはできない。それらのモノを「生活必需品」として買い求める人々の平均所得がこの10年で大きく上がった、その結果それらの物価も同じく上昇した。ニューヨークやロンドンの家賃が高いのと同じ仕組み。しかしそこで生活する人々が他の地域の人々より優秀だという話ではない。彼らが他の地域に移住したとして新天地の平均所得より多く稼ぎ出せるという保証はない。「環境」と言い換えることができる経済循環がそこに存在しているだけだ。




考えて買うから楽しい

デフレ大好き専門家のアドバイスで唯一参考になるのは、資本主義で散発的に見られるバブル経済現象に巻き込まれないよう「自制」することだ。ほとんど経済的な負担を感じさせないくらいに激安なスーパーマーケットでレジに30分くらい並んで買い物している限りでは「自制」はあまり必要ない。それよりもアイスクリームが溶けてしまうリスクの方が高い。ちょっと前まで新車で250万円くらいで買えていたVWゴルフが、現行モデルでは400万円くらいまで跳ね上がった。これはまだ「バブル」とは言えないかもしれないが、VWグループの別ブランドのこれと同等のスペックのクルマが600万円とかで売られている。まだまだ身を滅ぼすような「バブル」ではないかもしれない。クルマを買うときはあれこれと考えて、人生で最高と言ってもいいくらいにとにかく楽しい。「クルマを所有しない」という選択は尊重するけど、なんか勿体無い気がする。


「自動車社会学」なんて幻想だ

トヨタ、スバル、マツダ、ホンダなど主要メーカーのモデルは400万円くらい出せば新車で満足度の高いモノが買える。日産や三菱は少々お高く止まっている。それでも隣人が800万円のポルシェのSUVやスポーツカーを買ったならば、そんな満足感は軽く吹っ飛んでしまうかもしれない。人によっては700万円するというメルセデスやBMWのミドルセダンにさえ嫉妬してしまうだろう。最初からデフレ大好き専門家のアドバイス通りにクルマなんて買わなければ、こんなに面倒臭い感情を持たなくてよかったのかもしれない。あらゆるタイプの嫉妬にいえることだけど、その感情が芽生える人は、自分の「情報弱者」っぷりに目を向けるべきだ。



納得できるポイント

ちょっと落ち着いて考えればわかることだけど、400万円の日本メーカー車は世界最先端の安全装備が満載されたフラッグシップモデルだ。点検でディーラーに持っていけば、お客として大事にされているとひしひし感じる。クルマ好きの多くは問答無用でフラッグシップを買うものだ。それに対して800万円のポルシェはもちろん素晴らしいクルマなんだけど、ポルシェのラインナップにおいては「底辺」になる。ディーラーではちょっと肩身が狭いんじゃないか!?そんなことを想像できれば「嫉妬」の感情はすぐ消えるだろう。そして700万円のCクラス(中国製)や3シリーズ(メキシコ製)への「嫉妬」はもはや重症と言っていいレベルだ(余計なコメントは差し控える)。


クルマが売れない理由

デフレ大好き専門家と、無能過ぎる自動車メディアの大活躍で、クルマの売れ行きは停滞気味だ。JR各社が路線を縮小する中で、当面は自動車需要でそれを補う必要があるのだけど、販売台数は伸びていない。市場拡大が望めない自動車メーカーは経営リスクを取らない方向へ舵を切っていて車種の多様性は急速に失われつつある。軽自動車と超高級車はよく売れている。自動車行政による軽自動車への誘導と、SNS時代を象徴する「見せるためのクルマ」は伸びているのだろう。心理学者の本によく書かれがちな「浅ましい人間ばかりの社会」を言って差し支えないのでは!?AJAJの自動車レビューの多くは企業広告みたいなものだから、そんな浅ましい社会を助長するものばかりだ。価値観が合わない自動車レビューなど読んでいても楽しくはない。



価値観は人それぞれだ・・・

ちょっと短絡的かもしれないが、「嫉妬」の原因は「知識不足」によるものが多い。クルマの価値がわかってないから「輸入ブランド車じゃなきゃダメ」という意識も醸造されてしまうのだろう。全てのクルマには設計者が存在する。クルマについて熟知した人々がアイディアを出しあって4年前後の年月をかけて作り上げている。どんなクルマであっても感動できる要素は必ずあるわけで、30万円くらいでロードサイドで売られている15年落ちの中古車も、ちゃんと知識がある人が所有すれば「自慢の1台」になる。「浅ましき社会」の無知な隣人の価値観に囚われてはいけない。800万円のポルシェの隣だったら、堂々と中古のスバル・サンバーを留めればいい。




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