令和の「ハイソカー」候補 ・・・わずかに2台。




バブル期は200万円のクルマで自慢できた!?
ハイソカーって何?って人もいるでしょうけど、私もよくわかりません。バブルの頃に日本メーカーはマークⅡ・171万円〜みたいな価格で、そこそこの車格のモデルを売ってたようです。90年代前半は今よりも給与水準は高いですから、そりゃマークⅡが月に10000台とか売れても不思議でもなんでもない。ちょっと背伸びした若者とちょっとした病院の院長が仲良く同じ種類のモデルを買っていた時代。センチュリーやSクラスはヤクザ御用達だし、初代セルシオの新車価格も455万円〜という時代(今だとクラウンも買えない)。


ハイソカーは消えた!?
よくわからないですけど、「クルマ離れ」を止めることができるのは、この「ハイソカー」のようにクルマはいらねーと言う連中にバカ売れするカラクリを備えたモデルがたくさん増えてくることだけど、今の日本市場には・・・当たり前だけど全く見当たらない(もし存在するならとっくにバカ売れしてる)。え!?なんで!?いつから無くなったんだろーか!?


労働所得の減少・・・なんてブッ飛ばせ!!
20年前までアホみたいに売れていた「ハイソカー」なるコンセプトが、泡のように消えるなんて不思議だ。1990年代前半はサラリーマンの平均所得500万円超えで171万円のハイソカーなら見事に年収の3分の1に収まっている。その後の「失われた20年」で日本メーカーのリストラセクションが頑張った結果、平均年収は400万円前後まで下落。この時点で日本メーカーのほとんどは日本市場に対してある種の「諦め」と感じたようで、ホンダの前任のI社長は「Kカーこそが日本市場の理想形」とまでおっしゃっていた。


ガキが乗る時代ではなくなった・・・
ハイソカーなる、若者を自動的にクルマへと駆り立てる便利な「舞台装置」はあっさりと崩壊したようだ。171万円〜でハイソカーを売っていたトヨタで、現在は同じような上級モデルに位置するレクサスESは580万円〜もする。これ400万円台だった初代セルシオ(1989年発売)すらも完全に超えている。580万円の3倍だから、購入者の想定年収は1740万円くらいか!?これでは日本の給与所得者のほとんどは対象から外されているようだ(経費で買うクルマ?)。仮に年収が2000万円あったとしても、社会の「腫れ物」みたいに見られかねないクルマに特別な感情はあまり湧かない。つまりレクサスESでは「ハイソカー」にはならない。


リアルな価格
簡単にハイソカーを定義してみると、「若者の所得でもなんとか手が出せる」「高級感あふれる車格」「市販車トップレベルの走行性能」の3つを兼ね備えているクルマだろうか。平均年収が400万円だからクルマの価格は135万円では、さすがにこれでは何も始まらないので、現在でもそこそこ台数が出る価格帯で考えましょう。250〜350万円くらいでしょうか。メルセデスやBMWもこの価格帯でCクラスや3シリーズの売れ残りを処分したり、入門モデルを用意しているし、この価格帯のモデルを増強したフランスメーカーやジープがここ数年好調となっている。日本のユーザーの現実的な価格なのかもしれない。


せっかく買うならこれくらいのモデル
輸入車が買えるならそれでいいじゃん!!って気もするのですが、250〜350万円で買える輸入モデルは例えばメルセデスAクラス、VWゴルフ、BMW1シリーズといったCセグハッチバックモデルがほとんど。誤解を恐れずに言ってしまうと、高級に見える輸入モデルはこの価格帯では売らないし、日本車なら200万円くらいで買える大衆的なクルマをこの価格で売る。生意気かもしれないけどCクラスや3シリーズもやや物足りない。諸経費を払って所有するのであれば、プジョー508、BMW4シリーズグランクーペ、アルファロメオ・ジュリア、VWアルテオン辺りでしょうか。これらが350万円以下で販売されれば、十分に「ハイソカー」として無関心な日本の若者を刺激するでしょうけど。


日本メーカーなら安くできる!?
そのクラスの輸入車と互角に戦える日本車が350万円以下ならば「令和のハイソカー」の資格がある。残念ながら年内で販売を終了すると言われている「マークX」とその後継需要を吸収するであろう「カムリハイブリッド」の2台が候補になりそうだけど、現行マークXは10年ものサイクルを刻んでおり、その間に一気に進んだインテリアの進化についていけていない。FRのV6が300万円で手に入る!!までは十分にテンションが上がるが、やっぱりインテリアは大切だな・・・ハイソカーのユーザーはライフスタイルを求めているのだから。


ちょっと違うんだよなー
カムリはトヨタがなんとかベースグレードを350万円以下に潜り込ませてくれたけども、トヨタの素のグレードって10年前のマークXとあまり変わらない雰囲気なんですよねー。ハイブリッド専用モデルにして客単価を上げる戦略もあって、現実には400万円前後で買うクルマになっている。決して悪くはないのだけど・・・。


どっかにないですかー
最新鋭のユニット、エクステリアもインテリアもセンス抜群、上級モデルを思わせる車格、250〜350万円。日本メーカーが508や4シリーズグランクーペみたいなクルマをこの価格で売るのって絶対に無理ですかね!? ・・・で無理やり探してみたら2台だけ見つかりましたよ。






マツダ・アテンザセダン(282万円〜)

先日の決算発表会では日本市場の短評においてアテンザの販売が好調だと書かれていた。当事者として手応えがあるのだろう。かつてはBWMをブッ飛ばす!!と意気込んで作られていた初代/2代目アテンザだったけど、この3代目は登場から異色だった。カッコいいスタイルの伝統こそ受け継いでいるけど、走りは「トヨタ」・・・とか英国カーメディアにも言われてましたが、マイナーチェンジを繰り返すうちに、世界で最もコンフォータブルなミドルサルーンだと同じ英国メディアが認めてましたよ。「ちょっと退屈」「最高に快適」この2語が踊っている。詳しくは下のリンクをどうぞ。






「最高」の評価へたどり着く

やっぱり「ハイソカー」に求められている褒め言葉は「(技術的に)最高」。できれば日本のカーメディアではなくて、福野さんや外国のカーメディアから評価されたい。2012年以来ややピンボケしたコンセプトと評され欧州で苦戦してきたMAZDA6(アテンザ)がモデルサイクルの集大成を迎えてから英国メディアから「最高」を頂きました。お見事。イケてる日本の若者は新型MAZDA3(アクセラ)ではなく、現行アテンザを買うべきじゃないの!?これは令和のハイソカーと言っていいのでは!? どーでもいいが新世代でもマツダは「ハイソカー」を作れ!!





ホンダ・インサイト(326万円〜)

アテンザがフラッグシップなのに対して、インサイトは現行ホンダではヒエラルキーの4番目に位置するサルーン。レジェンド、クラリティ、アコード、インサイト、シビックセダン、グレイスと売れない日本市場に6車種もサルーンを用意している、セダン大好きなホンダ。パワートレーンが全部違っていて、現状ではどのユニットも複数のセダンに跨って使われるものはない。BMWやメルセデスのユニット使い回し主義が悪いとは思わないけど、ホンダサルーンは1モデルごとにユニット選びからコンセプトを作り上げているのもあって、6モデルそれぞれに独特の味わいがある。ホンダの6サルーンを全て同時所有しているこだわりの強い偏愛者もいるのだろうか!?(セダン好きならその価値は十分にあると思う)


ホンダは先を行ってる

グレイスはフィットのセダン版であり、シビックもハッチバックとの共通開発ということもあり、サルーン専用モデルとして開発された上位4モデルでは最もリーズナブルな価格のインサイトだけども、内容は充実している。ホンダが欧州のプレミアムDセグをターゲットに突き詰めたと言っているだけはある。つまりこの記事で主張している508や4シリーズグランクーペに匹敵する350万円以下のモデルを最初から視野に入れて作り込んでいる。アテンザはちょっとデカイなー・・・というマツダファンがフラフラやってくる!?(客を取られる前にMAZDAも作れ!!)



↓このハイソカーのデザイナーが10年後にアウディを世界的に躍進させる。


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↓このエンスーさん(ユーミンの旦那)の原点はハイソカーだったそうだ・・・


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