『いいクルマ』ってどーいう意味だろう!?ゴルフ と デミオ

  「スイフトはいいクルマだ」「ゴルフはいいクルマだ」「デミオはいいクルマだ」「インプレッサはいいクルマだ」・・・とかよく聞きますけど、形容詞は「いい」だけしかつかなくていいのかな!? 細かい説明なんて面倒だし大して伝わらないから省略なのかな!?

  日本語の奥深さなのかもしれないけど、この「いい」の意味はなんとなく伝わっています。直接的にはちょっと表現しづらいから、単に「いいクルマ」で済ませているだけで、本当の意味は「見た目はそう見えないけど、実は想像以上にいいクルマ」ってことです。しかしクルマ好きってのは、かなりの割合で『?』なので「いいクルマ」の意味が勝手に飛躍していきます。

  さらに余計なことを言うと、『いいクルマ』ってのは、結局のところ『?』なファンによってその性能を過大評価されやすいクルマの総称です。ただただシンプルに余計なものを付けずに、工場のラインからドカドカと吐き出される量販車でしかない。良くも悪くもそのメーカーのスタンダードでしかないクルマを、他のモデルとの比較で「いい」という形容詞はちょっと無理があるような・・・。まあこれもある種のクルマの楽しみ方なんでしょうけど。

  人々に愛されている「いいクルマ」の中でも特に最強の1台を決めよう!!これぞ「究極のいいクルマ」って言いふらすことができる1台はどれだろう!? 見た目ではとてもいいクルマではなさそうだけど、実際に試してみるとあまりの感激に「衝動買い」してしまいそうなクルマを10台選んでみました!!

第10位 VWゴルフ(249万円〜)


  もう慣れちゃったのでそれほど驚くこともないですけども、この極々平凡なエクステリアのクルマがなかなかすごいです!! 欧州でも中国でもベストセラーになっていて、日本でも常に輸入車のトップを争う(現在は2位)くらいに広く知られたクルマです。欧州や中国ではリーズナブルな価格設定も人気の秘密になっているのですけども、日本でも250万円〜買えるので、下手すると最近高騰気味の日本車よりも安上がりになることも!!

  メキシコで組み立てて、中国で内装をしたドイツメーカー車が、日本車と同等の価格なのにそんないいクルマなはずはない!!と思うかもしれないですが、同じクラスで300万円台のメルセデス(ポーランド製)やBMW(南アフリカ製)よりも、駆動系の仕上がりが完全に一枚上手です。メルセデスが1.6Lターボ、BMWが1.5Lターボなのに対して、1.2Lターボもしくは1.4Lターボを使うゴルフ。エンジンの質感は3ブランド共に大差ないです。

  大きなアドバンテージはミッションで、まずZF製8ATを使うBMWは出足でかなりもたつきます。さらにひと昔前のCVTのようなちょっと滑る感覚が出ます。ある程度は軽快さが欲しいCセグにはちょっと不似合いだと思いますし、ペダルへの応答性という意味でも問題ありかも。もし小型/中型にトルコンATを使うならやはりマツダのように幅広いロックアップ(起動時にはDCT的な力強さが得られる)で機敏に動けるギミックが必要不可欠だと思います。

  それに対してメルセデスとゴルフの両FF車はDCTを使用。アルファロメオなどちょっとギクシャクするブランドもありますが、メルセデスとゴルフのDCTは大きく破綻するような瑕疵はないです。まあこれがA/CLAクラスとゴルフが売れている要因の1つだと思いますね。ただし、動き出しの繊細なところでは非常識なアクセルの踏み込みは全部キャンセルしてしまう機構が組み込まれているようで、ちょっとフワフワする踏みごたえのアクセルフィールがメルセデスの方で特に強く感じました。つまり・・・ドイツの3陣営の中ではVW/アウディがCセグに関してはベストな乗り味かな!?と断言できます(サスも負けてないですし)。とにかくミッションとサスでクルマの印象は大きく決まりますけど、そこを押さえているゴルフとVWは素晴らしいってことです。

  そんな「ドイツ予選」を勝ち抜いたゴルフに対して、本命不在の日本代表・・・。アクセラ、インプレッサ、プリウス、シビックといずれも「ゴルフには負けない!!」と関係者が同音異口に述べてますけど、なんかどれもそれぞれに「思想強すぎ」な気がするんですよねー。そりゃいくつものパラメータにおいて日本勢はゴルフを凌駕しているかもしれませんが、もし『自然体』という評価項目があればゴルフには勝てない!?ゴルフの『強み』は良くも悪くも『プレーン』なところでしょうか。新登場の1.5Lエンジンが年内には日本にやってきてやや弱点だったエンジンフィールも改善されるようです。


第9位 マツダデミオ(138万円〜)

  第10位のゴルフもそうですが、このマツダ・デミオも先代モデルがWCOTY受賞ですから、今さらに「いいクルマ」ともてはやす必要もないかも。先代が3代目で現行が4代目ですから、マツダの設計上では同じ世代のシャシーを使っています。このシャシーだけはフォード時代に設計されているので、今でも兄弟車のフォード・フィエスタと近い関係にありますが、あちらはちょっと前までWRCでカッ飛んでいた「Bセグのスーパースター」です。なんとも優秀な双子。

  なんでそんなクルマが9位なのかって!?(ちなみにゴルフはちょっと有名過ぎだから)  デミオの場合はクラス水準で非常に優秀なのはわかるんですけど、実際に乗ってみると結構残念なところがあったりするんですよ。まあ間違いなく「いいクルマ」なんだろうけど、ちょっと疑念がある。もしかしたら「いいクルマではない」かも・・・って。

  まずは運動性能について。このクルマですけど、「本当にマツダ車!?」って思うくらいに制動力が低い。特にディーゼルモデル。まさか先代の重量を基準に策定されたブレーキをそのまま使っている!!なんてお粗末なことはないでしょうけども、もうちょっと機敏に減速Gがあってもいい気が・・・。

  あとはもっとフレキシブルにドライバーの着座位置やステアリングホイールのポジションを変えられたらいいのになー。マツダ車に期待するところって360度ビューモニターとかじゃなくて、チルト、テレスコピック及び座面の調整しろをトヨタ86に負けないくらいにして欲しい。ステアリングが86くらいビヨーンと出てくるのがデミオのイメージに合っているかも。あと座面調節のレバーの材質が初期のものは非常に残念だった・・・文句がある奴はLパケを選べってことか!? 確かにLパケなら、エクステリアとのギャップはもっと大きくなって「いいクルマかも」



もうすでに選定は終了していますが、8位〜1位は次回以降に順次書いていきたいと思います。


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