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BMW3シリーズでも買ってみますか?

  クルマは欲しいけど、まだクルマのことが良くわからないうちは、あれこれ考え過ぎてしまってなかなか1台に決められないですよね。特に特定のブランドのファンというわけでもなく、憧れるクルマがハッキリと存在するわけでもない人にとっては、400万円余りの買い物を決めるのは現実的には不可能だと思います。そこで自動車雑誌などを読んで参考にして、自分に合った一台を決めることになりそうですが、残念ながらジャーナリストの意見なんて全く参考にはならないでしょう。そもそもクルマの専門家というのは、そのおよそ99%が「センスが無い」残念なヤツらです。日本を代表するくらいの「ダサいヤツ」の意見を聞いてクルマを選ぶなんていくらなんでも愚か過ぎです。   そもそもほとんどのクルマ雑誌は、ビギナーがクルマを選ぶのにためになることなんて全く書かれていません。お便りコーナーを見ていると「私にはどんなクルマが合ってますか?」なんて訊いている人がいますが、ズバリ「スイフトスポーツです!」「VWゴルフです!」「マツダ・デミオです!」やら・・・何とも一般ウケしないようなクルマを勧められるのがオチです。スイスポ・ゴルフ・デミオはあくまでユーザーの「感性本位」で選ぶべきクルマであって、選んだ本人がそのクルマについて熟知していて、即座に良さを10以上は指摘できるくらいでないと選ぶべきではない上級者向けモデルです。別に上級者向けだからといって運転が難しいといったことは全く無いのですけど。   それではどんなクルマだったら一般ウケして、クルマに対する知識があまり無くても、そのクルマの良さをしみじみと感じられるのでしょうか? 一つの指針として、それは人生の酸いも甘いも嗅ぎ分けたオッサン達が好んで乗るタイプのクルマに注目すると良いかもしれません。オッサン達が長年クルマに乗ってきた感覚というのはやはり馬鹿にはできません。男というのは習慣性の高い趣味を好みますし、お酒もコーヒーもだいたい好みの銘柄は年齢とともに決まってくるものなので、日常的に乗るクルマのフィーリングに関しても同じことがいえます。多くのオッサン達が好むクルマとして支持を集めるのが「クラウン」と「3シリーズ」です。つまり極論すると「トヨタ・クラウン」と「BMW・3シリーズ」こそが、何も先入観が無いフラットな状態の人ならば、積極的に選ぶべきクルマだと言えます

日本カーオブザイヤーという”茶番"の季節がやってきました!

  昨年は初めて輸入車が受賞した「日本カーオブザイヤー」の10ベストカーが発表されました。この賞は1980年に始まり今年で35回目を迎える歴史あるもので、記念すべき第1回はマツダの歴史に燦々と輝く5代目BDファミリアが受賞しました。その後もソアラ、シビック、MR2、アコード、シルビアといった日本のモータリーゼーションを牽引した名車が続々と登場しています。伝説の日本車豊作の年1989年はやはり世界を驚嘆させたセルシオが受賞しました。2007年の第28回まではホンダ車がやや多い気がするものの、28台いずれ劣らぬ名車ぞろいで、その選択の素晴らしさに疑いの余地は全くありませんでした。   しかし翌年の2008年(第29回)でGT-Rではなく、トヨタIQが選ばれた辺りから変調を始め、日産リーフが圧勝したり、ホンダCR-ZとVWポロが激しく競ったりするのを見て、30年に渡るこの賞の重みが吹っ飛んでしまった感があります。この時期の審査員は氏名と得点が赤裸裸に公開されていて、おそらく全員が自身の名前を削除したいとか思ってるのではないでしょうか。それにしても今回の選考委員も見事なまでに「軸のぶれた」評論家がたくさん揃いました。主要雑誌でメイン記事を書いている高名な方々ではありますが、とりあえずI井M道、I川M照、O本K一郎、O沢Kジ、K岡H明、K口Mぶ、K下T之、K島T也、K沢M宏、S水K夫、N川J、M下Hとざっと有名どころだけでも12人のグダグダ評論家が集結しています。彼らの過去の著作物を検索すると、今とは真逆のことを言っていたりすることがたくさんあって、ガチンコ主義でこんな"茶番"に関わらなくても仕事がいくらでもあるF野R一郎さんやS村S太朗さんが、徹底的に軽蔑している「同業者」とは彼らのことを指しているようです。   ちなみに10ベストカーの内訳は国産6(デミオ、スカイライン、レヴォーグ、ヴォクシィ/ノア、ハスラー、Nワゴン)輸入4(Cクラス、308、i3、ジープチェロキー)です。すでにこの時点でヴェゼル、WRX、アクセラ、ハリアー、コペン、マセラティギブリ、アウディA3セダンといった売れ線が見事に予選敗退してます。これにはメーカーの意図があるようで、ホンダとしては受賞などしなくても売れまくっているヴェゼルよりも、もっと売りたいNワゴンを推していると

ホンダがDCTを採用したとたんに「トルコンATがベスト!」って・・・

  ちょっと難しい話ですがオートマチック・ミッションの話をしたいと思います。タイトルにもあるように、ユーザーを舌先三寸で誤魔化すアホメディアが、突如として「掌返し」を始めました。ちょっと悲しい話ですけども、80年代以降の世界の自動車産業をリードしてきたといっていい日本は、メーカーの秘密主義も災いしてか国民全体がクルマについて無知です。そしてクルマに関しては"愚民"といえる人々の社会ではカーメディアも全くといっていいほど機能しておらず、中国政府が世界に向けて「多雨の東アジア地域では(一部の)DCTはまったくもって不適切!」という公式声明を出すまでは、欧州車を中心に搭載されるDCTに何ら疑問を持っていなかったのが実情です。日本の自動車産業はまだ中国には負けていないですが、カーメディアは完全に負けてしまったようです・・・。   AT(オートマチック・トランスミッション)には現在大きく分けて3種類あります。メンドクサイことに専門家による優劣の判断が保留されたまま3種類ともに日本市場では勢力を伸ばしていて、結局どれがいいのかよくわからないという人が多いです。3種類とは「トルコン」「CVT」「DCT」で、それぞれの特徴を以下に簡単に言っておきましょう。   「トルコン」はATとしては最も歴史が長く、その分研究も十分にされ世界の大手メーカーの全てで実用化されてきたので、それぞれに熟成が進んでおり変速ショックで乗り心地を損なうことが少ない多段化されたものが主流になっています。ちなみにトルコンとはトルクコンバーターの略ですが、これは粘度の高いオイルを使う変速機なので、従来のMTに付随する歯車が摩耗するリスクは大きく軽減されます。つまり構造的に耐久性が非常に高く、欧州でかつてトルコンATに対抗して作られた「自動MT制御」に比べて故障率はかなり低い水準に抑えられています。   もっとも現在のトルコンは「プラネタリーギア」という副変速機を使うことでスピーディに細かい変速を実現していて、この部分は歯車が使われているので完全に摩耗リスク・フリーというわけではありません。それを差し引いても他のミッションよりも、断然に信頼性が高いですし、燃費やコストよりも第一に乗り心地を重視する高級車を中心に多数採用されています。ひと昔前のトルコンには酷いものもあったようで、某フラ

日本車vsフランス・ドイツ・イギリス・イタリア車のデザイン対決

  前回に引き続き、清水草一氏の手抜き(失礼!)と思われるベストカー記事に憤慨しての企画ですが、日本と主要国との「デザイン対決」を考えてみたいと思います。ちなみにくどいようですが、清水氏の結論は中国◯韓国△アメリカ◯スウェーデン△フランス×イギリス×ドイツ×イタリア×で日本は2勝4敗2分だそうです(しかも日本寄りのジャッジで!)。そして私が考える前回までの結果は中国◯韓国◯アメリカ×となっています。今回は残りの5カ国との対戦を考えていきたいと思います。   まずはスウェーデンですが、大手ブランドはボルボしかないです。ということでボルボ全モデルを検証して日本代表と闘わせましょう。「V40vs アクセラ」「S60vsレクサスIS」「V60&V70vsアテンザワゴン」「XC60vsハリアー」「XC70vsレクサスRX」「S80vsレクサスLS」・・・ボルボもとても頑張ってはいると思いますが、さすがに圧倒的な質・量で日本の完勝じゃないでしょうか。ボルボの主力車種S60/V60が、恥も外聞もなく某・日本メーカーのフロントデザインをモロにパクってフェイスリフトをしてるくらいですから、デザインに関してはスウェーデンは日本に何も文句言えない弱い立場です。これは中国や韓国よりも完全にイージーな相手でした!   次はフランス・・・これは相当にキツいですね。シトロエンとかいう国際競争力ゼロのくせにやたらと「乙」なデザインを繰り出してくるブランドがあります。そして同じPSAグループのプジョーが出した「新型308」もまた素晴らしいデザインです!余計なことは何一つしてないハッチバックらしいシンプルなデザインですけど、とても瑞々しくてナチュラルな美しさを持っています。シトロエンDSシリーズは「ファッションの国」の圧倒的な自信と破壊力を見せつけていますが、この308の素朴な佇まいは「カウンター的」なインパクトがありました。   プジョーからのパクリ疑惑が数年前に巻き起こった、日本の某メーカーの開発主査は世界を驚かす自慢のデザインを「チーターをモチーフにしました!」なんてドヤ顔で説明してましたが、そもそもなんで日本にいない動物を?といった「勇み足」な感じがしてしまいます。あれこれと手を加えることももちろん素晴らしいですが、「新型308」のようなスピリッチュアルなデザイン手法と比べ

日本車はダサいと言っている人はクルマ音痴だ。

  クルマに限らずデザインの優劣を考えるのは難しいもので、主観なのか客観なのかを前置きすらせずに語り出したら、それはもはや何ら意味を持たない暴論になってしまう可能性もあります。最近読んだ中で「目に余る」のが、評論家・清水宗一氏がベストカーで展開した「国産vs輸入車・国別対抗戦」という記事。やっぱりこの人は救いようがないほどのアホですね・・・。あまりに雑すぎる仕事っぷりなので余計なお世話ですが全部書き直してみたいと思います。   清水氏の結論を簡単にまとめると、日本車を中国◯・韓国△・アメリカ◯・スウェーデン△・フランス×・イギリス×・ドイツ×・イタリア×の8カ国と対戦させると以上のように2勝4敗2分になるようで、それもかなり日本贔屓での判定だそうです。「初心者」の分際で超有名ライターに楯突くなんて頭オカシイと思われそうですが、勝敗はともかく清水氏がそれぞれに付けている短評にはまったく納得できないです・・・これはプロパガンダじゃないのか?   さて最初の相手「中国」ですが、統廃合がすすんでいるとはいえ軽く20を超えるブランドが乱立していて「代表選"車"」を選ぶのも難しいです。敢えて推したいのが提携相手の本家BMWを超えるデザイン性を発揮しつつある「ブリリアンス」のクルマでしょうか。BMWのシャシーを使いつつエンジンが何と「V6」です! これはBMWの正規輸入車との差別化を図るという意味合いがあると思われます。とりあえず今回はデザインのみが判断基準ですからその辺は無視して話を進めます。ベースはBMW車なんですが、クリス=バングルによってなんだか「幸薄い」デザインに成り果てた本家のデザインとは違って、中国人好みの肉感的な張り出しが強調されていて、BMWと日産(フーガ/スカイライン)の良いとこ取りといったバランス感があり「セダンデザイン」としてはかなり高いレベルにあります。   セダンが相手なので日本代表もセダンから選ぶとするならば、超絶デザインで欧州・北米でブランドシェアを強烈に押し上げている「レクサスIS」と「マツダアテンザ」あたりが候補になりそうです。ISの日本的デザインは好みが分かれるという見方もありますが、世界シェアで客観的に判断しても中国代表「ブリリアンス」に負けるということはなさそうです。日産もBMWも世界シェアを伸ばしてはいま

ポルシェに乗るにはいくら稼げばいいのか?

  何気なく人から「クルマっていくらお金がかかるの?」と訊かれることって結構多いです。駐車場の相場が5,000〜70,000円くらい幅があり、乗りたいクルマによっても千差万別なのでとても一概には言えず、以前はなかなか要領良く説明できませんでした。そこでもっとシンプルな回答を用意しておこうと「ざっくり」としたものを考えてみました。駐車場相場は環七と環八に挟まれた地域(東京基準ですみません)の平均相場20,000円として計算して、クルマに使えるお金に応じて「月5万円コース」「月10万円コース」「月20万円コース」「月30万円コース」の4コースに分けて、今では訊かれた時に答えるようにしています。   やはり新車のポルシェに乗るなら「月30万円コース」になっちゃいますね。毎月30万円をクルマに投入、それを最低でも5年続けられればポルシェでも無理なく維持できます。月額では無理でもボーナス込みで年額360万円確保できればOKです。一流企業に勤めている独身者なら正直言ってそんなに難しい金額ではないかもしれません。この金額で「ポルシェ911カレラ」「ポルシェボクスター/ケイマン(全グレード)」「ジャガーFタイプ(全グレード)」「BMW M3/M4」「メルセデスC63AMG」「レクサスLS600h」「レクサスIS-F」「日産GT-R」といった羨望の眼差しを受けられるクルマに乗れます。新車ポルシェのイメージからすると「高い」というよりむしろ「そんなものか」といった感じかもしれません。   「月20万円コース」でも、一般に"高級車"と呼ばれる類いのクルマが十分に買えます。「レクサスGS300h/350」「レクサスIS300h/350」「フーガ350GT」「スカイライン350GT」「BMW523d」「メルセデスE250」「アウディA6 2.0TFSI」といったところでしょうか。このコースは実はとても悩ましい問題があります。日本車だと6気筒もしくはHVといった贅沢なモデルが買えますが、ドイツブランドだと5シリーズ、Eクラス、A6の直4の最低グレードが精一杯であまり満足感が得られません。なんで月20万円払ってディーラーで惨めな想いをしなければいけないのか・・・。これらのクルマの上級グレードだと「月30万円コース」あるいはそれ以上になってしまいます。とりあえずこのコー

クルマにかかるコストを考えると・・・

  平日に家に居たりすると宅配スーパーの営業がやってくることがたまにあります。アマゾンが勢力を拡大するご時世とはいえ、「生鮮食料品」まで宅配で買おうとは思わないです。やっぱり自分の目で見て美味しそうとか見分けないと気が済まないですし。1回の配送料金は200円だそうで、お米やボトルといった重たいものもこの金額で持ってきてもらえるのだそうです。こんな金額で採算とれるのか?って勝手に頭が判断しちゃいます。まだ「配送料1000円」と言われたほうが、まともなビジネスモデルかも?と納得できる部分もあります。   誰が重い買い物を家まで運んでもらうためだけに1000円も払うのか?と常識的な「コスト感覚」があればそう思うはずです。しかしよ〜く考えてみると、私は重たい買い物を家まで運ぶために「クルマ」を使っているのですが、このクルマにかかるコストを計算すると「駐車場」「任意保険」「ガソリン」の3項目だけで月3万円は払っています。つまり1日当たり1000円です。少なくともクルマを所有する目的が「買い物」という人は、かなり割に合わない出費を強いられていると感じているかもしれません。   もちろん「買い物」以外にもクルマの用途はいろいろあります。とはいっても仕事をしていると、なかなか3万円分のドライブをできない月も出てきますし、なんとか時間を見つけて「出撃」しても渋滞にハマったりすると「人生の無駄遣い」だなと後悔したりもするわけです。じゃあクルマを持つ理由って一体なんだ・・・。私の場合は「実家にいる両親がそこそこ高齢なので親孝行の為に必要」なんて最初は思っていたんですが、実際に何か緊急事態が起これば、タクシーもすぐに呼べますし、実際にここ数年でその用途での緊急出動なんて1回もありませんでした。実家に住む妹が終電を逃したから送ったというのは何度かありましたが。   つまるところ、クルマが無くても全く困らない人が「あえて所有する」理由をあれこれ考えると、「クルマを運転するのが好きか?」という1点に尽きると思います。クルマの運転が人生の中でとても価値のある時間だと感じられる人にとっては、月3万円だろうが、月10万円だろうが可能な限り払い続けるでしょうし、そう感じない人にとってはこれほどバカバカしい出費はないでしょう。ここで余計なことを言わせてもらうと、日本で現在人気が沸騰している(ら

スカイライン に続いて レクサスNX でターボ導入だそうで・・・

  「レクサス」はもちろんですが、「スカイライン」も今や完全に高級車の仲間入りを果たしました。どちらもアメリカ市場ではすんなり受け入れられたのですが、欧州の自動車産業主要国(ドイツ、イギリス、イタリア、フランス)ではメルセデスやBMWの厚い壁に阻まれています。まだ参入して間もないインフィニティ(海外でのスカイラインの販売ブランド)はともかく、レクサスは2011年の落ち込み以来、回復の手がかりすら掴めていない状況です。   ドイツやイタリアでの「レクサス」のブランドでの販売台数は月販100台に届かず、これは米国の新興EVメーカー「テスラ」と同程度の水準に過ぎません。アメリカ人が「自動車市場最高の完璧な乗り物」と評した「LS」をドイツのアウトバーンを250km/h以上で安定に走行できるHV車として開発された「レクサスLS600h」をもってしても欧州の厚い壁は壊すことが出来ませんでした。LS・2代目GS・2代目ISの主要3車種がドイツで相手にされないとしたら、どこの国でこの性能を使い切るんだ?というほどの過剰気味のスペックをわざわざ開発した意味はあったのか?ということになります。「出る杭」は打たれるじゃないですが、さすがに性能を上げ過ぎて思わぬ「反感」を買った部分もあるのではないかと思います。現行の「IS」は動力性能もデザインもドイツ勢が全く相手にならないほどハイレベルです。   HVの性能を比べても、メルセデス、BMW、アウディの「マイルドHV」なんてトヨタに惨敗したホンダの初期形システムみたいなものですから、トヨタの「フルHV」の燃費性能との間にはかなりの実力差があります。ただしアウディA6HVとレクサスGS450hを比較した実験によると、一般道では約40~50%ほどGSが優れていますが、高速区間ではA6もGSもそんなに変わらないようです。「ストップ&ゴー」が日本よりも少ないと言われる欧州での仕様環境だと、ブレーキを踏む回数が少ないですから「フルHV」のメリットはそんなに出せない一方で、こういう環境では、日本ではまったくと言っていいほど役に立たないガソリンターボが欧州ではそこそこ使えたりします。   レクサスはこれまで「LS」と「GS」にはガソリンNAとHVを、「IS」に関してはガソリンNAとディーゼル(欧州専売)を設定してきました。しかしなかなか

ハスラー、コペン、アクセラ・・・200万円あったらどれを買う?

  本体価格が180万円!乗り出しが200万円!まあ決して安い買い物ではないですけど、そのクルマに満足できるならば、なかなかいい買い物じゃないでしょうか。具体的にフィナンシャルプランを挙げてみると、とりあえず頭金100万円入れておけば、あとは「残クレ」ならば月々1万円程度の負担でいけます。1ヶ月辺り駐車場が1万円、保険が5000円、ガソリンが8000円くらいとすると、3万3000円でクルマが持てます。最近のクルマならばガソリン8000円で1000km近く走れます。   2年前に発売されたトヨタ86は、発売前に「200万円で買える!」と散々に煽っておきながら、最終的に「300万円コース」になってしまいかなりの落胆&批判もあったようです。しかしその後、自動車ユーザーの「切実なる想い」は着実にメーカーに届いたようで、200万円をターゲットにした「欲しくなるクルマ」が次々に企画されるようになりまいた。そして「クルマ離れ」が叫ばれる時代に、スズキ・ハスラーやマツダ・アクセラは発売とともにメーカーの予想を大きく上回るバックオーダーを抱え、嬉しい悲鳴となりました。   トヨタ、日産、ホンダといったグローバルでの勝ち組にとっては、このようなユーザーに擦り寄った200万円のクルマなんて経営上の優先すべきことではないようですが、中堅の独立系メーカー・スズキやマツダにとっては生き残りのために「ユーザー本位」のクルマ作りでひたすらに好感度をアップし続けないといけない宿命にあります。もちろん「勝ち組」にも巨大組織全体を食わせていかなければいけないわけで、トヨタが次期プリウスに5000億円の資金を投下するなど、「一か八かの勝負」をするという意味では「中堅」と同じ苦しみがあるようですが・・・。   少なくとも、マツダアクセラとスズキハスラーの2台は、「新車でも買ってみるか!」という気分にさせてくれるクルマじゃないかと思います。「アクセラ」の1.5Lガソリンモデルと「ハスラー」のターボ・上級グレードが価格でほぼ同一です。ただしハスラーは軽自動車なので各種税金が安く設定されている恩恵が得られます。この新型2台の他にワクワクできる既存のヒットモデルとして、「スバル・インプレッサ」と「スズキ・スイフトスポーツ」辺りが200万円で収まる「満足モデル」として市場の支持を受けています。そし

横浜 はセダンの街。その2

  前回の続きになりますが、とある土曜日の夜に夜景を見に埼玉西部を走り「返す刀」で横浜の夜景まで見に行ってしまいました。R16で保土ヶ谷バイパスに入る最終信号のところで、アルファード(トヨタの最上級ミニバン)のオッサンに信号GPを挑まれ「やれやれ・・・」みなさん本当にクルマが好きですね!ということで軽くお相手を・・・といっても緩い上りカーブのコースですから、まともに考えればFFのNA車同士なので、cd値(空気抵抗)に勝るセダンが絶対的有利。しかも緩い登りが続く区間なので、前輪サス(こちらはDWBでアルファードはストラット)がしなやかに動かせて、タイヤをしっかりグリップさせられるので、圧倒的にトラクション(駆動輪にどれだけ重心がかかるか)もこちらが有利。   たとえ相手が3.5L車(アルファードは3.5Lと2.4Lの2グレード)だったとしてもそこそこ良い勝負にもちこる?と思いつつ待っていると、フライング気味に前に出るアルファード・・・。「ちょっと卑怯じゃないですか?」そんなセコいことをするのは2.4L車だなと確信して、とりあえず出足の良さを生かして横にならぶ・・・。ナビに「急発進です!」と怒られることもなくスッと横につけると、楽しそうなオッサンの横顔が見える。いやあクルマ好きって本当にガキですね! 家族が乗せてるのそっちのけで楽しんじゃってる様子です。登り区間なので、エンジンの特性を比べてもトヨタのロングストロークとマツダのショートストロークでは、低速トルクへのアプローチが違うので、とりあえず登り勾配ならばマツダが有利。しかも噴け上がりのスムーズさもマツダに分があるので、車重を含めて考えても高速域からの伸びにしても、あるいは走行安定性にしてもバイパス区間でマツダ車に挑むなんて愚かじゃ!・・・とか考えながら走ってるのは楽しいです(我ながらバカですねぇ・・・)。   さて保土ヶ谷バイパスに入り自動車専用の「ほぼ高速道路」区間ですが、4車線をむやみにレーンチェンジを繰り返しながら進む軽自動車やミニバンが多くてこれには閉口します。「もし軽自動車が突っ込んできたら?」って考えると憂鬱ですよね。おそらく自分達は助かって、相手はクルマがペチャンコになってほぼ確実に死ぬだろうから、たとえこちらに非がないとしても一生のトラウマになってしまうよな・・・。ニュース見てると死ぬのは古

横浜 はセダンの街。

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   久々に、日程にも天候にも恵まれた土曜日。しかもオイル交換を終えたばかりで朝から埼玉・群馬・長野・山梨辺りの県境を楽しみたい気分でしたが、連れの都合も加味して、夕方からのナイトクルーズを選択しました。早めの夕飯をR299沿いの行きつけのハンバーグ屋で済まして、ちょっと運転に神経を使う夕闇の中、奥武蔵グリーンラインという夜景スポット満載の尾根林道を突きすすみます。長雨と高めの気温のせいか夏草の生育が早く、両脇から道路へと伸び放題。なかには折れたきの枝が転がっていたりもするので、スピードレンジがいつもよりも数段低く、運転しててちょっと酔いそうに・・・。   5、6月はほとんど林道を走っていなかったせいもあって、コーナーでの旋回するイメージがどうも不十分でハンドルを切り足すことも多く、助手席の連れも「いつもと違う?」という様子を敏感に感じ取っているようです。何度となく走っているルートが草のせいで全く別の道に見えてしまい、初めてのコースを走る時のような遠慮を右足が勝手にしてしまいます。車速がいつもと違うと、当然にハンドリングも違ってくるので、全体にギクシャクしたドライビングに・・・下手くそだな。どんなコーナーでどんな勾配でも滑らかにクルマを動かせるようにならないと、セダン乗りとして失格だなと思いますね。   土曜日とはいえ、こんな暗がりの中を、わざわざ辺鄙な場所にある林道を走る人はさすがに少なく、約2時間の林道区間ですれ違ったのはわずかに1台!街灯も人家の灯りもなく、眼下に見える夜景と星空と以外に外の明かりはなく、対向車のハイビームがブラインドコーナーであっても遠くから確認できます。ずっと単独走行していると対向車にちょっとホッとしたりします。こんな時間のこんなところで出会うドライバーですから、乗っているクルマもやや個性的で「ホンダCR-Z」でした。もちろん信号なんてありませんから、基本は快適そのもので平均車速もウン十キロくらいですが、野生動物がとても多いので視界が開けないところはゆっくり走ってます。シカ・ウサギ・キツネ?・タヌキが出て来て、今回初めてお会いしたのは、なんとニワトリさん!です。堂々と道を塞いで座っていてどいてもらうのに5分くらい待ちました・・・。   夜景スポットに着いて車外に出ると、ちょっと生温い夏の夜の空気感で季節を感じます。辺りは誰もいな

ホンダCR-Z のMCには次期NSXやタイプRのヒントが・・・。

  ホンダというメーカーは、今もっとも日本で「誤解」されやすいブランドかもしれません。かくいう私もホンダに対して自ら理解を深めようという努力を怠ってきたことを棚に上げて、何度となくブログ上で、「ホンダのやることは意味不明」みたいなことを書いこともあったような気がします(まあ初心者なんで許してください)。まあ言い訳をするようで恐縮ですが、「ホンダのやる事が難解すぎる」ので、理解するのに途方もない時間がかかってしまうというのはあります。   エンジンの開発競争は、自動車メーカーの体力を奪う消耗戦になる傾向が強く、最近ではシャシー以上に統合が進んでいる分野になっています。日産のフェアレディZやエルグランドが使うエンジンを救急車にも使ったりしています。ミニバンや救急車と同じエンジンを載せていて、スポーツカーですよ!っていう売り方にちょっと違和感があるかもしれませんが、この日産VQエンジンは6気筒のNAエンジンの中では「世界最高」の出力を誇る名機です。世界のあらゆるメーカーの量産車用エンジンで、これを超える性能のものはないですから、こんなことを言ってもナンセンスですけど、メルセデスやBMWなどは救急車やミニバン以下のエンジンを使っていながら「高級車ぶって」いるに過ぎません。   トヨタもホンダもこの日産のVQエンジンに肉薄できる水準のエンジンを持っていて、どちらも日産と同じように高級車と高級ミニバンに共通してこれらのエンジンを搭載してきました。ガソリンエンジンへの執着を見せる日産に対し、トヨタとホンダは1997年にHVの販売競争を開始、さらに来年(2015年)からは燃料電池車(FCV)の一般向け販売を相次いで開始する見込みで、環境技術への投資で世界に先行するメーカーと言えます。世界最大の巨大メーカーを形成し、グループ外メーカーへの技術供与にも積極的なトヨタに対し、社外のメーカーと技術の共有をほとんど行わないホンダの技術は、日本の評論家によってその全貌を解説される機会が少なく、ベールに包まれている感があります。   冷戦終結後の1990年代から、世界の自動車メーカーがM&Aを繰り返しましたが、次世代技術への巨大な投資を先行させていて、今後の見通しに自信を持っていたトヨタとホンダは技術の流出を嫌って、外国資本の参加を拒否し続けました。当時から日産はVQではあり

「BMWってどうなの?」と訊かれた時の当たり障りのない言い回し。

  まだクルマの種類もあまり知らない段階で、BMWやボルボといった比較的日本でもポピュラーなブランドの輸入車を見て「かっこいい!」と感じるか、「高い!」と感じるか、あるいはその両方を感じるかのどれかが素直な感想だと思います。最初から「ダサくて、しかも安い」と感じる人はだいぶ特殊な環境で生きてこられた方だと思います。」   私の場合は、やはり「高い!」でした。世の中には「高い!」を喜ぶ人々もいるようですが、乗り出しで500万円するというBMWやボルボの実車を見た時には、「え!?」という戸惑いが残念ながらありました。貧乏性の私からみれば「500万円もするならば、もう少し豪華に魅せてくれてもいいのでは?」と・・・。しかし輸入車ブランドからみれば500万円のモデルなどは中級以下のステータスしかない!という厳しい線引きがあるので、やはり仕方がないわけです。そして乗り出しで1000万円するようなクルマは、やはり道で見かけるとジ〜っと見つめてしまうほどに「個性的」で、ちょっと悔しいですが経験値の低い私ごときではBMW6/7やボルボS80あたりのクルマを見かけると「いいなぁ・・・」と完全に魅了され、家に帰って価格を調べてたりします・・・。   BMWとボルボこの2つのブランドは、少々失礼な表現かもしれませんが、「ロレックス」や「オメガ」といった時計ブランドとイメージが被ります。クルマに詳しくない人に「BMWってどうなの?」と訊かれると「まあロレックスみたいなものですよ」とか言うと妙に納得してくれます。もちろん言葉を継ぎ足して、「ロレックスと同じで機能性の高さには見るべきものも多いですけど、世界ではロレックスよりもセイコーの方が有名じゃないですか〜、それはやはりセイコーの機能性は果てしなく完璧に近いわけです。」・・・とまあ調子のいいことを言ったりしてます。   これだけだとなんだかバカっぽい説明なので、「フェラーリ」が時計ブランドでいうところの「パテックフィリップ」で、「ランボルギーニ」が「ヴァシュロン・コンスタンタン」・・・・「マセラティ」が「フランクミューラー」?で、「ポルシェ」が「ゼニス」で、「ベンツ」が「ロンジン」・・・「アウディ」が「タグホイヤー」といったとこかな・・・なんてかなり金額に支配されている愚かな分析を披露してます。「グランドセイコー」が「レクサス」で

断言しよう!日本でドイツメーカー車を買う人の95%はクルマに興味が無い。

  日本におけるドイツ車価格は、まだインターネットが無くてクルマの価値そのものを判断する材料に乏しかった「バブル時代」に高騰したまま現在に至っています。同じクルマがアメリカでは3〜5割は安く買えるのに、アメリカでドイツ車はそれほど人気にはなっていません。アメリカではスカイラインと比べられないくらいの安物に、なぜか日本ではスカイライン以上の価格が付けられています。まあ簡単に言うとドイツメーカーが日本人からボッタクっているわけですが、別に彼らが悪いわけではありません。その価格を決めている(決めさせている)のは紛れもなく、日本のユーザー達の動向なわけです。   「性能が良いから多少は高くても仕方がない」といって彼らは買うわけですが、それが本音ならば、性能で上回っているのですからいくらで売ろうと文句を言う筋合いはないでしょう。しかし現実には「性能が悪いうえに、価格も高い」ドイツ車がそこそこ売れているわけです。日本車には希少な8気筒エンジン車を選ぶ、あるいはBMWの直列6気筒に乗りたいというなら、まだ理解できるんですけど、そういう「選ぶべき」クルマのシェアはドイツ車に限ると現在ではわずか5%以下でしかありません。   実際のところ95%以上のドイツメーカー車ユーザーは「価格が高いから」ドイツ車を好むのだろうと思います。彼らの意識は大抵は「日本車なんて貧乏くさくて乗ってられるか!」という意識に囚われています。まあいろいろと反論もあるかもしれませんが、「日本車を選べない」ということは結局のところ「クルマに対する理解力が無い」わけです。自分の知識や感性をフル動員しても「日本車(レクサスを除く)を選択肢に入れられない」という人は、とりあえず日本車についてあれこれ言うのだけは止めとけ!と言いたいですね。現実には恐ろしいことに、日本の自動車ジャーナリストの多くがこのタイプじゃないの?という気がするのですが・・・。   ドイツメーカーの技術が日本メーカーに比べて低過ぎる!と言いたいわけではないです。そもそも巡航速度が違う日本市場で、日本車を超える乗り心地(NVH=騒音・振動・突き上げ)なんてどんなに投資しようとも常識的な範囲では絶対に無理です。現実にクラウンやセルシオの乗り心地で、そのままドイツでの速度まで引き上げて安定して250km/hで走れるようにした「レクサスLS600h

平日の昼間に都庁まで行ってきた・・・(くだらん"自分語り"恐縮です)。

  ある手続きを都庁に申請していたが、早く済ませたいなら直接来いというので、仕事やすんで行ってきました。関東地方の方ならご存知だと思いますが、私のような東京西部に住む田舎モノは公共交通機関を使う際はJR新宿駅から行くことになります。港区など東京の中心部にお住まいの人々に対しては、田舎モノが集うJR新宿駅を避けて来庁できるように、都営大江戸線という地下鉄に「都庁前」という駅が置かれています。確かに田舎モノの私でも、なんだか不衛生な感じで通るだけで翌日はおかしな咳をしてそうなので、JR新宿駅は使いたくはないですね。「意識」と高い港区の住民なら尚更じゃないでしょうか。港区の為に1兆4千億円の巨額投資にとは・・・。   東京西部に住む人間にとってのマストアイテムが実は自動車です。都庁への用事ならば駐車料金は30分で150円で済むので、最近割高のガソリン代を入れても鉄道より安く済みます。ということでドライブがてら昼下がりに都庁まで行ってきました。沿線所得が日本一だとか吐かしている京王井の頭線が走る辺り(杉並区)から、東京京都で小学生の学力ナンバー1と言われている小金井市、そしてセレブの街とか勘違いしている国立市まで伸びる「東八道路」という幹線道路を経由すれば夜中なら新宿まで30分、昼間だと50分の道のりです。   マセラティとAMGとLSしか走っていない港区(やや誇張)に負けない「意識」の高さを誇る「東八道路」沿道住民の居住区ですから、とりあえず営業車両(トラック、ダンプ、軽バンなど)を除けば、輸入車率は50%を軽く超えている印象です。さすがは「憧れの街」吉祥寺界隈に集う「意識」の高い人々!ちなみに私の自宅は「東八道路」から北上しJR中央線を超えて、「青梅街道」に近いところなので、まったく仲間意識はありません。あしからず。   とりあえず東京西部の住民の必死な「中流意識」を感じるのが、異常なまでに軽自動車率が低いことです。軽自動車40%輸入車10%という全国平均値が、合算されてここでは輸入車50%になっているようです。スズキのディーラーも実家のある東京の西端部の方に半数が集中していて、人口カバー率で考えると、杉並区や武蔵野市周辺から多摩ニュータウンがある多摩市や八王子市にかけての一帯は、スズキが完全に放棄しているといってもいいくらいです。また神奈川県西部にいけばた

レクサスCT を煽る ヴェゼル の貫禄。

  先日の埼玉県某所でのことです。ブラック塗装のレクサスCTとこれまたブラック塗装のホンダ・ヴェゼルが前後に並んで走っているのを見かけました。別に煽っているというほどではなかったかもしれませんが、2台の距離はやや近くて色の質感などを比べるには持ってこいの距離感でしたね。これまでレクサスの高品質を信じて疑ってこなかったですけども、メッキパーツの使い方からブラックの高級感まで、「ヴェゼルの圧勝」という印象を受けました。   レクサスCTはHV専用車で、ヴェゼルも当初からHVモデルを前面に押し出していて、「トヨタVSホンダ」のHV戦争が思わぬところで再び勃発しているのですかね。知らない人の為に付け加えておくと、1997年にホンダとトヨタは相次いでHV量産モデルを発表し、お互いに相手を強く意識した「大人げない」宣伝合戦の末、資本力に勝るトヨタがプリウスの価格を改定し、捨て身の「ダンピング戦略」でホンダを突き放したという「流血の過去」が現在でも両陣営の間では燻っていて険悪だといわれています。   さらに蛇足ですが、去年ホンダがフィットのFMC(フルモデルチェンジ)に合わせて、カタログ燃費ナンバー1を誇っていたトヨタ・アクアを超える新開発HVシステムを投入し、普通車市場で完全に独走状態だったアクアのシェアを減らすことに成功しました。そのフィットの派生モデルがコンパクトSUVモデルの「ヴェゼル」です。フィットよりもだいぶ割高に設定された価格にも関わらず、コンパクトSUVのブームと予想を上回るスタイリングがウケて、とうとう2014年4月のSUV販売ランキングでトップに踊りでました!消費税増税で同時期に発売されたハリアーやエクストレイルが台数を半分に落とすなか、ハスラーとともに販売を落とすことなく快走しています。   最近の都市型SUVは「程よい高級感」が好評と言われていますが、プレミアムブランドのレクサスCTまで「喰って」しまう実力ですから、かなりの「本格派」といっていいと思います。一方レクサスの最低グレードモデルでレクサスユーザーからも「あれはレクサスではない!」みたいな差別的発言なども聞かれるレクサスCTですが、クルマとしての完成度は非常に高く、先代のGSやISといったコンセプトが十分に定まらない中途半端だったモデルよりも、親会社のトヨタのイメージをそのまま高級に仕

30歳になったら「スモールカー」&「スポーツカー」は卒業すべきだ・・・

  先日、都内某所でなかなかショッキングな光景を見かけました。お母さんが運転する2シーターの「スマート」の助手席に小さい子供が2人・・・。チャイルドシートなんて「知りません!」と言わんばかりの堂々とした走りっぷりでした。当然シートベルトなんて機能していないでしょうから、急ブレーキを踏めばフロントガラスに小さな2人が顔面から突っ込んでいく可能性もあるでしょうし、衝突すればエアバックの衝撃で2人とも圧死するかもしれません。どういう事情があったのかわかりませんが、子供の様子を見ると明らかに兄弟で、日常的にこういう乗り方をさせられているのが想像できます。   確かにスマート・フォーツーは需要が極端に少ないため、中古車価格は相当に低く50万円程度でドイツ車に乗る事ができ、しかも他の人とは違うクルマが選べるという意味では賢い選択なのかもしれません。しかし私も完全に釣られましたが、街行く人に「アホか?」と思われる乗り方をしてまで、旦那の趣味か奥さんの趣味かわかりませんが、自分のポリシーを優先させるのは、決して「オシャレ」では無いように思います。   以前、30歳で子供が生まれたので、スポーツカーを売り払ってメルセデスSクラスに乗り換えたという人が、「オンリーメルセデス」で紹介されていました。もちろんお金持ちの家にうまれたボンボンな人のようですが、少なくともクルマの選択における「センス」はとっても「オシャレ」と思います(選択の幅が広いのがうらやましい)。なんだかんだ言っても、クルマ選びの根本は「使用目的に適っているか?」だと思うんですよね。   しかし現実には「このブランドに絶対乗りたい!」という盲目的な選択の成れの果てが、冒頭のスマート・フォーツークーペの3人乗りという滑稽な姿なんでしょうね。最近じゃ人気のドイツブランド車が、「スモールカー」(Cセグ以下)じゃないと価格面で売れにくくなっているようで、家族5人乗車のAクラスや1シリーズをよく見かけるようになりました。私の偏見かもしれないですが、せっかく300万円以上も投入して買ったクルマなのに、乗っている人は狭いところに押込められて、まったく楽しくなさそうに見えます。   これも「使用目的」を完全に間違えて選択してしまっているパターンで、その多くが初回車検までに間違いなく買い替えを余儀なくされるんじゃないでしょうか

ターボ車は2020年に先進国市場から消えるってのに・・・

  今月号の雑誌を読んでいたら、ちょっと気になる記事がありました。半年ほど前に同じ連載で、「日本メーカーはコスト増を嫌ってターボ化しない!」という「意味不明」なことを平気で書いていたライターが、今度は一転して「1.2Lターボは全く燃費がよくない、これでは日本では使いものにならない・・・」みたいなことを書いていて、見事な掌返し?っぷりに目が点になりました。   え〜・・・なんで突然にまともなことを書き始めているんだ?「ターボは時代の最先端」とかいうプロパガンダを垂れ流す「設定」を簡単に変えちゃダメじゃないですか!あなたの記事を読んで消費税増税前に駆け込みでなけなしの退職金を注ぎ込んでゴルフとかAクラスとかCLAとか買っちゃった人がたくさんいるだろうに・・・。私の弱小ブログにもこのライターの以前の記事に勇気づけられたような、「ターボは時代の最先端」とか勘違いしちゃってる人から、私が書く「ターボ不要論」にガンガン苦情コメントがやってきましたよ!   今じゃこういった無能な自動車ライターの「太鼓持ち」仕事のせいで、直噴ターボでPM2.5を日本車の50倍も撒き散らすクソみたいなドイツ車がバンバン売れちゃいましたよ!もはや福島の放射能よりも脅威にすら感じます。・・・子供の健康に甚大な被害を及ぼす可能性があるので、以下の乗用車を使っての保育園への乗り付けはご遠慮ください・・・「BMWとメルセデスの6、8、12気筒のNA車を除く全てのドイツブランド車」。もし私が保育園の園長だったらこんな張り紙をしたい気分です。   数字上はそうとは思えないですが、中国では欧州車が大人気で、日本車はターボが無いから人気がない!と同じ雑誌の別の記事に書いてありました・・・。これもまた由々しき問題です。欧州メーカーが東アジアでターボモデルを大量に売り捌いた結果、日本へPM2.5がたくさん飛来してしまっているようです。とりあえず中国でのトップシェアのVWと第2位でターボ好きな韓国メーカー・ヒュンダイを全力で叩かないと、日本の大気汚染は半永久的に終わらないでしょう。トヨタやホンダには中国でもっと必死でHVモデルを売りさばいてもらわなければいけません。それなのに無能なライター達が日本メーカーのやる気を無くさせるようなネガティブキャンペーンを連発するのには閉口します。   とりあえず直4ターボと

アウディTT と トヨタ86

  「週末の夜」や「休日の朝」といった定番のドライブの時間帯に繰り出すと、いろいろなドライビングカーが通り過ぎていきます。私が住んでいる東京西部では、ポルシェの人気が圧倒的なようで、絶対的な数はそれほど多くはないですが、ドライブ毎に少なくとも1台は911を見かけます。自動車専用バイパスが少なく、車線幅が狭い青梅街道や甲州街道がメインストリートとなっている多摩地区では、高級スポーツカーの中では911がサイズ的にもピッタリのようで、シボレー・カマロやフォード・マスタングといった車幅があるモデルは少ないです。   そんな道路事情を追い風に近所で増殖しているのが、トヨタ86ですね。多摩地区のトヨタはアフターパーツの売り込みにも熱心なようで、個性豊かな86が多くなってます。86だけでなく、プリウスやアクアがこれでもか!というくらいにオシャレ度を競っていて、ベース車のイメージからかなりの飛躍を実現したセンス溢れる個体も結構います。トヨタ=カスタムメイドのイメージができつつあります。   ノーマルだと、ややスポーツカーとしての「オーラ」が不足しがちな86は、発売から2年経ってどんどんハードルが上がっていて、なかなかお金がかかるクルマになった印象があります。トヨタが狙った町の修理工場の再生プロジェクトという意味では大成功なのかもしれません。発売直後は批判的な意見もいろいろとあって、発売前に200万円で買える!とやや期待し過ぎていた人々によるネガティブキャンペーンがネット上で盛んに見られましたが、現在では概ね落ち着いているようです。   86が町で増えてから、めっきりと存在感を無くしたモデルの1つがアウディTTで、2年前には小型スペシャルティカーの頂点に君臨していたのがウソみたいにオーラが無くなりました。もともと全長が短くて、ワイド&ローでスタイリッシュなフォルムが印象的だったのですが、そのポジションを86に奪われてしまいました。エクステリアのヴァリエーションで目を引く86に対し、アウディTTの外装を弄るのは相当にセンスが必要で、いわゆる「やればやるほど下品になる」典型のデザインですね。街中でもほぼノーマルというものが多く、いまや地味なスポーツカーの代名詞になりました。地味さがいい!というユーザーもたくさんおられるかもしれませんが・・・。   アウディTTもま

BMW と スバル のターボに対する想い?

  日本で走る分にはターボなんていらねぇ!と常々思っているのですが、何から何までことごとくダメと決めつけているわけではないです。むしろ「欲しいな」と思っているクルマがことごとくターボだったりするんですよね。もちろんVWゴルフだとかBMW3シリーズなどは論外。直4ターボだからダメというわけではなくて、クルマの性格に合ってないから嫌かなと思います。中には「これは直4ターボで乗るべきでしょ!」というものもあります。   その代表例がBMW2シリーズです。確かにFRで直4ターボは邪道だとは思いますが、小型のボディでスポーティに振ったコンセプトならば、スポーツカーとしての用途であれば上手く嵌っているので、特に嫌悪感はないですね。そして2シリーズの宣伝にBMWが引っ張り出してきたのが、よく知らないんですけど「2002ターボ」という70年代のBMWの名車です。なんでこんな70年代のクルマを出したのかというと、このクルマがなにやら量販車としては世界で初めて直4ターボを搭載したモデルだったそうで、つまり「原点回帰」なんですよ!ということを強くアピールする狙いがあるようです。   メルセデスを追従して高級車向けの大排気量エンジンで評判を得る一方で、2002ターボのようなモデルで新たなシーンを作り出すブランドだったBMWに「敬意を表して」といったとこでしょうか。しつこいですが3シリーズ・5シリーズの直4ターボには賛同しかねますけど・・・。あと1シリーズに使われている1.6Lターボも中途半端な経済性を押し出した生っちょろいエンジンなので嫌ですね。220iは3シリーズと同じ2Lターボを採用した点が好感触です。   日本メーカーでターボを多くのモデルで取り入れているスバルも、単なる欧州メーカーの模倣ではなく、ターボエンジンのポテンシャルを独自のノウハウで取り出そうとしている点では共感できます。ターボチャージャーの過給によってエンジンの熱効率が改善されるのは、かなり理想的な回転数の時に限られていて、それ以外ではNAよりも燃費が悪くなるのが一般的です。スバルはもちろん自慢のスポーツカーにはマニュアル(MT)を採用していますが、一般モデルにターボを組み合わせることでの不合理を解消するために、CVTを使って理想的な回転数を維持する研究が続いていて、段階的に実用化されています。   クル

リッター100km超! だからどうしたって?

  自称「最先端自動車メーカー」のVWが日本以外の地域でこっそりと「リッター111km」と称する桁違いの低燃費車「XL1」を限定発売していました。なんでいきなり60~100km/Lをすっ飛ばして111km/Lまでいっちゃうのか?と驚きしかないわけなんですが、とりあえずPHV車の燃費計算というのは、特別な計算式が使われているようで、「エネルギー効率」を表す尺度としては一般に使われる数字とは乖離したものになるようです。ちなみに日本のPHVの「顔」と言える存在のプリウスPHVは61.0km/Lなっています。   VWグループがこの「XL1」を発売するのは、ブガティ・ヴェイロン(約2億円)やポルシェ918(約8000万円)とならんでグループの技術力を誇示するの最大の目的のようです。技術の全てを結集した限定モデルだけあって、その価格も破格の約1500万円。0.8L2気筒ディーゼルにモーターを付けてあるだけのクルマとしては破格の金額です。   ただPHVだからといってべらぼうな数字(燃費)を付けてふんぞり返っているわけではなく、それなりに市販車「世界最高水準」の燃費が出そうな設計上の工夫はみられます。まずは車重を700kgまで抑えています。プリウスPHVが1440kgですから同じだけのエネルギー効率だとするならば、単純に燃費が2倍になるわけですね、なるほど。それでもプリウスを2シーター(2人乗り)にしたからといって、車重が半分にできるわけじゃないですから、あらゆる部品にコストをかけて軽量化素材に置き換えていく努力をしています。その結果が300万円を切ったプリウスPHVの5倍になる1500万円という価格に表れているようです。   さらに軽量化だけでなく、空力性能も極限まで向上させていて、邪魔になるドアミラーは外されています。代わりに小型カメラが付けられていて、車内の両サイドに取り付けてある小型モニターで確認する仕組みになっているようです。後方が荷台で見えないトラックなどはカメラによるバックミラーが使われていますから、まあとっくに普及していてもおかしくない技術ではあります。   VWはガソリンターボでプリウスのシェアを奪うと息巻いていましたが、結局いくら広告費を使ってジャーナリストを買収して、気筒休止システムを使って軽自動車のエンジン並みの出力モードを設定して、さら

BMW のベストバイってどれだろうか?

  この1年で日本でもっとも多くの車種を発売したのはどのメーカーか? モデル数ならわからないけど、総グレード数に関してはおそらくBMWじゃないかと思われます。日本での販売ではメルセデスとレクサスに対してやや遅れをとっていて、なかなか思うように結果が出ていないです。最近じゃ「オートクルーズコントロール」という長距離にはとても有り難いオプションを無料で付けますといったキャンペーンで増税後の停滞感を打ち破ろうと必死です。   最近のBMWは日本メーカーが頑として作ろうとしないクーペを、なんとか日本で売ろうという姿勢が見られます。去年から投入された4シリーズと今年発売された2シリーズは、いずれも先代の3シリーズクーペと1シリーズクーペを引き継いだもので、名前が変わったからといってクルマのキャラクターが大きく変わったということもなく、巷では「値上げの為」という陰口すら叩かれていました。しかしフタを開けてみると特に大幅な値上げが行われた形跡もなく、もともとボッタクリに近い日本価格をこれ以上上げても拡販の見込みはないだろうという自覚がBMW側にもあるようです。   実はBMWは下位モデルに共通で使われているプラットフォームを、順次交換しています。先代の3シリーズクーペ(E92)は熟成された「L2プラットフォーム」を使用していましたが、今回発売された4シリーズ(F32)は「L7プラットフォーム」を使っています。「L2」から「L7」に置き換えられた全てのモデルで「よりコンフォータブルな乗り味になった」と言われています。BMWは日本車と違って年次改良などが行われることもあり、同じモデルでも時期的な変化があったり、同時期のものでも個体差が大きかったりで、1台のE90系と1台のF30系に乗っただけでは決定的な事は言えないのですが、ブレーキやサスのハードさが軽減されて、全体的にトヨタのクラウンやマークXに近づいたという点は間違いないと思います。   「L7」シャシーになったF30系3シリーズセダンは、その「没個性」な乗り味がどうも従来のBMWユーザーから不興を買ったようで、ここにきて慌てて改良を加えてきたようです。特に4シリーズは車高を思い切って下げる設計から、コーナーリング時のストローク量を抑え込む、いわゆる「フラットな乗り味」を意図的に作り出しているみたいです。軽量な直4エン

マツダ・アクセラの2大アメリカ・モーター誌での評価は?

  アメリカ市場ではアクセラのサイズは「スモールカー」に分類されます。アテンザが「ミドルカー」で、それよりも大きい全長5m超のクルマが「ラージカー」となります。今月号では「Cra and Driver」と「Motor Trend」の2誌がどちらも「スモールカー最強決定戦」なる企画がありまして、カローラ(トヨタ)、シビック(ホンダ)、ジェッタ(VW)、フォルテ(キア)、エラントラ(ヒュンダイ)といった日独韓のライバル車に混じってマツダアクセラが比較されていました。   アメリカでの「スモールカー」の売上は、カローラとシビックの2強が牽引するものの、僅差でGMのシボレー・クルーズとフォードフォーカス、そしてエラントラが追従していて、この5台が月販で約2万台に近い数字を達成しています。これに対してせいぜい1万台前後の推移で遅れをとっているのが、アクセラ、ジェッタ、日産セントラ(日本のシルフィ)です。最近では販売台数の変化が大きく、カローラとシビックの2強が盤石という体制にも陰りが見えてきています。   「スモールカー」として早くから成功していたカローラやシビックに対し、追従するクルーズはプリウスの前に敗れ去ったマイルドHVを撤収し、1.4Lガソリンターボと2.0Lディーゼルターボを追加してスポーティさを強調しています。一方でヒュンダイ/キア陣営はこのクラスのベースとなる1.8LのNAエンジンでトヨタ、ホンダ、GMを上回る高性能エンジンをアピールしています。一方でアクセラは2Lと2.5Lの「スカイアクティブG」を設定していて、アテンザと同じシャシーで同じパワートレーンを使い、小型でよりスポーティでファッショナブルなプライベートカーにしたというコンセプトです。   さて2誌それぞれの比較の結果は、ある程度は予想通りではありますが、アクセラとジェッタ(ゴルフのセダン版)の2台がずば抜けた得点で他を圧倒していて、簡単に言うと「2台だけ別の次元」という評価になっています。上級車とコンポーネンツを共有するアクセラと、それに迫るジェッタは「Driving Comfort」から他車と寄せ付けず、「styling」「ハンドリング」「ステアフィール」「ブレーキフィール」「fun to drive」で独走したアクセラが完全に抜け出して、総合点でもジェッタを振り切りました。   

スバル 実は「安全性」に問題あり?

  アメリカのテレビCMが「心に残る」とかで少し話題になったスバル。スウェーデンのボルボと並んで安全性をアピールするメーカーとしての地位を確立しているようですが、そんなスバルには絶対にあってはならないような「出来事」がありました。   JNCAPという独立行政法人が、衝突安全基準のテストを行っているのですが、2014年に「ファイブスター」という最高格付けを得たのが次の7台でした。 「トヨタクラウンHV(189.7点)」 「三菱アウトランダーPHEV(184.6点)」 「マツダアテンザ(183.2点)」 「ホンダアコードHV(178.9点)」 「ホンダNワゴン(178.8点)」 「ホンダフィット(178.0点)」 「VWゴルフ(176.8点)」 ユーロNCAPでは頂点を極めたVWゴルフが、軽自動車に負けるとはちょっと信じられませんが、一応日本で一番権威がある組織が出した結果です。   Nワゴンがアコードとほとんど変わらない得点というのも、なんだか不思議な感じですね。同じハイトタイプの軽自動車であるスズキスペーシアは152.2点ですから、Nワゴンは相当にレベルが高い印象です。   さて「ファイブスター」に選ばれなかったクルマは・・・、といってもこのJNCAPはテストする台数が少なくて「本当に大丈夫?」なんて言われているくらいなのでそれほど多くないです。しかも軽自動車を除くと日産シルフィ(161.8点)や三菱ミラージュ(163.4点)といったいかにも海外向けの「プア」なモデルばかりで、なんでこんな不人気車を取り上げるのだろうか?と訝しい気持ちになります。   そんな中で屈辱の評価を受けていたのがスバル・フォレスター。まさかまさかの169.8点という低評価であまりのショックにメーカーがゴリ押ししたかのように「サイドカーテンエアバッグ(SCA)付き」ヴァージョンで測定のやり直しが行われているようですが、それでもホンダのフィットやNワゴンに及ばない177.1点に留まりました。SCAが付くだけで相当に点数が上がるんですね。オプションだったら是非に付けておきたいです。   スバルは従来の「車体剛性の高さ」に対する評価にあぐらをかいていたようで、日産、マツダ、ホンダが一気に進めた超高張力鋼板の採用が遅れていると言われています。「安全が一番」とかコメ

「無知」以外でドイツ車を好んで買う理由って何?

  別に嫌みを言いたいわけじゃないんですが、どの評論家の文章を読んでも不思議とドイツメーカー車が欲しいとは思わせてくれないですよね。毎月ほぼ全誌を購入して読んでいての率直な感想です。「Car and Driver」は使い勝手を優先して書いてくれますが、日本で日常的に使うという用途にドイツ車を持ち込もうという発想がそもそも大間違えで、日本車で言えば普通のレベルでしかないのに無理に称賛しようとしている苦しさを感じてしまいます。まだイタリア・フランス・イギリスの小型車に関しては納得できるものもありますが、ドイツ車のミニサイズは、三菱やスズキをM&Aでパクって乗りにくく作り変えたものなので、日本の評論家もまともに相手にしないですから・・・。   「Auto Car」になるともっと辛辣で、英国人ライターがケチョンケチョンにしてます。スポーティなモデルが得意な同誌の看板企画が、同クラスのモデルを徹底比較して順位付けをするというものなのですが、ゴルフGTi、メルセデスA45AMGなど評判のドイツ車がことごとくフォード、プジョー、ルノーの下に置かれています。そしてダメ押しのように「古臭い」「つまらない」といった文句が並びます。   「CG」の日本人ライター達も最近のドイツ車に関しては、直接的なコメントを避ける傾向にあります。「まあいいんじゃないの・・・」っていうニュアンスがぷんぷん伝わってきて、もっと良い点を教えてくれ!と言いたくなります。ドイツ車の場合は基本がレベルが高いから、特に褒めなくても良いにきまってる? そんなことはないですよ!「デザイン」「内装の質感」「静音性」「エンジンの気持ち良さ」「燃費」「ハンドリング」「ステアリングフィール」「ブレーキフィール」・・・これ全部といっていいほど日本車の方がレベル高いです。それぞれトップを取っているのはすべて日本車ですし、同じクラスの独車と日本車をくらべれば、確実に日本車が上回ります。そして同じ価格帯で比べたならば、もはや「論外」というくらいの差が付いています。   「Motor Fan イラストレーティッド」でもドイツ車の評価は毎回のように散々です。世界の優秀なパワートレーンを紹介する企画でも、なぜかドイツメーカーからはなかなか選ばれません。小排気量でターボ付けて、燃費を伸ばすために気筒休止やアクセルフィールを犠

ほぼ新車の BMW1シリーズ が ホンダ・ヴェゼル よりも安く手に入る時代。

  「母の日」だったのでプレゼントを持って実家へ向かおうとしたら、駐車場まできてあまりの光景にビックリ!金曜日に突発的に降った雨で車体全体に花粉らしきものがベッタリ付いてました。これではさすがに笑われて恥ずかしいレベルなので、そのまま近所のコイン洗車場へ。やはり同様の被害に遭った人が多かったようで、普段はゆったり使える洗車場がなかなまの大盛況でした。   マンションの駐車場でバケツに水汲んできて流してもいいのですけど、それだと軽く小一時間はかかってしまうので、今回は「時間」を優先させることにしました。先週も同じ洗車場に行き2時間近くかけてシャンプーで丸洗いしたばかりなのに、なんと2周連続で500円の出費となってしまいました。高圧洗浄機による水洗いで「500円」はかなり良心的な価格設定なのですが、ディーラーで水洗い洗車をしてもらえば、コーヒー飲んで待っていて同じ「500円」です。なのでわざわざ同じお金を払って自分で洗う人ってちょっとヘンかもしれません。レクサスならば「無料」で、しかも静かなサロンみたいな場所でお茶菓子まで付いてくるそうです。   マツダユーザーの私(レベルの人間)は、洗ってもらうだけの為にディーラーを使うなんてなんだか恥ずかしくてとてもできないです。点検・オイル/タイヤ交換の時についでに「1500円」コースの撥水ポリマー洗車をしてもらうくらいです。そして普段は自宅マンション駐車場を使うか、シャンプーをする場合はコイン洗車場を使います(あと急ぐときも)。それに何より自分で洗うのが楽しいんですよね。そして自宅でじっくり洗うのもいいですけど、コイン洗車場はまた別の魅力があって、クルマ好きにとってはある種のテーマパークみたいなもので、「500円」は入園料といった意味合いが強いです。   たくさんクルマが集まった洗車場というのは見ているだけで面白いです。マツダユーザーはきれい好きが少ないのか街で見かけるよりも圧倒的に洗車場ユーザーは少ない印象です。利用者の多くは背が高くて自宅では洗いにくい大型ミニバンやSUVが多いですが、それ以外の車種で断然に多いのが、クルマをこよなく愛しているイメージがある「スバル」と「BMW」の両オーナー。あくまで失礼極まる勝手な想像ですが、「1シリーズ」と「WRX STI」のユーザーは洗車場で顔を合わしつつ、お互いに見下しあっ

マツダには悪いけど、ディーゼルを都市圏で乗る人はやっぱりアホ

  ガソリン価格がやりたい放題の大増税で上昇する中で、トヨタ・日産・ホンダが推し進める「HVセダン」よりも、輸入車&マツダの「ディーゼルセダン」が注目を集めるようになってきました。「練馬」「多摩」といったナンバーが多い地域に住んでいるのですが、「BMW320d」(3シリーズのディーゼル)がだんだんと目立ってきています。   320dはかなりのディーゼル音を響かせてやってくるので、いちいちリアの識別を見なくてもわかります。静音性が評判のマツダでも半径10m以内なら確実にわかりますが、BMWの場合はもはや「ほぼトラック」。見た目はスマートなのに音だけが「ガラガラ」鳴っているそのアンバランスさには違和感がありますが、それでもガソリン4気筒BMWのカローラ並みの「軽い」走行音にくらべればマシという意見も・・・。結局のところどっちも高級車とは呼べないような軽薄さがあるんですよね。3シリーズにも「435i」と同じ直6ターボを日本でも復活させてほしいです。   BMWという中で選ぶとするならば、「もはやハイオク(輸入車はほとんどがハイオク仕様)には乗れないからディーゼル」という選択もあるかもしれません。音にだけ目を瞑ればディーゼルで問題ない!という意見がBMWオーナー様の間では主流みたいですけど、平坦で信号が多い都市部に住んでいて、しかも「チョイ乗り」が多い場合にはなかなか「最悪」な選択です。   トヨタ・日産・ホンダはなぜ本気でディーゼルをやらないのか?厳密に言うと日産はエクストレイルにディーゼル仕様がありますが、新型には設定されず今後は廃止される見通しだとか。トヨタもホンダも欧州ではもちろんディーゼルを積んだオーリスやシビックを発売しています。ただし日本と欧州ではそれぞれ違った「排出基準」があり、トヨタとホンダはまだ日本基準に適合していないので、そのまま持ってくることはできません。国内メーカーではマツダ・三菱・日産の3社が乗用車向けディーゼルを日本基準に適合させていますが、本気で売り出しているのはマツダだけです。   やはり結局のところ日本の都市部での使用にはディーゼルは適さないです。マツダは特に「静音性」と「排気処理」に重点を置いています。ちょっと難しい話ですが燃料の圧縮比を通常のものより下げて、効率を犠牲にしてまでNOxの排出量を抑えていたりします

VWが日産よりも上等だと思っているのは日本人だけだ。

  中国市場で全体の約20%のシェアを握りトップを快走するVW。2位のヒュンダイは7%程度だから完全に独走態勢を築いています。中国人はVW車を決して高級なんて思っていなくて、中国メーカーでナンバー1の実力を誇る「第一汽車」グループのラインナップをみればそのことがよくわかります。中国で最初に作られたメーカーだけあって、「紅旗」というプレミアムブランドまで持っています。その名の通り共産党の幹部が乗る公用車を作ってきたメーカーです。   中国でも共産党の寵愛のもと特別の地位に立ってきた「一汽」は、世界中の自動車メーカーから最高のクオリティを誇る車種をベース車として選定し、そのラインナップに加えています。「紅旗」ブランドは2台の日本車(マジェスタ、アテンザ)がベースとなっていて、大衆向けブランドではVW車がベースに使われています。最高のクオリティを持つとはいえ中国人の感覚でいうところの「安物メーカー」・・・それがVWの現実です。   北米でも欧州でもだいたい「安物」というイメージは同じようなもので、どんな成熟市場でも100円ショップが流行するように、派手さはないけどリーズナブルで一定のニーズを満たしてくれるモノはある程度は受け入れられます。100円ショップが繁盛するコツは、100円では通常得られないような便益を、生産・流通の効率化(最適化)を高いレベルで行ってお客様に満足感を与えることです。VWの商売は日本以外の地域に関してはそれに近いと言えます。「100均の割にしっかり使える!」といった好印象はそれなりにあるだろうけど、決してトヨタや日産のような水準のクルマではないし、サービスも大きく劣るのはある程度は理解された上で購入されています。   北米での「品質における顧客満足度」を調べればすぐにわかることですが、VWを下回る水準の日本メーカーなど存在しません。それなのに日本ではVW車は日本車よりもかなり割高な価格設定がされていて、「海外では100均」という認識がないまま購入してしまった日本人のユーザーは、ちょっと不具合があると「VWの対応はヒドい!」と怒り出したりするケースもあるようです。もっともVWに限らず、フィアット、ミニ、ルノー、プジョーなどの欧州の大衆ブランドはどれも本質的には「100均」なので、それを承知で壊れたら自分で直すくらいの気概がある人

トヨタ のムカつくところを書いてみる。

  年間1000万台を史上初めて突破し、営業利益も2兆円を大きく超えたと報道されているトヨタ。1台当たりの利益が20万円というのは平均販売価格が250万円だとすると8%程度に達します。日本生産350万台を維持しているため、ホンダや日産よりも高コスト体質なのですが、それでもこの数字(利益率)はもはや名実ともに「巨人・トヨタ」なんだと実感できる異次元のブランド力を発揮しています。   ちょっとくどいですが、のべ1000万人が「8%」という利益率を受け入れて、トヨタを買ったということは、トヨタ以外のライバルメーカーは「全てカス」だということです。なぜならトヨタよりも2%高いコストで同等のクルマを作って、それを2%安い価格で販売するだけでも「4%」の営業利益が確保できるわけですから・・・。人件費が低い地域で製造することも可能ですから、トヨタよりも2%高い程度のコストで作ることはそれほど難しいことではないはずです。   あらゆる製造業のなかで一番発達しているはずの自動車工業において、これほど露骨にトヨタが独走するのにはきっと裏があるのだろうと言う人もいます。日本自動車工業会(自工会)を使って他の日本メーカーに圧力をかけているという噂もあります。三菱が海外生産でコスト引き下げに踏み切った現行ミラージュを、発売当初は80万円以下の価格設定で日本に投入する計画があったようです。しかしフタを開けてみるとおよそ100万円からとなっていて、既存のライバル車とほとんど価格は無いものになりました。ミラージュクラス(Bセグ)の海外でも実勢販売価格は、東南アジアなどでは50万円程度、ドイツでも70万円程度です。よって日本にも70万円台の普通車があっても良いはずなのですが、未だにどのメーカーも設定しておりません。   またまたくどいですが、三菱はトヨタの「8%」という数字に対して明確な方法論で挑もうとしました。つまり国内最大を誇るトヨタのシェアを堂々と切り取ろうと画策したわけです。おそらくタイ生産に切り替えてまで「これまでに無い」世界標準な価格設定を目指しましたが、何らかの保守的な勢力(トヨタ?)によってその計画ごと潰されてしまいました。おかげでミラージュの販売台数は、国内生産のコンパクトカーなら即時生産中止が決定されるレベルの低さに留まっています。   他にもホンダが軽自動車の販

どうしても日本車をバカにしたい人にオススメのクルマ。

  スズキの鈴木修会長が軽自動車への自動車税増税に対して、会見で恨み節を述べておられましたが、「この恨みは絶対に晴らす!」とはなかなか穏やかでない表現ですね。ホンダが調子に乗って軽自動車ばっかり作るから、とうとうお上に睨まれてしまった!とホンダを逆恨みしてそうな気もするのですが・・・。まあ"熱い"自動車メーカーのトップってのはいいですね。会長の宣言どおりスズキはホンダに対して次々にプレッシャーをかけています。フィットが「ガソリン車燃費ナンバー1」のコピーで売り出そうとしている直前にスイフトのMCであっさりとホンダを越える燃費を叩きだしたり、ホンダ渾身のヴェゼル発売を察知していたように東京MSからの急速な展開でハスラーを発売するなど・・・。   とかくクルマのことになると、熱くなる人が多いですね。特に輸入車ユーザーはもう意味不明な人が多すぎます。彼らにとっては大前提として「輸入車>日本車」という構図があるようで、「輸入車乗りは日本車を批判してもいいけど、日本車乗りが輸入車を批判することは許さない」というジャイアン的な思考回路が出来上がっているから面倒くさいです。   私は日本車乗りなのですが、自動車ブログをやっていると、どうしても「輸入車の批判」と受け取られてしまいかねないことを度々書いてしまいます。本当はそんな下品なことは書きたくないのですけども、無意識の内にというか・・・気がついたら「日本でダウンサイジングターボとかアホ過ぎだろ!」みたいなことが書き上げられていて、公開ボタンをポチッと押してしまっています。やばいやばい!すぐ非公開にしなければと思うのですが、強烈なウェブ音痴なので記事の消し方がまったくわかりません・・・。今でも去年書いた「痛々しい記事」に怒りに満ちたコメントがよく届きます。   それにしても「日本車」というデカい括りで完全否定してくる輸入車オーナー様って一体どんなクルマに乗ってんだ?って思いますね。そんな上から目線になれるような輸入車なんて「ガヤルド」や「マクラーレンMP4-12C」みたいなクルマしか思いつかないです・・・。というか「日本車なんてダメだ!」とどうしても言いたいなら、このクラスのクルマ乗ってから言え!って思いますね。メルセデスCLSみたいな「騙しのクルマ」乗ってる人がクラウンを嗤うのは筋違い

フェラーリが高価なのは、日本のコメが高いのと同じ理由!?

  フェラーリのクルマって何であんなに高いのでしょうか? ロレックスとかシャネルとか、バブルの頃に流行ったブランドはことごとくメッキが剥げて、今では「影響力」はかなり限定的になりました。自動車ブランドも例外ではなくBMWやアルファロメオって「何?」っていった「冷めた」時代なわけです。そんな時代でもフェラーリは全く左右されることなく「スーパーカー・ブランド」として殿様商売を続けているように見えます。   そもそも「スーパーカー」って何?ですよね。世の中には数千万円から数億円の価格での「オーダーメード」のクルマというのがありまして、これはフェラーリやポルシェをベースにして、内外装からエンジンのチューンナップまでを細かく請け負ってくれるそうですが、これとは違って「スーパーカー」は完全なる既製品です。要するに「これくらいの価格ならば売れるだろう」という立派なマーケティングに基づいて生産が行われています。   そしていくつかのメーカーが参入して、それなりの競争が発生しますから、「目安となる価格」というのが存在していて、大まかに「1000万円クラス」と「3000万円クラス」に大別されます。かつてはフェラーリも本国などでは1000万円クラスのモデルを発売していたようですが、今では全てのモデルが「3000万円クラス」になっています。   3000万円の価値があるクルマって一体どんなの?何がすごいの?と思ってしまいますよね。「R35GT-R」「レクサスLS」ちょっと古いですが「ホンダNSX」といった日本車の歴史の中でも最高峰に位置する名車よりも、さらに3倍も高いって・・・。しかもさらにビックリなのは、これだけの価格を付けておいて「失敗作」みたいなクルマがぞろぞろ。デザインは平気でアメ車や日本車のものをパクるし。ホンダのNSXの「アルミボディ」が良さそうだからこれもパクる。それでも世界中の顧客からひっきりなしにオーダーが入る。   何もかもが全くの規格外!これはスゴいぞ!そして何より人気を不動のものにしているのが、クルマ業界でもっとも活発に発言する存在、つまりライター達が盲目的に憧れるクルマであること。メルセデスCクラス乗ってます!と公言するライターはほとんどいないが、フェラーリF430乗ってます(乗ってました)というライターはほぼ全員がそれを口にする。なぜならフェラー

「プレミアムカー」 と 「ラグジュアリーカー」 は違うものらしい!

  「プレミアムカー」と「ラグジュアリーカー」の違いなんてどうでもいいことなんですが、結構本気で分類しようとしている本があって、これが意外と説得力があり面白かったです。そんなくだらないことをいちいちビジネス本にする人なんて、日本人の頭カチカチのインテリ(高学歴)しかいないわけです。彼らがこよなく愛する「メルセデス・BMW・アウディ」は高等教育を受けた人にしか解らない「学問的価値」があるらしいです。   私たちが日本車を愛さない理由は、日本メーカーには絶対に越えられない欧米メーカーとの「壁」を感じるからだそうです。「プレミアムビール」や「プレミアムアイス」なら日本メーカーでも作れるけど、「プレミアムカー」や「プレミアムクロック」は無理と言われると、なんだか解らないでもないです。さすがはインテリ知識人だけあってもっともらしい説明を付け加えます。欧州の工芸は「マイスター」という社会的地位の高い職人によって育まれた「芸術」だからそこに付加価値(プレミアム)が発生すると・・・。   その一方で「キャデラック」や「リンカーン」といった米国を代表する高級車ブランドは「プレミアムカー」ではなく「ラグジュアリーカー」になる・・・なるほど。アメリカではマイスター制度は無く、クルマ作りにおいては世界で初めて「大量生産」に踏み切った歴史がある。ゆえに私たち(日本のインテリ)はその付加価値はあくまで米国的な価値観に過ぎず、日本でもなかなか受け入れられないのは「欧州的価値観」が感じられないからだそうです。なんだかとても説得力がありますね。   「欧州的価値観」の本質は「質実剛健」なんだそうです。「良いものを長く使う」という消費行動こそが最大の美徳であり、賢者の選択として社会的にも称賛されるものになっています。その一方で「米国的価値観」は(良い意味で)「成り上がり」の文化であり、成功者としての自分を見せつけることが社会的に寛容されているらしい・・・。なんとも「ステレオタイプ」で三流大学の一般教養の授業で話されてそうな眠くなる話が土台になっているなんて!さすがはインテリ!   でも昔から疑問に思っていたんですよね。日本人は欧州にも米国にも憧れを持つわけです。けど欧州と米国はお互いに無関心ということはないんじゃないかと・・・。BMWなんて米国的な「自由」を求めているのだけど、頭カチカ

シトロエンDS5 の高度なソーシャル・マーケティング

  フランスはやや意外ですが「世界最大の自動車輸出国」だそうです。日本におけるフランスブランドというとやや地味な印象があります。メルセデス・BMWのドイツブランドやフェラーリ・ランボルギーニといったイタリアブランドに比べて、カーマニアの羨望の的になることも稀で、「低価格」な輸入車のイメージが強いです(ブガティ・ヴェイロンも仏車ですが・・・)。   ただフランス車好きにその魅力を訊くと「ドイツ車は華やかな高級車と地味な大衆車に分かれるけど、フランス車はすべてがオシャレじゃないとダメなんだ!」ということらしいです。世界最大の自動車輸出国でありながら、グローバル市場でフランスブランドが苦戦しているのは矛盾しているように感じますが、これはアメリカと同じように日本・ドイツ・韓国メーカーの現地生産が進み、フランスを製造拠点として欧州の周辺国へ供給しているからというのが真相のようです。   フランスは「原発依存」が進んでいるので産業用の電気代がとても安く、先進国でありながら「産業の空洞化」が進行しなかったのですが、ドイツやイタリアなどが「原発廃止」を打ち出した2007年頃に、EU内での協調ということで、フランスも3倍近くの値上げを行い、現在では日本とあまり変わらない水準になっています。そういえばこの頃からPSA(プジョー&シトロエン)の業績が急激に落ち込んで、とても気に入っていた名車「プジョー・クーペ407」が製造中止になりました・・・。   フランス人の「国産車」および「フランスブランド」愛好意欲は相当に高いらしく、国内市場はフランス3ブランドで55%を確保しています。例えばドイツも「VW」「アウディ」「メルセデス」「BMW」「オペル」合計の主要5社の国内占有率は50%程度なので、「ドイツ人がドイツ車を好き」なのと同じかそれ以上に「フランス人はフランス車が好き」と言えます(アメリカ45%、イタリア20%、日本90%)。日本と比べれば低いという意見もありますが、あちらにはEUという枠組みがあり、地理的にも政治的にも「輸入車」の概念が日本とはだいぶ違います。船に載せて運ぶ必要はないですし・・・。   この前もこのブログでしつこく「DS3」というクルマをご紹介しましたが、シトロエンというブランドはなかなか特別な雰囲気を持っていて興味深いです。しかしフランスのブ

メルセデスもBMWもたくさんの「奴隷」を欲している!

  欧州のCO2排出基準にはメーカー向けの罰金制度があります。これはブランドが販売したクルマのCO2排出量の平均が基準値を上回った場合に超過分1gごとに所定の罰金が定められているというものです。ご存知のようにメルセデスやBMWといったプレミアムブランドの頂点には、この基準値をラクラク越えてしまう12気筒エンジンを積んだモデルがラインナップされています。もちろん日本でも買えます。   しかしメルセデスもBMWも自ブランドの象徴ともいえる12気筒モデルをラインナップし続けるためには、その分基準を下回るクルマをたくさん売らなければ罰金を請求されてしまいます。そこで考えられた画期的な発明品がメルセデスの新型Aクラスであり、BMWの新型3気筒エンジンだったりするわけです。そして両ブランドで採用され、もの凄い勢いで6気筒エンジンを置き換えていった「4気筒ターボモデル」化の真相はまさにこのCO2排出基準クリアの為です。   制度に欠陥があるのか、メーカーのやり方に問題があるのかはわかりませんが、一部のセレブ用途の超高級車のために、「無知蒙昧な小金持ち」が喰いものにされているわけです。そのことに何ら同情の気持ちが湧いたりはしませんが、東アジア各国が馬鹿みたいに「奴隷専用車」をたくさん買ってくれる!とドイツ人が高笑いしているのを想像するのは日本人としてあまり気分がいいものではありません。出来る事なら「日本はアルピナしか買いませんから、BMWジャパンはお引き取りください!」くらいのことをみんなで大合唱したみせるくらいの気概があっても良いのではないでしょうか?   日本人のメルセデスとBMWユーザーの何%が「奴隷専用車」ユーザーなんでしょうか? 2013年の日本でのメルセデス販売はレクサスを追い抜いてプレミアムブランドのトップに立ちましたが、その約4割がA・B・CLAだったようです。さらにC・Eのかなりの割合がこれに該当しますので、最終的にはブランド全体で8割以上に達するようです。メルセデスはさらなる「奴隷」を求めてGLAやCLAシューティングブレイクなど次々と手を変え品を変えで、東アジアに「CO2植民地」を作ろうと画策しています。   もちろん乗っている本人達が納得のいく価格でメルセデスやBMWを買える喜びに浸って満足してくれるならいいのですけど・・・、とても満足という

カローラ・アクシオHV でいいかも!とふと思うことがある。

  日産の店頭で新型スカイラインが・・・この店は特選在庫車の値札をフロントに掲げていて、「462万円」というのが遠くからもよく見える。この価格を見て通りすがりの人は果たして欲しいと思うのだろうか? ちょっと前までは同じスペースにフーガ250GTが置かれていて「399万円」だった気がする。よくよく考えるとどっちがお買い得か?は結構微妙なところだ。「63万円」の価格差に価値を感じられる人なんて実際はそれほど多くない?   スカイラインはHVで実用燃費は15km/L程度に達するらしい。フーガ250GTは10km/Lそこそこなので、とりあえずスカイラインの方が価格が高い理由は納得できるかも。内装はどちらも良いからほぼ同等。ハンドリングは・・・どちらも相当に重量があるクルマなので、トータルで350ps出せるスカイラインHVはやはり素晴らしく良いということなのですが・・・。   それじゃあスカイラインHVを買うのか?というとなかなか気が進まないんですよね。その一番の理由は、今や欧州車でも軽量化に取り組む時代なのに「高級車路線」とばかりにどんどんクルマを重くしている点です。やはり車体を大型化すれば当然にスカイライン自慢のボディ剛性は落ちますし、同時に出力はUPしているわけだから、あれこれ補強策を構築した結果の重量増に突き進む「悪いスパイラル」にハマっているのではという想いが抜けません。行き着く先はスカイラインの名前に相応しくない「VIPカー」路線か?   VIPカー(=会社役員の公用車に使われるような大型セダン)は、車重が2000kg近くですから2シーター(2人乗り)スポーツカーのような用途で使えば、いろいろと都合が悪いことが起こってきます。ちょっと気になるのが「ユーロNCAP」という欧州衝突安全基準の結果。やはり車重1800kgともなると「自爆力」も相当なもので、従来のスカイラインよりも相当に悪化しているんですよね・・・。まあハイブリッドなのだから仕方ないと言われればそれまでですし、アルミを多用して軽量化しているジャガーXFやメルセデスEの方がもっと酷い結果が出てはいますけども。   それでも「安全」をスポイルしてまで「高性能(350ps)」「ラグジュアリー」を追求することを否定はしませんが、積極的にそういうクルマを選びたくはないです。スカイラインの場合はハイブ

スカイラインのターボ化は絶対反対!

  もう決定事項のようなので今更なんですが、新型スカイラインにメルセデスの2Lターボエンジンが搭載されるようです。日産の狙いとしてはベースグレードのスカイラインに設定されていた「2.5L・V6」という、ほぼ日本と中国でしか使っていない(グローバルで使いにくい)エンジンを置き換える狙いがあるようです。   ちょっとややこしいのですが、北米市場でこのクラスの主力エンジンとなっているのが「2.5L・直4」エンジンで、トヨタカムリはHVを除くとこのエンジン1種類だけでDセグセダンのトップシェアを築いています。去年まではホンダアコード(2.4Lと3.5L)と日産アルティマ[ティアナ](2.5Lと3.5L)がそれぞれ直4とV6の2グレード体制で続き、3強を構成していたのですが、今年に入り3位にフォード・フュージョンが食い込むようになり日本メーカーに衝撃を与えているようです。   フォードが示した戦略はなかなか斬新なもので、日本メーカーのお家芸と言われるHVの進化版プラグインHVをフュージョンに設定したり、「2.5L・直4」のベースエンジンよりも高額の設定になる「1.5L・直4ターボ」のグレードを新たに作りました。もちろん高額なだけあって、最高出力はトルクも馬力も2.5Lを上回ります。さらに日本でも発売されているボルボV40のハイオク仕様「1.6L・直4ターボ」も同時に設定されているのですが、なぜか1.5Lターボはレギュラー(ガソリン)仕様で、これとほぼ同じ出力ができます。もしこのエンジンが日本に導入されたらなかなかスゴいことに成りそうですが、PM2.5の規制が盛り込まれる日本の排出基準に将来的に適合しないので発売はなさそうです。   やはり世界で5本の指に入る巨大メーカーフォードが本気でターボエンジンを開発すれば、かなりの衝撃を業界に与えるようで、この「エコブースト」ショックが北米で主に展開するトヨタ・日産・ホンダ・スバルに与える影響は絶大なようです。さらにフュージョンには270psに達する2Lターボもあり、これはBMW328iの245ps(2Lターボ)を上回る高性能で3万ドル(=320iと同価格)というのも好評なようです。フォードは北米のライバルメーカーを徹底マークしてことごとく潰す作戦に出ていますが、それが大きな成果を生みつつあります。   さらにフォードは

ターボエンジンなんて日本に要らん!レヴォーグ レクサスNX

  多くの自動車好きに愛された名作漫画「イニシャルD」。この第12巻P88で「ターボを付け280ps出力アップ」したAE86レビンに乗る秋山渉のセリフ「ビンボーくさいターボチューンなんて相手にできないってわけか?」にはクルマの真理が表現されている。つまり「ターボは安物のクルマのためにある」ということだ。しかしそんな「当たり前」の話すら通じない意味不明なクルマ好きという「面倒くさい」人がいて、「日本にはターボなんて要らない!」と書くと文句を言ってくる。   日本に輸入される欧州メーカー車にはかなりの割合でターボが使われるようになった。VWなんてターボ車しか無いと思っている人もいるようだけど、北米や欧州ではNA(ターボ無し)のモデルもたくさんある。なぜ日本に輸入されるモデルはターボ車ばかりなのだろうか?それすら疑問に思わず「日本メーカーはコスト増を嫌ってターボ化しない」みたいなクソな意見を述べるアホライターはゴロゴロいるのだから、一般のファンがめちゃくちゃな認識を持っていても仕方ないだろうけど・・・。   そもそもターボ化がコスト増につながるという発想はどこから来るのだろうか? 例えばBMWは以前はNA中心のラインナップで2L(直4)、2.5L(直6)、3L(直6)の3種類のエンジンでグレード分けを行っていた(V8/V12もあったけど割愛)。現在ではボディが大型化し3シリーズのベースモデルでも1500kgを軽く突破するようになり、2L(直4)NA車は山岳地域が多い日本には適さないとして輸入が止められている。そして2.5L(直6)NA→2L(直4)ターボ(184ps)に、3L(直6)NA→2L(直4)ターボ(245ps)へと置き換えた。他のメーカーに関してもやっていることはほぼ同じだ。この置き換えのどこが「コスト増」なのか? どう考えてもメーカーの利益を押し上げる為、つまり「コスト削減」としか思えないのだが・・・。   いまやBMWやメルセデスの6気筒モデルはかなりの高額グレードのみにしか使われなくなった。もしトヨタや日産が使っている6気筒のNAの方がコストが低いというのであれば、メルセデスやBMWの価格設定は説明が付かなくなる。 ターボエンジンで「CO2が大きく削減される」とか「燃費がかなり良くなる」というのも極めて限定的でしかない。実際にBMW2L/1.6