マツダ・アクセラの2大アメリカ・モーター誌での評価は?

  アメリカ市場ではアクセラのサイズは「スモールカー」に分類されます。アテンザが「ミドルカー」で、それよりも大きい全長5m超のクルマが「ラージカー」となります。今月号では「Cra and Driver」と「Motor Trend」の2誌がどちらも「スモールカー最強決定戦」なる企画がありまして、カローラ(トヨタ)、シビック(ホンダ)、ジェッタ(VW)、フォルテ(キア)、エラントラ(ヒュンダイ)といった日独韓のライバル車に混じってマツダアクセラが比較されていました。

  アメリカでの「スモールカー」の売上は、カローラとシビックの2強が牽引するものの、僅差でGMのシボレー・クルーズとフォードフォーカス、そしてエラントラが追従していて、この5台が月販で約2万台に近い数字を達成しています。これに対してせいぜい1万台前後の推移で遅れをとっているのが、アクセラ、ジェッタ、日産セントラ(日本のシルフィ)です。最近では販売台数の変化が大きく、カローラとシビックの2強が盤石という体制にも陰りが見えてきています。

  「スモールカー」として早くから成功していたカローラやシビックに対し、追従するクルーズはプリウスの前に敗れ去ったマイルドHVを撤収し、1.4Lガソリンターボと2.0Lディーゼルターボを追加してスポーティさを強調しています。一方でヒュンダイ/キア陣営はこのクラスのベースとなる1.8LのNAエンジンでトヨタ、ホンダ、GMを上回る高性能エンジンをアピールしています。一方でアクセラは2Lと2.5Lの「スカイアクティブG」を設定していて、アテンザと同じシャシーで同じパワートレーンを使い、小型でよりスポーティでファッショナブルなプライベートカーにしたというコンセプトです。

  さて2誌それぞれの比較の結果は、ある程度は予想通りではありますが、アクセラとジェッタ(ゴルフのセダン版)の2台がずば抜けた得点で他を圧倒していて、簡単に言うと「2台だけ別の次元」という評価になっています。上級車とコンポーネンツを共有するアクセラと、それに迫るジェッタは「Driving Comfort」から他車と寄せ付けず、「styling」「ハンドリング」「ステアフィール」「ブレーキフィール」「fun to drive」で独走したアクセラが完全に抜け出して、総合点でもジェッタを振り切りました。

  それ以上の衝撃的だったのが、他の日韓4ブランドの低調さで、アクセラの前になす術なしで、改めてホンダや日産が日本ではCセグを売ろうとしないのがよく分ります。トヨタ、ホンダ、ヒュンダイ、キアの現在アメリカで低調な4社(VWも同類ですが)を完全にコケにする内容でした。日本でのカローラの立場を考えれば、妥当な評価に感じます。ちなみにアメリカ向けカローラは日本のものとはプラットフォームが違い、日本でいうところのオーリスに近いクルマです。

  ゴルフ/ジェッタを追い越し、日本車が「世界の頂点」と評されたことは素直に嬉しいです。アメリカの評価を待たずしても、日本や欧州ではアクセラ人気はすでに火が付きつつあります。ただしアメリカではマツダブランド全体がほぼ全量が日本からの輸出されていることから、やや反発もあるようで伸び悩んでいます。いくらクルマが良くても、自動車業界の逆鱗に触れれば、すぐに締め出されるリスクがあります。アメリカ市場ではホンダのように大規模な現地生産を進めなければ、大きなシェア拡大は難しいかもしれません。

  

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