2017年9月23日土曜日

『いいクルマ』とはなんだ!? その3 (6位、5位)

前々回、前回に引き続き、『いいクルマ』について存念なく語ります・・・よかったらお読みくださいませ。ちなみに10位VWゴルフ、9位デミオ、8位イグニス、7位ルーテシアと下位は「妥当」なモデルが並びます。今回からいよいよ上位トップ5に突入!!(今回からが本題です!!)



第6位 スバル・インプレッサ(192万円〜)


  スバルのファンに怒られてしまうかもしれないですが、実はインプレッサって、確固たる市場を持っていない流浪のクルマです。地に足がついていない!?という表現が適切かどうかわかりませんけども、なんか収まりが悪くないですか!?スバル自体が北米主体で残りは日本、あとはAWDが必要な市場でちょこちょこ売っているメーカーなので、インプレッサがクラストップ!!なんて地域はないです。

  ゴルフ(欧州/中国)、シビック(全米)、プリウス(全日)、アクセラ(全豪)みたいに出せば、グローバルでバカスカ売れるから作り続けているモデルとは、立ち位置がやや違います。それぞれの市場で販売されてはいるものの、トップシェアのCセグ車には遠く及ばず・・・。ゴルフ、シビック、プリウス、アクセラはいずれも年間で40万台規模の販売を誇りますが、スバルで40万台と言ったらブランド全体の約半分に達する数字。

  Cセグのシェアでは各市場で2番手以下。クラストップへ挑む立場で設計されている!!という意味では、プジョー308と似たようなところがあります。『AMP2』という新しいプラットフォームで登場した308と、『SGP』のインプレッサ。どこか似てますよね。デザインが・・・って話ではなくて、「地味さ」が。

  ちなみにスバル車の半数以上は北米でバカ売れのアウトバックとフォレスターで占められています。販売価格はフォレスターが22000ドル〜、アウトバックが25000ドル〜。ちなみにVWのパサートが22000ドル〜、ゴルフGTIが25000ドル〜の設定です。VWの売れ線が17000ドルのジェッタ(1.8Lターボ)や19000ドルのゴルフ(1.8Lターボ)なのに対して、フォレスターやアウトバックが主体のスバルですから、ポルシェの次に利益率が高いのも納得です。なんでアウトバックとフォレスターなのか!?スバルのAWDはアメリカ基準だと、その性能の高さがかなり激アツなのだとか・・・北米にはスズキもいないですし。

  スバルにおいてインプレッサって何なのか!?北米では18500ドル(2L自然吸気)程度でスバルのボトムを担っています(今年に入ってやや売れ行きがよくなったらしい)。日本のスバル好きにとっては「スバルの原点」とか言われて神聖視されているみたいですが、「スバルの骨格」こそ使っているものの、もうそれだけー・・・の「素」のモデル。「素バル」です。

  特定のユーザーへ向けての作り込みをしないクルマってのがどんどん減ってます。どのメーカーもユーザー

  北米と同じ2LモデルFF車は216万円。うーん。もう少し価格を抑えてくれたら、「3位」以内にしてたかも。非常に恣意的な基準で恐縮ですけども、やっぱり「いいクルマ」ってのは販売価格に「真心」が感じられるか!?ってのが大きいです。






5位 トヨタ・パッソ/ダイハツ・ブーン (115万円〜)



  いよいよトップ5です!!ココからは一気にギアが上がって、試乗したらもう大好きになりました!!ってモデルばかりが登場しますよ!!ゴルフとかデミオとかインプレッサとか、(メーカーが)理屈っぽいところの定番モデルとは、いい意味で全然違います!!

  インプレッサよりもっと地味な登録車ですね〜。価格も真心特価の115万円。このパッソ/ブーンはダイハツが開発を担当しているのですが、ダイハツの軽自動車を含めたラインナップの中でもミラ/ミライースの次に低価格を実現しています。ムーブよりも安い!!

  なんだよ低価格が売りのクルマかよ!!って思って乗ると・・・結構心に響きますよ。感受性の強いクルマ好きなら泣いちゃうかも。もし愛車がプ◯ョー208とか、V◯ル◯とかMI◯Iとかだったら、「あれ!?負けてるかも!!」ってなるんじゃない!?。とにかく「技術」の塊。価格の高低に関わらず日本車が持っている基幹技術の高さが一番よくわかるクルマ。VWやらGMやらが小型車が得意な日本メーカーを傘下に収めたがる理由はこれか!?14インチでも滞りなく加速するし、よく止まる!!やたらと大径を履かせるトレンドがちょっとアホみたいに思えてくる(要はカッコつけだろ!?)。

  勘違いして欲しくないですけども、小型車においてはドイツ車の文脈って全く無用なんですわ。クルマのデリケートな挙動を司る「二大部位」である、サスとミッションにわざわざ「金属質」な手触りを混ぜるなんて、ダイハツもホンダもスズキも真似る必要なし!!そんな味付けはドイツメーカーとマツダ、ボルボがやってればいいって・・・。日本のコンパクトカーは「ウレタン」の手触りでいいんですよ!!

  道路の大きめの継ぎ目や段差で走りが破綻するって!? 別にレースしてるわけじゃないからさ。田舎のうねった旧道とか、ダート気味の旧道でも走ってみなよ!!ウレタンブッシュとCVTの粘るトルクがいい感じだから。DCT&ターボのドイツ車だと低速での制御に神経使うんだよねー。しかもシートの下から絶えず蹴られているような乗り味になるし。

  でね・・・最後に気がつくんだよ。VWやBMWよりも、ダイハツの方がボデー作るの上手いんじゃないの!?ってことに。そして自然吸気エンジンって気持ちいいなーって。・・・もちろん高速道路を巡行したり、箱根ターンパイクを駆け上がったりするならドイツ車の方が具合はいいのは間違いないけどさ。

  要はシチュエーションによってベストなクルマって変わってくるわけですよ。非ドイツ的な味わいという意味では、ダイハツってキャラ立ってるんですよ!!・・・日本車的って意味ではないですよ。ドイツ車的、日本車的とはまた違う、ダイハツ的な味わいってのがあるんですわ。ドイツと日本は根っこで繋がっているんですよ、手練手管な円熟って意味で。けどダイハツには「若さ」がある!!サプライヤーのギミックに頼ることなく、メーカー開発者が果敢にチャレンジしている!!大きな岩を動かそう!!みたいな破天荒さがあるんです!!・・・わかる人にはわかるはず!!


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2017年9月15日金曜日

『いいクルマ』とはなんだ!? その2 (8位、7位)

前回に引き続き、「〇〇はいいクルマだよ〜」と言われることが多いクルマのランキングを発表していきます。ランキングとはいえ完全に独断と偏見で選んでいるだけですのでご了承くださいません。ちなみに10位はVWゴルフ、9位はマツダ・デミオでした。どちらも当たり前過ぎるのでとりあえず序盤に出しておこう!!という『演出上の恣意的判断』がありました。そして順位にそもそもあまり意味はないです。

第8位 スズキ・イグニス(138万円〜)

  スズキ・イグニス。このクルマの何が凄いか!?なんでしょうね・・・よくわからないけど引きつけられるって人は多いんじゃないですか。それはつまり
デザインがいいってことでしょうね。

  エクステリアもインテリアも新しいスマートモビリティを作る!!という意思統一の元でデザインされています。イグニスに一番近いライバル車は、用途&ライフスタイルで比べると「BMW i3」あたりじゃないでしょうか。スズキ以外の日本メーカーの5ナンバー登録車は、車幅は1695mmギリギリまで広くとり、ホイールベースや全長、全高もある程度は同じサイズに治っていて「横並び」な感じですけども、このイグニスは登録者と軽自動車の決して狭くない間をうまく埋めています。

  実はこのゾーンには、アバルト595やスマートフォーツー・ブラバスなど、300万円以上する「プレミアム・マイクロカー」市場ってのが存在しています。いわゆる欧州の「プレミアムAセグ」ってやつですけども、イグニスはそこに巧妙に紛れ込むことに成功しました。小型車といえばスズキだろ!!なんですけども、純粋に小型車の性能ではなくて、
エクステリア&インテリアでBMWi3と互角に渡り合ってしまった!!まあこれだけのモデルを投入しているわけですから、欧州におけるスズキの爆発的な増益も頷けます。

  このクルマの肝は、「コンパクトカーではない」こと。サイズ的にはコンパクトカーならぬマイクロカーなんですけども、2000年頃に日本でバカ売れした「リッターカー」とは意味合いが全く違うのです。デミオでもフィットでもヴィッツでもない!!もちろんアクアでもない!! スズキのラインナップでイグニスだけが持ち得る「何か」。これこそが現在のSUVブームさえもひっくり返すくらいの「起爆材」であり「パンドラの箱」かも。

  ミネラルグレーメタリックでフルエアロ(オプション)の個体を偶然に見かけた時に、はっきりとわかりました。このクルマはコンパクトカーである前に「かっこいいクルマ」なんだと。現代においてクルマの価値は多様化していますが、あらゆるシーンにおいて「エッジ」なデザインであること!!これがクルマを借りないで買うと言うユーザーにとっては非常に重要なんだってことです。スイフトやバレーノにはない魅力。そこに気がついてしまったら!!もう絶賛するしかない「いいクルマ」ですわ。しかも130万円台〜なんて!!


第7位 ルノー・ルーテシア(199万円〜)

  欧州で一番優秀なクルマとして大いに市民権を得ているクルマです。日本でも間違いなく売れるデザインではあるんですけども、ルノーの供給体制は貧弱で、ディーラー網も各都道府県に1つ程度、東京都が10、神奈川県が5では、空白地帯だらけです。母親にどうかな!?と思っても東京西部には八王子にあるだけ。実家からすぐのところにはメルセデスベンツがあるってのに!!自宅の近くには、小平と三鷹があるのでそこそこルノー車を見かけるのですが、ディーラーのキャパが・・・。BMWムラウチと比べると小さいし。

  本気でルノーが売る気があるならば、資本提携関係にある日産や三菱のディーラー網で売ればいいわけですけども、果たして「ルーテシア・ゼン」は兄弟車の「ノートe-POWER」を押しのけるだけの破壊力はあるかな〜・・・。

  Bセグも販売地域の規格に合わせるために、日本メーカーでは車幅を変えた作り分けが行われるようになっています。昔のアテンザ、アコード、オデッセイなどが北米版だけワイド仕様に作っていましたが、Dセグの世界基準は北米ベースで決まり、現行のアテンザ、アコードは北米サイズです。・・・が今度は廉価で作り分けなんて不要だったBセグで始まりました。真っ先に取り組んでいるのがスイフト。マーチ(マイクラ)はワイドになった新型が日本には入って来ないで、旧型の継続販売が続いています。その前に作られたノート、ルーテシアの兄弟車でも、ノートは5ナンバー、ルーテシアは3ナンバーに作り分けられています。

  「早く!!欧州マイクラを売ってくれ!!」という人々に向けて、日産ディーラーでルーテシアを用意するのもいいんじゃないでしょうか!? もちろん「ルーテシアe-POWER」とかいう茶番は要りませんよー!!日本市場であえてゲトラグ製DCTに乗るって
いう変なこだわり!? 同じく3ナンバー化しているMINIよりも張りのあるドアはもっともBセグから遠い地点にあるクルマなんだと実感できるほど!!(インテリアの趣向ではMINIが優れているかもしれないけど)。 欧州マイクラを求めるユーザーの希望は全部叶えているんじゃないの!?

  100km/h走行時が2500rpmとエンジンがそこそこ回ってしまうので、これ1台で「高速道路もOK」というわけにはいかないですけどね。高速も走る人は1.6Lターボのルノースポーツ284万円を買う必要があるのですが、こちらもエンスー度が高いわりに200万円台のスペシャルプライス商品です。


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2017年9月8日金曜日

『いいクルマ』ってどーいう意味だろう!?ゴルフ と デミオ

  「スイフトはいいクルマだ」「ゴルフはいいクルマだ」「デミオはいいクルマだ」「インプレッサはいいクルマだ」・・・とかよく聞きますけど、形容詞は「いい」だけしかつかなくていいのかな!? 細かい説明なんて面倒だし大して伝わらないから省略なのかな!?

  日本語の奥深さなのかもしれないけど、この「いい」の意味はなんとなく伝わっています。直接的にはちょっと表現しづらいから、単に「いいクルマ」で済ませているだけで、本当の意味は「見た目はそう見えないけど、実は想像以上にいいクルマ」ってことです。しかしクルマ好きってのは、かなりの割合で『?』なので「いいクルマ」の意味が勝手に飛躍していきます。

  さらに余計なことを言うと、『いいクルマ』ってのは、結局のところ『?』なファンによってその性能を過大評価されやすいクルマの総称です。ただただシンプルに余計なものを付けずに、工場のラインからドカドカと吐き出される量販車でしかない。良くも悪くもそのメーカーのスタンダードでしかないクルマを、他のモデルとの比較で「いい」という形容詞はちょっと無理があるような・・・。まあこれもある種のクルマの楽しみ方なんでしょうけど。

  人々に愛されている「いいクルマ」の中でも特に最強の1台を決めよう!!これぞ「究極のいいクルマ」って言いふらすことができる1台はどれだろう!? 見た目ではとてもいいクルマではなさそうだけど、実際に試してみるとあまりの感激に「衝動買い」してしまいそうなクルマを10台選んでみました!!

第10位 VWゴルフ(249万円〜)


  もう慣れちゃったのでそれほど驚くこともないですけども、この極々平凡なエクステリアのクルマがなかなかすごいです!! 欧州でも中国でもベストセラーになっていて、日本でも常に輸入車のトップを争う(現在は2位)くらいに広く知られたクルマです。欧州や中国ではリーズナブルな価格設定も人気の秘密になっているのですけども、日本でも250万円〜買えるので、下手すると最近高騰気味の日本車よりも安上がりになることも!!

  メキシコで組み立てて、中国で内装をしたドイツメーカー車が、日本車と同等の価格なのにそんないいクルマなはずはない!!と思うかもしれないですが、同じクラスで300万円台のメルセデス(ポーランド製)やBMW(南アフリカ製)よりも、駆動系の仕上がりが完全に一枚上手です。メルセデスが1.6Lターボ、BMWが1.5Lターボなのに対して、1.2Lターボもしくは1.4Lターボを使うゴルフ。エンジンの質感は3ブランド共に大差ないです。

  大きなアドバンテージはミッションで、まずZF製8ATを使うBMWは出足でかなりもたつきます。さらにひと昔前のCVTのようなちょっと滑る感覚が出ます。ある程度は軽快さが欲しいCセグにはちょっと不似合いだと思いますし、ペダルへの応答性という意味でも問題ありかも。もし小型/中型にトルコンATを使うならやはりマツダのように幅広いロックアップ(起動時にはDCT的な力強さが得られる)で機敏に動けるギミックが必要不可欠だと思います。

  それに対してメルセデスとゴルフの両FF車はDCTを使用。アルファロメオなどちょっとギクシャクするブランドもありますが、メルセデスとゴルフのDCTは大きく破綻するような瑕疵はないです。まあこれがA/CLAクラスとゴルフが売れている要因の1つだと思いますね。ただし、動き出しの繊細なところでは非常識なアクセルの踏み込みは全部キャンセルしてしまう機構が組み込まれているようで、ちょっとフワフワする踏みごたえのアクセルフィールがメルセデスの方で特に強く感じました。つまり・・・ドイツの3陣営の中ではVW/アウディがCセグに関してはベストな乗り味かな!?と断言できます(サスも負けてないですし)。とにかくミッションとサスでクルマの印象は大きく決まりますけど、そこを押さえているゴルフとVWは素晴らしいってことです。

  そんな「ドイツ予選」を勝ち抜いたゴルフに対して、本命不在の日本代表・・・。アクセラ、インプレッサ、プリウス、シビックといずれも「ゴルフには負けない!!」と関係者が同音異口に述べてますけど、なんかどれもそれぞれに「思想強すぎ」な気がするんですよねー。そりゃいくつものパラメータにおいて日本勢はゴルフを凌駕しているかもしれませんが、もし『自然体』という評価項目があればゴルフには勝てない!?ゴルフの『強み』は良くも悪くも『プレーン』なところでしょうか。新登場の1.5Lエンジンが年内には日本にやってきてやや弱点だったエンジンフィールも改善されるようです。


第9位 マツダデミオ(138万円〜)

  第10位のゴルフもそうですが、このマツダ・デミオも先代モデルがWCOTY受賞ですから、今さらに「いいクルマ」ともてはやす必要もないかも。先代が3代目で現行が4代目ですから、マツダの設計上では同じ世代のシャシーを使っています。このシャシーだけはフォード時代に設計されているので、今でも兄弟車のフォード・フィエスタと近い関係にありますが、あちらはちょっと前までWRCでカッ飛んでいた「Bセグのスーパースター」です。なんとも優秀な双子。

  なんでそんなクルマが9位なのかって!?(ちなみにゴルフはちょっと有名過ぎだから)  デミオの場合はクラス水準で非常に優秀なのはわかるんですけど、実際に乗ってみると結構残念なところがあったりするんですよ。まあ間違いなく「いいクルマ」なんだろうけど、ちょっと疑念がある。もしかしたら「いいクルマではない」かも・・・って。

  まずは運動性能について。このクルマですけど、「本当にマツダ車!?」って思うくらいに制動力が低い。特にディーゼルモデル。まさか先代の重量を基準に策定されたブレーキをそのまま使っている!!なんてお粗末なことはないでしょうけども、もうちょっと機敏に減速Gがあってもいい気が・・・。

  あとはもっとフレキシブルにドライバーの着座位置やステアリングホイールのポジションを変えられたらいいのになー。マツダ車に期待するところって360度ビューモニターとかじゃなくて、チルト、テレスコピック及び座面の調整しろをトヨタ86に負けないくらいにして欲しい。ステアリングが86くらいビヨーンと出てくるのがデミオのイメージに合っているかも。あと座面調節のレバーの材質が初期のものは非常に残念だった・・・文句がある奴はLパケを選べってことか!? 確かにLパケなら、エクステリアとのギャップはもっと大きくなって「いいクルマかも」



もうすでに選定は終了していますが、8位〜1位は次回以降に順次書いていきたいと思います。


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2017年9月3日日曜日

ドイツ車が無くなる・・・そんな現実を受け止められますか!?

  沢村慎太朗さんの最新刊「午前零時の自動車評論13」が発売されました。この単行本シリーズは筆者が書いているメルマガの記事をテーマを選別して加筆修正をしてまとめているものです。メルマガを書いたタイミングと単行本の発売のタイムラグを感じさせない沢村さんの普遍的な文体もさすがですが、まずはメルマガで尖兵的な議論を煽り、大衆へと徐々に浸透した頃に単行本でわかりやすくダメ押しするという一連の沢村さんの「布教活動エンターテイメント」におけるバイブルです。

  この13巻でも、なんだか『終末的』な様相を呈してきた大手メーカーによる自動車作りを、慎重に言葉を選びつつも「その限界」について厳しく言及しています。ここ数回の傾向としては、VW、メルセデス、BMWといったドイツブランドが標的にされてきましたが、さすがに毎回同じ趣向では飽きられてしまいますので、今回はターゲットを変えて日産、マツダ、トヨタに不意打ちを仕掛けています。かなり辛辣な内容で、ティアナ、NDロードスター、プリウスのオーナーが読んだら結構がっかりする内容かもしれません。

  このシリーズですが12巻までは執拗なまでにVW、メルセデス、BMWの闇に切り込み、ドイツ車にはこれっぽいの正義はない!!あるのは「悪行三昧」だけ!!と散々に罵っていました。「しかし」というべきか「やはり」というべきか、その『預言』が、いよいよ現実に欧州メディアで赤裸々に語られることになりました。ドイツメーカーは「談合」によってあらゆる経営環境への疑念を『非合法かつ非道徳的な方法』で排除していたことが連日のように暴露されています。

  そーいえば、なんでドイツ車の衝突安全基準はユーロNCAPだけ高い数値を出すのだろうか!?北米NCAPやJNCAPではBMWの全モデルがホンダの3列シート車に完敗してしまうのに・・・。ユーロNCAPとJNCAPは評価する観点があまりに違いすぎるから!!とドイツ車を徹底擁護する評論家やブログ素人もたくさんいましたけど、今ではみんな知らんぷりを決め込んでますねー。今では気安くドイツ車に関わると大怪我するから!!ってBMWなんかに対してやや冷たい気がします。5シリーズを盛り上げるメディアがほとんど出てこないし・・・。

「疑念」が全て現実になってしまった「ドイツ・カルテル」事件が表沙汰になって、ちょっと極論かもしれないですが、もう日本市場におけるドイツブランドはポルシェを残して他のブランドは全て終わっていくのかなーという気がします。もう存在意義が見出せない・・・。日本で好調なメルセデスでさえも沢村さんによって徹底的に叩かれてしまっていて、さらに性格が悪い!?筆者はこの13巻において、この20年あまりにメルセデスが大失敗してきたことを時系列で列挙しています。

  過去20年間の日本市場において、ドイツ車の存在は決して無視できるものではなかった!!カーメディアはその設計を高く評価し、ユーザーもある人は夢中になり、ある人はある程度の憧れを持ち、ある人はその輝きを認めた・・・が20年経ってみて、最初から正しかったのは「ドイツ車なんて大したことはない!!」と言い放ってきたホンダ、日産、マツダの開発陣だった。

  ドイツメーカーがグルになって排ガス不正、衝突安全不正、サプライヤーとの健全な取引を妨害・・・などの一連の不祥事よりも、ドイツ車を20年間もの間、多少の疑問はあったにせよ、決定的な判断を下せないままに認めてきてしまった日本のクルマ文化そのものが、絶対に癒えることのないトラウマを刻まれたことのショックが大きいですねー。

  「高級&高性能なクルマに乗りたい!!」という需要をどこのブランドが代わって吸収できるのか? 現状の輸入ブランドにおけるメルセデスへの圧倒的な支持は、「都民ファーストになんだかんだ票が集まる」という消極的な日本社会の活力の無さを象徴している気がします。テスラやマセラティはやや(かなり)敷居が高い!!それだったら600万円くらいで手に入るようになった『AMG』や『M(が付くやつ)』あるいはポルシェのミドルSUVのマカンくらいにしておこう!!・・・とバブル世代を中心に誘導されているようです。

  日本を代表する高級車であるクラウンの次期モデルはいよいよシャシーが一新されて、ドイツ車から離れた層を再び吸収するくらいのポテンシャルを目指しているみたいですけども、カムリの『電車ユニット』を縦置きにして搭載しつつも、そのポテンシャルを最大限に発揮するための軽量化を織り込んでくるシナリオが見え見えですから、このパターンはどうも・・・な結果になりそーな。『ゼロクラウン』の時のような新時代・欧州化をキーワードとして再びぶち上げるんでしょうけども。どーでしょうか!?ドイツ車は腐っていた・・・果たして日本車は!?





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