2017年4月29日土曜日

珍車登場!! 「アウトランダーPHEV・S」479万円・19.2km/L

  日本のカーメディアがほとんど報じないことですけども、三菱自動車は海外ではとても人気です。特にアメリカやドイツなど自動車先進国では大人気です。かつては旧通産省の言いなり(自衛隊から随意契約取るため?)になり、「三菱は国家なり」という社是を生み出す「国粋主義的」な立ち位置から、マスコミに嫌われているみたいですけど、率先して貿易摩擦解消のために世界中に工場を建てたり、ヒュンダイ/プロトン/一汽/上汽といったアジアの新興メーカーから、フィアット/VW/BMWといった欧州の「どん詰まりメーカー」にまで幅広く技術供与を行い、外務省とも良好な関係にあったとか・・・。

  そんな三菱自動車ですが、「国粋」ゆえにか、本体の三菱重工の意向もあってか、2000年頃に巻き起こった、業界再編の流れに乗ることもなく、現在も年産100~150万台規模で推移していて、「組み立て」に関しては中堅規模に甘んじています。当然に米国、豪州、オランダの工場にサプライチェーンを伸ばすバブル時代の手法は、「IT&チャイナ」の時代には時代遅れもいいところで、次々と工場を閉鎖しています。アメリカでの生産は昨年で完全に終了していて、フォードが日本から撤退して極東&ASEANの「ローカル」に集約させています。三菱も競争が激しい米国から撤退の意向を持っているようですが、三菱がこれまで培ってきた「高性能」なイメージはそう簡単には北米から消えずに、地元のディーラーからの熱いラブコールで新型車投入が全くないままに年間10万台超の販売を続けています。

  ドイツでも相変わらずの人気です。日本では知らない人も多い見たいですが、ドイツのカーメディアを読んでいると、三菱のAWDはやはりアウディクワトロの上を行く!!みたいな絶賛記事が出てきます。ドイツ国内でユーザー評価による「品質の高いメーカー・ベスト5」に入るのは、メルセデス、トヨタ、マツダ、三菱、ポルシェ。「三菱inドイツ」では「水島のランサー」「岡崎のRVR」「岐阜のパジェロ」「チョンブリのトライトン」 世界的に有名な「三菱・四天王」が一堂に会しています。この4モデルの実力を知らないで、「ドイツ車はやっぱすごい!!」とかステレオタイプに言ってる日本のオッサンはマジで恥ずかしい・・・本当はアフリカ製なのに。

  三菱自動車を安易に批判する一般人やカーメディアに言いたいのは、三菱の直噴ターボがなければ、VW、BMW、フィアット、PSAは全て経営が行き詰まっていたと思います。しかし欧州メーカーを追い詰める可能性があったヒュンダイや中国ブランドのほぼ全てが三菱設計のエンジンを使っています。メルセデスやスマートのFFモデルも三菱の設計を使って作っています。そして北米で圧倒的な販売を誇るピックアップトラック3シリーズを開発したのは、フォードとGM。それからクライスラー・・・ではなくて三菱です。・・・そんなことを知ってか知らずかわかりませんが、「もう三菱は退場でいいよ!!」とか年配のオッサンが言ってたりすると、こんな「アホ」が偉そうに威張っているから日本社会はダメなんだろうなーと憂鬱な気分になります。世界中のメーカーが三菱の技術を理解して、クルマを作っているのに、日本のオッサンはわかってない・・・なんて。

  さて右ハンドル国ということもあって、イギリスで最も売れている「プラグイン・ハイブリッド」となっている三菱アウトランダーPHEVに、最上級モデルの「Sエディション」が設定されました。価格はなんと479万円。レクサスを除く日本メーカーのブランドで四捨五入して500万円という価格が成立するモデルは、そう多くはなく、スーパースポーツやインフィニティ車、アキュラ車を除けば、マジェスタ、クラウン、アルファード/ヴェルファイア、ハリアー、フェアレディZ、エルグランドくらいしかないのに!!世間では320万円のアルファードに乗っている奥様がセレブ顔しちゃうというのに、479万円なんて!!贅沢すぎるーーー。

  これはまさに例の「珍車」ですねー。俗にいう「三菱だから存在するクルマ」ってやつです。旧財閥系の三菱は、三菱商事、三菱東京UFJ、三菱地所、三菱重工、三菱電気、三菱ケミカルから・・・三菱鉛筆まで東証に上場しているだけで18社もありますが、これらの従業員が乗るクルマとされる、やたらハイソサイエティなモデルです。代表的なのが、メルセデスと互角の性能を誇ったと言われる「デボネア」。かつては「デボネアAMG」というモデルもありました。AMGってもちろんあのメルセデスの手作りエンジンファクトリー&チューニング部門のAMGです。「珍車」でしょ!!

  この「アウトランダーPHEV Sエディション」もなかなかですよ。なんで479万円もするのか!? ベースモデルにオリジナルパーツをあれこれ付けました!!みたいな「デコ仕様」という訳ではなくて、相当に中身に手を入れています。479万円ですから当然ながら「衝突安全ブレーキ」が付きます。圧倒的なバッテリー容量を誇るPHEVですから、できることですけども、「エンジンかからないボタン」というのが付きました。夜中にGT-Rのエンジン掛けると近所に気まずいですよね。スーパーカーのユーザーもご近所トラブルを防ぐために、自宅から離れたガレージに保管していてそこまで二輪車かセカンドカーで行く人も多いのだとか。

  それだけじゃないです。サスペンションに付くダンパー(ショックアブソーバー)に、ドイツのビルシュタイン社の専用チューニングのものを装備。一体何がしたいんだ!?「最強のSUV」でも作ろうというのか? 確かにベース車のアウトランダーはSUVとしてはボデー剛性も高く、衝突安全基準でも好成績を収めていて、JNCAPの乗員保護93.17はなかなか凄まじい得点です。ちなみに同クラスのBMW・X1は80.53という軽自動車並みです(ここだけの話だけどBMWに喜んで乗るやつはアホ)。

  アウトランダーには、ランエボ譲りの「アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)」が搭載されていて、これは今でも世界最先端のトラクションコントロール機能で、日産の「ATTESA-ETS」やホンダの「SH-AWD」やマツダの「Gベクタリング」など日本メーカーが熱心に開発しているセンサーを張り巡らせて、AI的自動運転の要領で外輪の増幅トルクによって運転を支援するシルテムですが、三菱のAYCが圧倒的によく曲がる(高い完成度)と評判です。日本のAWDに乗ってしまうと、BMWやメルセデスなんて・・・何の技術もないなーってわかる。三菱はこの「Sエディション」でドイツメーカーの弱点を突いて勝負してきたんですね。早く英国メディアの「トップギア」で限界性能をチェックしてもらいたいものですねー。

↓米国メディアです。三菱は撤退したいはずなのに、ユーザーは盛り上がってます。

最新投稿まとめブログ
モーターファン別冊 ニューモデル速報 第517弾 新型アウトランダーPHEV&アウトランダーのすべて

2017年4月26日水曜日

どこから上が「高級車」なのか!?

  世界はすっかり「AI」とか言っている時代に「高級車」・・・完全に時代遅れな気もしますが、家具、腕時計、紳士服でもそうですが「高級」というファクターがついている限りは、自動車産業の全体が一気にコモディティ化することを防げます。しばらくは「日本製」「イタリア製」「ドイツ製」が楽しめるのかなー。

  「どこから上が『高級車』なのか!?」例えばメルセデスEクラスはどうなの?・・・は?高級車に決まってんじゃん。中国工場がメインで作られているクルマですけども、「ドイツ製」と遜色ない出来栄えですし、そこらへんの「日本製」よりもずっといい感じの存在感があるし。メルセデスもユーザーが期待している姿をスマートにキャッチアップしていて憎たらしいくらいですわ。「自動車業界のアップル」という表現がハマってます。

  「日本製」「イタリア製」「ドイツ製」なら高級車なのか? そう簡単に定義できればいいのですけども、日本国内で販売される軽自動車やそれに準ずるAセグ車はこの3地域のものがたくさん供給されています。もちろんフランス、タイ、インド、ハンガリーからも輸入されてます。日本の某有名コンサルタントの最新刊でドイツの自動車産業についてザックリ語っていて、世界のモジュラーのデファクトを握ったボッシュとコンチネンタル、もう一方で徹底したモジュラーメーカーのVWが両翼となって、世界最先端の競争力を保っている・・・ほー。

  ドイツの自動車産業は「高級車」も「大衆車」も作れる。「ドイツだから高級車」という固定概念を否定する必要はないですけども、実際にはドイツの底力は「安価なクルマ」を作る力にあると分析しています。日本のカーメディアから語られる姿とはだいぶ違いますね・・・いや、もうアイツらはほうっておきましょう。確かにVWはトヨタやマツダが参入できない限界市場にも突入できています。自動車技術だけを比べれば、VWもマツダもトヨタも似たり寄ったり何ですけど、インド、パキスタン、バングラディシュの20億人近い市場に突入しているのはVWだけです。

  人口ベースではEUやASEANの4倍の規模を持つ南アジア市場ですが、日本メーカーではスズキ系列の「マルチ」が一応トップシェアを持っています。外部が勝手なこと言いますけど、日系メーカーで一番マインドが「アレ」な日産が「ダットサン」という廉価ブランドで攻略に乗り出しています。VWが行くなら俺らも行く!!そういう「指向性」という意味では、日産が一番熱くて、マツダがまるっきりダメ・・・。あくまで想像ですけども。いやいやマツダは「鈍い」から好きなんですけどね。

  結局のところOECD諸国に自動車を輸出するなんて、自動車産業をこれから伸ばそうという新興国でも比較的に参入障壁は低いのだと思います。日本市場でトヨタとガチンコで「価格&性能」競争を繰り広げれば、ほぼほぼ撃沈するでしょうけども、向こう見ずな経営者が、破天荒なコンセプトで高級車もしくはハイパーなスポーツカーでも作りあげて、ワンオフで納品すれば・・・多分100台くらいは売れると思います。けども日本で300万円くらいするプリウスをインドに持っていっても現状では商売にはならないです。

  ドイツの俊英メーカーVWは、トヨタのマーケティングを完全に出し抜いてインド進出を果たしています。中国でも圧倒的に優位に立っていますし、地政学的には絶望的に思える韓国市場でも日本メーカーを出し抜いちゃっています。それを日本のトップクラスのコンサルタントが激賞なのかステレオタイプなのかわからないけども評価しているんです!!つーことで、冒頭に掲げた「高級車」=日本、イタリア、ドイツ製という考えは・・・どうやら間違っていたようですね。

  


  

  

2017年4月20日木曜日

レクサス という異文化実験はいつまで続くのか?

  米国のジャーナリスト・トマス=フリードマンがグローバリゼーションを語った名著に「レクサスとオリーブの木」のタイトルにもなっているレクサス。街にマクドナルドが建っていてレクサスが走るような水準の国ならば、紛争の解決手段に内戦や侵略戦争を選ぶ理由がなくなる!!そんな豊かさの象徴だとフリードマンは言っています。

  このクルマはメルセデスでもBMWでもアウディでもない・・・レクサスだ!!同年式のライバル車には絶対に「乗り心地」「静音性」つまりNVHでは負けない!!という「志」の高さを実際に感じるだけで、レクサスのファンになってしまう人の気持ちはわかります。トマス=フリードマンも他の高級ブランドをあざ笑うようなレクサスの精度の高さ!!これこそがグローバリゼーションを推し進める「圧倒的な魔力」なのだと定義します。

  レクサスは世界を覆う「怪物」として1989年からの四半世紀を闊歩してきたにもかかわらず、「レクサスにはアイデンティティが足りない」として、これまでの「機能性」から、デザインを中心とした「アイコニック」なブランドイメージを発信するようになりました。まるで「機能性」だけではマヌケなユーザーにまで車の魅力が伝わらないから、とにかくギラギラさせよう!!「機能性」におカネをかけるよりも「外観」におカネをかける方が売り上げに与えるインパクトは確実に大きくなる!!みたいなことをコンサルタント会社がトヨタに進言しているのかも。



  そんな過渡期にあるレクサスが新たなデザイン・コンセプトを取り入れてから導入されたモデルは、果たしてフリードマンが脅威を感じた「世界最強」の姿なのか? 見た目で判断するのはやや愚かかもしれないですけど、例えば上の動画のレクサスRXなんて、これ「テスラの新型です!!」と言われても納得しちゃいます。ヘッドライトだけ妙にトヨタっぽい「一重」まぶたなんだすけども、あとはスカート部分だけやたらとメッキ仕立てになっていて、フルエアロのオプションで100万円くらいふんだくるという戦略が・・・。

  イメージカラーとしてシルバー、メタリック、チタンを配置して、どこまでも続くハイウェイを疾駆する「トランス・コンチネンタル」な長距離ピープルムーバーを想起させるデザインです。「走るジュラルミン」。これがゴチャゴチャした日中の混雑した日本の街並みには似合わない!!ってことはないですけども、結果的に日本車が培ってきた伝統をぶっ壊すことに執念を燃やす最近のトヨタが考えていることは、どうやら・・・日々クルマの良し悪しをチマチマと論じているクルマバカの頭上はるか上空を超えて「何か」を引き起こそうという「遠謀」に思えて仕方ないです。

  世界のどこに持っていったらレクサスRXは輝くのか?・・・「東京」「名古屋」「福岡」といった日本経済を牽引する活気のある大都市の中心部も、街並みにワイルドさが乏しいのでこのデザインはどうもハマらない。ニューヨーク、パリ、ロンドンといったそれなりに年月を重ねてきた大都市よりも、シンガポールやドバイ、香港といった新興の国際色が豊かな都市がちょうどいいかも。これらの都市が「アジアの熱風」として、世界中の自動車ブランドを集めて、東京MSよりも大規模なイベントを開く時代に、そこに集まった有名ブランドの中で最も「熱い」存在でいたい!!とトヨタが考えているならば、新しいレクサスのコンセプトはかなり上手くできているんじゃないでしょうか?(欧州では苦戦するでしょうけど)

  トヨタっていつからそんなに「デカい絵」が描けるメーカーだったの!!(20年辛抱してHVの権威になったじゃん)。もちろん火をつけるライバルがいたんでしょうね・・・下の動画はシンガポールだそうですが、なんじゃこりゃ!!日本でもこんな光景が見られないよなー。この光景がミュンヘンやシュツットガルトだったら、別の意味で面白いけど・・・。


 
   話は変わりますが、レクサスGSが廃止されるみたいです。北米や中国では4.9m級のフルサイズセダンとしてカムリがベースのレクサスESが販売されていて、これが日本にもGSの代わりに導入されると報じられています。ベースのカムリも北米で新型が発表されてあまりのイメチェンぶりが衝撃的です。やはり「一重」まぶたのヘッドライトなんですね。メルセデス、スバル、マツダのような「腫れぼったい」まぶたはどうも女々しく見えますけども。そしてこれもまた「テスラの新型です!!」と言われたら・・・ほぼ信じてしまうレベル。そして各部には最近の「破天荒デザイン」なトヨタ車のデザインエッセンスが散りばめられています。レクサスISのサイドライン、SAIのテールランプ、C-HRのCピラー周りなどなど。日本でも年内に発売でしょうか・・・マツダの新型アテンザ(4代目)とガチンコ対決!?

  
  メルセデスSクラスをなぎ倒すところから始まったレクサスの歴史ですが、「Sクラスと肩を並べたLS」「BMW的な要素を追求したIS、RC、RC-F」「アストンマーティンやジャガーをイメージしたLC」「ランドローバーを取り込むLX」「マツダを叩くESとNX」「アジアの風RX」・・・レクサスに行けば世界の高級車はなんでもありますよ!!無計画に見えてしっかりと際立ったラインナップを揃えているブランドなんですねー。


2017年4月17日月曜日

BMW と マツダ がちょいダメな理由

  もう一回買って見ようかな? ・・・いやでもね〜。そんな余計な思惑が入ってしまうブランドの代表格となっているのがBMWとマツダ(じゃないですか?)。短時間の試乗で良さがすぐにわかる両ブランド・・・以前ならマツダの方がアクセルもハンドリングもクイックさが際立っていてとんがっていた印象ですけど、最近ではどちらも「ニュートラル」なレスポンスにこだわっているようで、そうなってくるとFRのBMWの方がとりあえず上手く仕上がるみたいです。現状のマツダは勝ち目がない戦い!?いやいやFFのBMWになら勝ててるかな!?

  カーメディアは盛んにBMWとマツダは「他のブランドとは違う!!」みたいなことを言ってますけども、モデルによっては他のブランド(ホンダ、トヨタ、メルセデス、VW、ボルボなど)のライバル車種に負けていると思われるモデル&グレードも結構あります。・・・それが結構問題じゃないか?と思うんですよ。BMWやマツダの新車を「買う」という行為は・・・世間に「私はクルマとドライブがメチャクチャ好きです!!」と宣言するみたいなものだと思うのですけど、最近のモデルは特徴がわかりづらいので・・・よっぽど感性が研ぎ澄まされている人じゃないと安易に手を出してはいけない!!少なくとも320i非Mスポと420iMスポを乗り比べて、「全然真逆のクルマだ!!」と自信を持って叫べるくらいじゃないと厳しい気がします。

  必ずしも420iMスポが「正解です」という単純な話ではなくて、320i非Mスポだって良いところはいくつもあるんです。どんなところが良いか?端的に申しますと、トヨタにプレミオというミドルセダンがあります。1.5〜2Lの自然吸気&CVTで乗り心地はクラスのレベルを超えた非常に当たりの柔らかさを感じるモデル。その乗り心地は車重1250kgレベルのクルマとしては驚異的な水準にあります。トヨタの階級の中では、カムリ、マークX、クラウン、マジェスタへと車重が上がるにつれ磨きがかかります。・・・で320i非Mスポは完全に他所ものなんですけど、このグループの一員に混ざってもやっていけるんじゃないか?と私は感じたんですよ。だけどこれ「タブー」なんですよね。

  カムリは違いますけど、プレミオ、マークX、クラウン、マジェスタはほぼ国内専売(一部香港輸出)ですから、乗り心地は相当にソフトに仕上がってます。他の国内メーカーは全てグローバルモデルですから、なかなか太刀打ちできないですけど、外様のはずのBMWがここまで「日本的」に仕上げたことに率直に感動するんですよ。BMWの本来のGTセダンのイメージに近いのはもちろん420iMスポの方なんですけども、なんかスゲーことを成し遂げているのは320i非Mスポじゃないか?と思っています。本来のBMWが良しとしていたことを全部すっ飛ばして、日本車の懐に飛び込んできた3シリーズなんですよ。ブレーキも効かないし、ハンドリングもアクセルのレスポンスもダルい、直進安定性も落ちてます。そこまでやらないと「トヨタの一員」にはなれないってことなんだと思います。ただし日産だけは信じられないけど両立させちゃってますが・・・。

  これマツダにも全く同じことが言えます。アテンザもアクセラもハンドリングはまろやかで、足回りもダイレクト感が減りました。マツダの場合はロードスターという「飛び道具」があるので、一般モデルでどれだけ日和ってもいいという論理が働いているのか、あるいはスポーティにこだわっている開発陣が、ロードスターのピュアスポーツ度ばかりに神経質になりすぎていて、基本設計はFFである一般モデルを過剰にスポーティに仕上げることに後ろ向きになっているのかなー・・・という感じがします。色々なメーカーの開発担当者が一堂に会したどっかの討論会で、マツダの代表が「人間は足で走るんだからスポーツカーはRWDしかありえない!!」と発言し、日産だか三菱の代表が「でも人間より犬の方が速い、だから速さを追求するならAWDだ」と反論されてました。

  BMWとマツダのスポーティ視点での「勝負モデル」を挙げるならば、「420iグランクーペMスポ」vs「アクセラセダン22XD・AWD」なんですけど、全然違うタイプなので、比較のしようもないですし、どーも噛み合ってないです。ただしどっちも買って損はないですね。どちらも気合は十分伝わってくるし、他のライバル関係を比較しても「このクルマじゃないと!!」と思わせるオンリーワンな要素もしっかりあります。おそらく2Lターボ車の中で過給を意識せずにナチュラルな乗り味で、さらにハンドリングも高いレベルにまとまった中型車という意味では「420iグランクーペMスポ」は最強(ベスト)でいいと思います。たとえスカイライン200t相手でも負けていないです。

  全くカーメディアでは盛り上がっていないですけども、アクセラ22XDのオーバースペック気味なユニットをMTで「ぶちかます」走りは、2002年を境にクリーンになってしまった日本メーカーからは感じ取れなくなった「ヤバい雰囲気」があります。そのクルマの名前が「ランサーエヴォリューション」やら「WRX」やらだったら乗る側もやや身構えますけども、いかにもファミリーカー的な雰囲気の「アクセラ」がここまで暴力的に加速する「ギャップ」がいいですし、さらにマツダらしくスバルや三菱よりもハンドリングのダイレクト感があるので体に伝わってくるエマージェンシーでアドレナリンが出る走りはなかなかエグい!!これはフェルトがステアリングに絡みついているようなフィールの「WRX・S4」なんかよりもよっぽど刺激的です。けどこれってさ・・・マツダじゃないよ。

  従来のマツダが好きな連中は「420iMスポ」が刺さりますし、BMWが好きな連中は「アクセラ22XD」のダイレクトで力強いフィールは好きなんじゃないですかね? なんでこうなっちゃうか?色々と理由を考えるとこれはBMWもマツダも「二流」だからじゃないか?と思うんです。パクるのが上手い!! これに対して「一流」とはどこか?わかりやすく挙げるならば、日産、ホンダ、ポルシェ。この3メーカーは、自己基準で絶対的な進化をするだけの「マテリアル」を持ってるから、GT-R、NSX、911ターボを作るし、スカイライン、シビックtypeR、マカンといった500~600万円クラスのモデルでも「さすがだな・・・」という足跡が残せるんでしょうね。

  BMWやマツダがこの3メーカーに対して負けを認めたわけではないですけども、バブル期から2000年頃までならまだしも、現在では立ち向かおうという気概がないですね。2000年代はまだ武器があったんですよ。「E90系Mスポ」VS「プレマシー」です。どっちもかなりイカれたクルマです。お世辞にも「いいクルマ」ではないですけども、トヨタはもちろん、日産やホンダにも絶対に作れないレベルのクルマです。先代のシビックtypeRの劣悪な乗り心地は「E90Mスポ」へのリスペクトでしょうし、日産もプレマシーをOEMするという決断をしました。認めてるんですよ。良い意味で「バカすぎ!!」です。徹底的に狂っているんですけど・・・当時のBMWとマツダは本気なんですよ。

  けど何を思ったのか、どちらもその武器が「間違っていた!!」とあっさり認めて、ブランドのコンテンツからあっさり消し去ります。何が狂っているか知りたい人は中古車屋に試乗に行ってみてください。どっちも相当な「珍車」です。その「地点」を知っているファンから見れば、現行モデルはどれも「守りに入っている」「リタイア世代向けに作ってんの?」とか穿った見方をしてしまうんです。ロードスターもM2も対象年齢は65歳以上じゃないの?


最新投稿まとめブログ

↓BMWやマツダの後釜はジャガーかな!?
  

  

  

  

2017年4月11日火曜日

軽いは正義!?・・・メルセデスとジャガーの闇。

  世界のクルマはどんどん大きくなって、あまりに大きくなり過ぎて、ちょっと小さくなることもあったりしますが、特にグローバルモデルのサイズは大きくなる一方です。トヨタ車は国内専売がまだまだ多くて、国内向けカローラ(Cセグ)やプレミオ/アリオン(CDセグ)は今も5ナンバーのままです。かつてマツダのCDセグとして販売されていたカペラは、アテンザと名前を変えて、初代アテンザは3ナンバーに。二代目アテンザはDセグのマークXを大きさで上回り、現行の三代目アテンザはEセグのクラウンより大きくなって登場しました。

  トヨタブランドのフラッグシップが、マツダやホンダのCDセグだったセダン(アテンザ、アコード)に車格で負けるわけにはいかないですよね。現行クラウンへFMCするときに、先代と同じシャシーにもかかわらず、慌てて全長を伸ばしてアテンザに車格で負けないボデーにしました。もちろんHV導入する際にキャビン&ラゲッジを確保するためでもあるでしょうけど・・・。

  クルマがデカくなれば当然に車重が増えて、動力性能を確保するためにエンジンの出力も大きくなって、燃費が悪くなるのが当たり前だと思うのですが、そこにはご存知の「エコカー減税」という制度が横たわっていて、先代と比べて一定の燃費向上を達成したクルマにその権利が付与されますから、クルマはどんどん大きくなっているのにほとんどのモデルが燃費が良くなる!!という珍現象が2010年頃からずっと見られます。

  ボデーが拡大しても燃費が上がる方法はいろいろ言われていますが・・・①軽量素材を使う。②エンジンの燃焼効率を良くする。③空気抵抗(CD値)を下げる。④ミッションとエンジンの協調を図る。⑤アイドリングストップ ⑥回生ブレーキ ⑦エアコンの省エネ ⑧タイヤ ⑨伝達効率の向上 ⑩ハイブリッド化 などなど。

  某メーカーの人から聞いた話ですが、乗り心地などを全く無視すれば50km/Lくらいは余裕で達成できるらしいです。①〜⑩まであれもこれも取り入れていくと、一般的にはどんどんドライブ・フィールが悪くなります。この中で比較的にデメリットが少ない部分から着手するのが、乗り味を意識するセダンやスポーツカーの正しい開発方法だ!!なんて勝手に決め付けてクルマを選ぶを結構わかりやすいんじゃないでしょうか。

  メルセデス、BMW、ジャガー、マツダなどのミドルセダンが「0.25」くらいで競っているのが③のCD値です。これは研究すればするほど、燃費、動力性能、静音性が全て向上するのでプレミアムブランドには必須の要素だと思います。Cクラス、4erグランクーペ、XE、アテンザは特に優れているようで、そのせいもあってか乗ってみてすぐに「いいな!!」と感じました。

  「CD値で頑張っている」これこそがハイクオリティなセダンを作るメーカーの条件!? というのも③以外の他の要素は、燃費こそ向上するもののフィールが悪くなる可能性が高いですから。具体的な車名を挙げるのは控えますが、CD値を頑張っていない中型セダンに400万円以上払うのは、ちょっと馬鹿馬鹿しいと思ってます。そしてCD値のお手本のような「この4台」をさらに比べると、CクラスとXEに関しては①の軽量化を「アルミ素材」を使ってに行っています。それに対して4erグランクーペやアテンザでは今のところは積極的な軽量化はみられません。アルミも結構好みが分かれるポイントです。

  愛知で生産されるレクサスや、栃木で生産するインフィニティは今のところアルミ素材を使うモデルは少ないです。それに対してジャガー、メルセデスに続いて、BMWも7er&5erでアルミを使うようになりました。数年前に日本ではアルミニウム製錬工場が無くなりましたが、オイルショック以降は製錬に必要な電気代の高騰によって、日本の国際競争力は低いまま推移しています。ホンダがアルミボデーの初代NSXを国内で生産する際には、発電所が併設されている栃木に専用の高根沢工場(生産終了とともに閉鎖)を用意するなど、日本メーカーが国内生産をするにあたって最も弱点と言える「アルミ」。欧州プレミアムはこれに勝負をかけているようです。

  ちなみにホンダは埼玉・狭山工場でアルミ・ボデーを採用するレジェンドの生産を行っていますが、これに使われる押出成形されたアルミ材は、群馬・伊勢崎に工場を構える国内最大手のUACJ(5741)から調達しているようです。メルセデス、BMW、アウディの上級モデルが挙ってアルミを使い、ホンダも採用しているので、当然の成り行きでしょうけども、レクサスもアルミの大幅採用を表明しています。トヨタは高級車によっぽど自信がないのか世界の傾向をすぐに真似る傾向がありますね・・・。

  アルミボデーを大胆に採用した現行のメルセデスSクラスのグレードのうち、日本で展開されている「300h」は20.7km/L、「400h」は15.4km/L ・・・これだけ見るとアルミはスゲー!!と思ってしまいますが、どちらも車重は2000kgを超えていて、ほぼ同じサイズで非アルミの日産シーマHV(1950kg)よりも重いです。ディーゼルHVの「300h」と、V6ガソリンHVの「400h」のどちらもややこしいことにEV走行可能なレベルのモーターとバッテリーを搭載している(シーマHVも同じだけど)ので、この分の重量増をアルミボデーで相殺しているとも考えられます。

  メルセデスよりも早くからアルミに取り組んでいたジャガーは、まだHVを導入していません。非アルミの3erと同じサイズながら、車重は1600kgを超えるなど、モード燃費も平凡でアルミボデーのメリットがあまり出せていないです。一体何の為のアルミなんだー。BMWもレクサスも100kg超の減量を掲げてアルミの導入をアピールしていますが、ジャガーは? フラッグシップのXJは直4ターボモデルだと5135mmの全長ながら1780kg、V6モデルで1890kgに抑えられているので、同じくアルミBMW7er(直6で1880kg)と同じ方針なんでしょうけど(XJの方が先に登場)。

  なんでアルミのXEは非アルミの3erと同等の重さがあるのか? FRシャシーで、4気筒、6気筒、ディーゼルを使い分ける・・・同じコンポーネンツをBMWとジャガーに提供するエンジニアリング会社があるのでしょうか? 「闇」ってほどのものではないですけども、欧州車が久々に獲得した日本メーカーに先行するマテリアル「アルミ」を使って、どれだけ「競争力」があるクオリティカーを作って来るのでしょうか?

  単純に高級車を軽くすれば「価値も軽く」なる可能性もありますが、20.7km/Lという意味不明なモード燃費には日本メーカーのお株を奪うくらいのインパクトがすでにあります。「環境性能」へのアプローチは、クオリティカーをこれから作っていく幾多のブランド(日独英以外にもボルボ、キャデラック、DS、アルファロメオなどありますが)にとって、思いの外に「紛れ」を生む要素になっていくんじゃないでしょうか? どっかのブランドのように「詐欺」をしてはダメですけど、後発プレミアムブランドにとっても案外すんなりと業界をひっくり返すことができるチャンスかも・・・。