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200万円台・第1位は・・・アウトランダー

  カーグラフィック2月号で行われた「CGアワード2015」では10台のエントリー車の内で、3台のSUV(レネゲード、マカン、レクサスNX)のうちマカンが9位、NXが10位となり編集部員によってさんざんに虐げられていました。・・・プレミアムSUVの過剰気味な人気は正当派クルマ雑誌にとってはちょっとした脅威なんでしょうね。一方で自動車メーカーにとっては、これまでの実績が販売に大きく影響するスポーツカーや高級セダンと違って、非常に参入しやすい新興のジャンルです。スバルが北米でアウトバックを、マツダも続いてCX5をあっさり大成功させるなど、命運が尽きそうなブランドが次々と「一発逆転」を起こしている非常に貴重なジャンルです・・・。   確固たる販売地盤を持たないメーカーにとっては、とりあえず開発資源のかなりの割合をSUVに突っ込んで勝負をかけるより他に現状を打破できる明確な方法は見当たらないです。スバルやマツダが躍起になるくらいだから、当然にグローバルでは同じくらいの販売規模の三菱も勝負かけてます! アウトランダーの一択! これがコケたらもう後がない! 以前は倉敷で製造されていたアウトランダーがシトロエンブランドからOEMで欧州限定で発売されていましたが、現在は1つ下のサイズのRVRがPSA(プジョー=シトロエン)との共同開発(兄弟車)になっているようです(日本製フランス車は現在はなし)。   自社でSUVも開発しているPSAが三菱との提携にこだわるのは、もちろん世界トップクラスに位置する三菱のAWD技術を取り込むためです。都市ユーザー向けSUVにAWDなんてオーバースペックという意見もあるでしょうが、トヨタが新型プリウスにいよいよAWDを設定してきたり、マツダが次世代AWDの開発を大々的にアピールしたり、どうやら今後の大衆乗用車のマーケティングにおいてAWDの有無は大きなファクターと考えられているようです。またPSAとしてはフランス国内の最大のライバルであるルノー陣営にAWDの世界的権威であるNISSANが付いていることへの対抗の意味もあるようです。     日本人の感覚からすると、AWDなんて豪雪地帯の住人か、クロスカントリー・スノボ趣味人か、全開加速主義者のアイテムくらいにしか思ってないですが、グローバルでの売り上げ高に注目すると、どうやらメーカーにとって

200万円台のクルマを一番まじめに作るメーカーは?

  日本で売れ行きが好調なクルマの価格帯は二極化していて、それは「200万円台」と「600万円台」なんだとか。前者はいわゆるアクアからプリウスまでの価格帯。後者は一目置かれる高級モデルの価格帯。じゃあこの2つの価格帯はそれぞれに別物といえるくらいに設計上に大きな差があるのか?というと、ハッキリ言ってしまうと「無い」です。結局は600万円台のクルマのほとんどが200万円台のクルマをベースとしてデコっただけってのが多いです。   一例を挙げると、600万円台のレンジローバー・イヴォーグのシャシーは、200万円台のマツダ・アクセラのものがベースです。600万円台のBMW・Z4のコンセプトは、200万円台のマツダ・ロードスターのパクリであり、そのシャシーは200万円台のBMW1シリーズのものを使っています。他に探してみるまでもなく、こんな事例ばっかりです。   カネを払う人が納得していればそれでいいのかもしれないですけど、こういった事情を知ってしまうとなかなか600万円台のクルマを買おうとはなかなか思わないです。できることなら十分に納得できる作りをしている200万円台のモデルを選びたい!・・・しかし吟味すると、やはり200万円台のクルマらしいサバサバした大味な作り込みが少々気になってしまって、やっぱり600万円台のクルマがいいなぁ・・・ってなるんですけどね。   それでも各メーカーともに知恵を凝らして「いいクルマ」を作っていて、素人にはそう簡単には見破れないくらいのぎっしり中身のあるクルマが増えてきたような・・・、そこでどのメーカーの200万円台が一番納得できるクルマ作りをしているのか? これについて考え抜いて、自分なりのある程度の見解を持っておきたいな・・・なんて暇人らしいことを思いつきました、もちろん次の1台を決める上でも非常に有益です・・・ということで自動車メーカーに喧嘩を売ることになりかねないですけど、独断と偏見で「良し悪し」を決めてみたいと思います。まずは各ブランドから「代表車」を選出しましょう。 トヨタ「プリウス」 数あるトヨタの中でも圧倒的な説得力 日産「ティアナ」 使い道が明確、エントリー随一の実力派 ホンダ「オデッセイ」 先代とは別ものでもホンダの看板モデル マツダ「アテンザ」 ワールドデザインCOTYノミネートの輝かしい実績

ジジイばかり熱狂のロードスター・・・若者のクルマはどこに?

  2015年の日本COTYを受賞したマツダ・ロードスター(おめでとうございます)。さてこの賞が意味するところを厳密に解釈すると、今年最もジジイ連中が熱狂したクルマがマツダ・ロードスターでしたよ!ってことになります。僅差で2位になったS660も立派!こちらもまるで見境の無いくらいに年配のユーザーが群がってます。自動車税が安い!なんともセコいジジイ連中が大喜びのスポーツカー・・・ですね。とりあえず、若者はドン引きです!!!いいクルマなのかもしれないけども、こんな分別もないジジイと同じ車種に乗るなんてまっぴらご免だ!!!   マツダ、スバル、BMW、メルセデスとか・・・とりあえず「いいクルマだね!」とステレオタイプに言っちゃうオッサン身の回りにいませんか? そういう人って、ちょっとあれこれツッコムとなにが「イイ」のかさっぱりわかってなかったりします。こういう人は結局は完全に他人の価値観の中でクルマを判断しているに過ぎないですね。まあお仕事がお忙しくてクルマなんて気になってられない!ってところなんでしょうけども・・・。   驚くべきことに自動車雑誌で書いているライターにも、こういう「低俗」な人がとっても多い!素人ならまだしもプロライターなのに「自分(の意見)が無い」(表現していないだけかもしれないですけど)・・・ちょっと一例を挙げると、故人である徳大寺有恒さんが続けていた1年に1回発売されるシリーズ本があるのですが、2016年版はいよいよ後継ライターの手に完全に委ねられて出版されました。まあプレッシャーも相当にあったとは思いますよ。しかしまさか!とは思ってましたが、読んでいてこっちが恥ずかしくなるくらいの・・・に呆れました。まあこんなライターさん達が選んでいるのが日本COTYですよ。   「自分で考えない人々」(某評論家が業界を皮肉って使っていた)という括りは、ライターだけでなく、情報の受け手である大部分のオッサンユーザーにまで拡大できるのかな。そんな人々が他人まかせの「根拠」をもとに「いいブランド」だと言い張るマツダ、スバル、BMW、メルセデス・・・。反対に「ダメなブランド」だと卑下するのが日産、ホンダなどなど。しかしですよ、アテンザとティアナ乗り比べてみてください。決してアテンザ勝ちにはならないと思いますよ。デミオとノートだって同じ(これに関してはノートの

レクサスGS-F ニッポンの高級車事情

  ユーザーに対して「クルマにお金をかけましょう!」と積極的に「啓発」するコト無くして、高級車の販売は成立しない・・・それがネット時代の常識になりつつあります。誰もが中古車販売店の在庫リストに手軽にアクセスできるようになって、メルセデスやレクサスの最上級セダンが実際にどれくらいの価格で流通しているのかがバレバレです。メーカーが付ける本体価格と実際の中古車価格の間には思っていたほどに相関性ななく、日本でどれくらいの販売台数なのか?が最も重要なポイントになっているようです。   大雑把に言ってしまうと、ブランド全体で年間5000台以下に留まっているブランドの中古車価格は想像以上に高いです。具体的にはルノー、プジョー、シトロエン、DS、フィアット、アルファロメオ、アバルトといった比較的に廉価なブランドでも、実際に探すと結構な価格です。一方で、メルセデス、アウディ、VW、BMW、ボルボ、ミニの「6大輸入車ブランド」は、供給過多なようで結構あっさりと予算内で欲しいクルマが見つかるのではないでしょうか。   輸入車に比べて圧倒的なシェアの日本車は、当然にそれよりもさらに安いはず!なのですが、2005〜2011年くらいの年式の高級車は輸入車にシェアを奪われたために台数が少ないようで、不人気の割にそれなりの価格で推移しています。2007年の暮れに発売された日産GT-Rは、中古車価格が下がらないような配慮をするとメーカーが宣言したクルマで注目されました。発売時から反響は大きく、777万円から漸進的に価格を1000万円まで上げるなどして、販売台数を上手くコントロールしているようで、中古車価格も500万円〜と見事に高止まりしています。   「値上げ」をしない(できない)ブランドは、日本の高級車市場から自然淘汰される。これは中長期的な視野で見れば、どのブランドにも当てはまる真実だと思います。最近の10年で大きく価格が上がったクルマと言えば・・・「ポルシェ911」でしょうか。このクルマは3世代以上前のモデル(俗に空冷と呼ばれる)の中古車価格が急上昇するなど、もはや投機用商品として認知されつつあります。300万円で買って2年乗って400万円で売れた!なんて話も・・・。   ポルシェ911に限らず、「値上げ」されている希少モデルならば同様のことはしばしばあるようです。例えばロータ

人生最初の輸入車にふさわしいブランドは?

  憧れに輸入車ブランドといえば・・・マセラティやベントレーなどそれぞれにあれこれ思い入れがあることと思います。私は「漠然と憧れる!→乗ってみよう!→金額にぶったまげる→人生を考える(仕事をがんばる)→いろいろ手段を尽くす(中古車など)→使用環境を考えて躊躇→とりあえず保留→しばらく忘れる→ふとしたきっかけでまた憧れる」の無限ループをかれこれ10周以上はしてます。どうやったらごくごく自然に「憧れのクルマ」とともに豊かなカーライフを過ごすことができるのか?っていう永遠のテーマと格闘して10年・・・。ここまで「踏ん切り」が付かないのだから「向いてない」のかな?と諦めたい気分すらします(日本車好きなんで!と周囲には言ってますけどね)。   2015年の普通車の販売では、約10%が輸入車になっているそうで、ここから業務用を取り除いた一般ユーザー向けだけならば、かなり高い(20〜30%くらいか?)輸入車率に達しているのは確かです。東京都の多摩地区に住んでいますが、体感で50%くらいあるんじゃないですかね? 特にセダンに関してはメルセデスやBMWの数が完全にトヨタを越えています。それでも近所で見かける輸入車は、言葉が悪いですけど、エンジンフードを開けたら日本車と同じような部品が詰まっているだけで、「憧れ」とはちょっと違うものかな・・・(それなりに楽しそうだけど)。   これだけエンジンの排気に規制がかけられた時代に、クルマの設計に過度にストイックさを求めるなんてバカバカしいとは思うんですけどね・・・。中古屋で二束三文で売られている輸入車では満足できないし、実際にディーラーでフードまで開けさせたりしてドン引きされてますけど、メルセデスとかVWとか大体見たらガッカリしますよ。スッカスカじゃん(ワイドなクルマが多いから余計にそう見える)! 防音素材が明らかに小さい! などなど・・・スバルのゴチャゴチャしたエンジンルームの方がよっぽど興奮します。日本車の方がボデーや内装の質感に無駄にやたらこだわっていたりするので、ルノー、プジョー、シトロエン、BMWといったあたりはそこでテンションがちょい下がります。   とりあえず「輸入車ガイドブック2016」を取り出して掲載されているブランドを仕分けしてみました。 アバルト、アルファロメオ、アウディ、BMW、BMWアルピナ、キャデラ

円盤デザインにシルバーは鉄板だ!アウディTT・フェアレディZ・Cクラスなど

  「マツダの現行モデルはとにかく「シルバー」が似合わない」・・・マツダ車の購入を考えている人はこのことは絶対に覚えておいたほうがいいですよ。マツダのデザインは今では「絶対正義」「日本メーカーの誇り」だとして崇められてますけども、その手法はチーフデザイナーの前田育男氏の手腕によって、古き良き自動車デザインを掘り起こしてそのエッセンスを拾い集めることで、クルマに憧れを抱き続ける心の中は少年のままのオッサン連中がドキドキしてしまうデザインへと仕立て上げている仕掛けに過ぎません・・・なんて偉そうなこと言ってみました。   例えばマツダのフラッグシップであるアテンザをシルバーにしてみると・・・これが残念過ぎるくらいにダサいことに(マツダもカタログに書いあげればいい!シルバーの選択は慎重に!って・・・)。ものすごく簡単に言ってしまうと、BMW5シリーズやスカイラインもそうですけど、あのサイズで顔つきが似ているこの2台もシルバーは相当にイケてない・・・というか絶対NGレベル。よってアテンザも同様の理由でNGです。そもそも4.8mクラスのセダンにシルバーが許されるのは例外的にメルセデスだけ。やらたと「穴」が空いているあのアグレッシブなフェイスだと妙にシルバーが似合うんですね。SクラスやCクラスは流線型を多用した表面構成とシルバーの相性が絶妙です。   レクサスは現行ISの発売時から採用を始めたシルバーでデザインに関する賞を獲ったりしてますが、やはりGSやLSがシルバーだとなんだか締まりが悪いですし、ISのシルバーもなんだか地味で3年〜5年の使用に耐えられる気がしません。それでもレクサスのディーラーに行くと、シルバーやグレーはお手入れが楽ですよ!とディーラーの人は甘い言葉をささやきます(在庫があるらしい)。それでもやはり買ってから一番後悔するパターンがシルバー・・・そして次にブルーです。この2色は無難かと思いきや全然無難じゃないんです!特に高級車を買う際には要注意(というよりやめとけ!)。   逆にシルバーが絶対にいい!というケースもあります。先日家の近所で見かけた「アルファGT」というDセグ車をベースにしたクーペは、シルバーじゃなきゃ世界観が十分に発揮できない!というくらいによく似合っています。いわゆる「円盤」デザインってやつです。1998年にデビューして世界に衝撃を