2016年1月31日日曜日

200万円台・第1位は・・・アウトランダー

  カーグラフィック2月号で行われた「CGアワード2015」では10台のエントリー車の内で、3台のSUV(レネゲード、マカン、レクサスNX)のうちマカンが9位、NXが10位となり編集部員によってさんざんに虐げられていました。・・・プレミアムSUVの過剰気味な人気は正当派クルマ雑誌にとってはちょっとした脅威なんでしょうね。一方で自動車メーカーにとっては、これまでの実績が販売に大きく影響するスポーツカーや高級セダンと違って、非常に参入しやすい新興のジャンルです。スバルが北米でアウトバックを、マツダも続いてCX5をあっさり大成功させるなど、命運が尽きそうなブランドが次々と「一発逆転」を起こしている非常に貴重なジャンルです・・・。

  確固たる販売地盤を持たないメーカーにとっては、とりあえず開発資源のかなりの割合をSUVに突っ込んで勝負をかけるより他に現状を打破できる明確な方法は見当たらないです。スバルやマツダが躍起になるくらいだから、当然にグローバルでは同じくらいの販売規模の三菱も勝負かけてます! アウトランダーの一択! これがコケたらもう後がない! 以前は倉敷で製造されていたアウトランダーがシトロエンブランドからOEMで欧州限定で発売されていましたが、現在は1つ下のサイズのRVRがPSA(プジョー=シトロエン)との共同開発(兄弟車)になっているようです(日本製フランス車は現在はなし)。

  自社でSUVも開発しているPSAが三菱との提携にこだわるのは、もちろん世界トップクラスに位置する三菱のAWD技術を取り込むためです。都市ユーザー向けSUVにAWDなんてオーバースペックという意見もあるでしょうが、トヨタが新型プリウスにいよいよAWDを設定してきたり、マツダが次世代AWDの開発を大々的にアピールしたり、どうやら今後の大衆乗用車のマーケティングにおいてAWDの有無は大きなファクターと考えられているようです。またPSAとしてはフランス国内の最大のライバルであるルノー陣営にAWDの世界的権威であるNISSANが付いていることへの対抗の意味もあるようです。
 
  日本人の感覚からすると、AWDなんて豪雪地帯の住人か、クロスカントリー・スノボ趣味人か、全開加速主義者のアイテムくらいにしか思ってないですが、グローバルでの売り上げ高に注目すると、どうやらメーカーにとってかなり大きなファクターなようです。一例を挙げると、看板モデルのレガシィを全車AWDという設定にしているスバルの1台当たりの売り上げ高は、なんとメルセデス、BMW、アウディと大きな差はなく、日本メーカーでは断トツの数字です。海外(欧州)生活を経てきた人々がしばしばスバリストになりやすいのも、海外では高品質ブランドというイメージが定着しているからのようです。

  そんな世界が羨む三菱のAWDを搭載したアウトランダーが200万円台で売られている!というだけでもスゴいことなんですけど、同じくらいに実績があるフォレスターやエクストレイルも200万円台ですから、いまいちそのありがたみがユーザーには伝わっていないかもしれません(こんな強敵だらけの市場だからフォードが逃げ出すのは当たり前?)。それでも沖縄のユーザーにしてみたらAWDなんてどうでもいいでしょう・・・ヴェゼル(FFのみ)でいいじゃん! 

  はい・・・ヴェゼルで十分です。けどこの「1位」はあくまで200万円台でどれだけ「真面目」に作っているかが評価対象ですから、どれだけ有効な付加価値が付けられているかを元に判断しています。もう薄々気がついているでしょうが「2位」はレガシィB4です(の予定です)。200万円台のベースグレードなのに運転席10wayパワーシートが付いてくる破格の高品質車になんでこのアウトランダーが勝てるのか? スバル関係者は憤慨しているかもしれないですが、レガシィの規格が完全に「大陸系」になってしまっていることが決め手です(ティアナとアテンザも)。これを「真面目」の1位にするのはどう考えても間違っているなと・・・。

  さてアウトランダーのAWD以外の売りについて言及しますと、まずは2015年の後半に行われたMCで内装が一気にブラッシュアップされたことです。三菱も自らプレミアムブランドを意識したといっている通りで、欧州大衆ブランドで考えられる上限を軽く越えて、「日本式アップグレード内装」とでもいうべき流行に乗っています。最近の200万円を軽く越えるくらいの日本車はことごとく内装がキレイです。某評論家が「王冠」のフェイクウッドが安っぽいとか言ってましたけど、ブラック系の内装を選べば問題ないですし。

  三菱はこれまでは「内装作り込み」の印象がほとんどなかったのですが、やはりかつては高級セダンやスーパースポーツを作っていただけあって、このMC後のアウトランダーを見る限りではそつなく出来てしまうようです。AWD技術もそうですが日本メーカーはバブルの頃に湯水の如く開発費を使って残した「遺産」によって生き存えているんだなと感じます(バブル後の自動車業界をさんざんバカにした経済アナリスト達は今頃何を思うのでしょうか)。

  アウトランダーには「PHEV」という三菱の「虎の子」が採用されたモデルもあります。おそらく日本でもアウトランダーの知名度が上がったのはPHEVのおかげだと思いますが、このクルマはイギリスでバカ売れしたようで、現在のところイギリスで最も売れている「EV/PHEV」だそうです。三菱のユニットは欧州プレミアムで次第に広まってきている「直4PHV」と同等のもので、欧州ではこのユニットがFセグメント(Sクラス、7シリーズなど)に使われます。三菱とPSAの提携がすすみ、シトロエンの最上級セダン「C6」などに搭載されてもいい気がします。まあメルセデス以外の欧州メーカーは、三菱のターボチャージャーを買ってくれる大事なお客様ですので、三菱にとってはパワーユニットの急速な変化は望んでいないと思いますが・・・。

  欧州ブランドが大好きなニューモデルマガジンXの覆面ライターに、「三菱のAWDは日産、スバル、アウディよりもさらに優れている!」(ただしランエボ用のものですが)と言わせるだけの、完全実力派メーカーの看板モデルで、プレミアムブランドにもひけをとらない「くつろげる」内装も用意されていて、さらに乗り心地や静音性に関しても、とりあえず高級セダン並みに快適です。トヨタのTNGA車が非常に良くできていて、まるでドイツ車みたい!との評判ですが、三菱はもともと欧州とりわけドイツで高い評価を受けてきたブランドで、過去には「デボネアAMG」なるモデルがあったくらいに認められた存在ですから、「走る・曲る・止まる」の実力も・・・ハッキリ言ってVW、BMW、マツダを凌ぐレベルなんです(日本ではイメージに傷が付いていますが)。アウトランダー・・・SUV買うならぜひ候補に入れて頂きたい1台です!

リンク
最新投稿まとめブログ
↓MC後に出された新規のものです!  

  

0 件のコメント:

コメントを投稿