2013年10月8日火曜日

「エコカー不況」というジレンマ

  クルマが売れません・・・。日本や欧州では自家用車に対する過剰気味な負担増で、自らの経済を萎縮させています。ただでさえ高齢化で縮小傾向にある経済を、なんとか再生させる算段が求められているのに・・・。とりあえず目先の社会保障費を補填するために、ありとあらゆる消費意欲を失わせる増税(消費税・自動車税など)が予定されています。

  それでもまあ増税は必要なのでしょう・・・。ダウンサイジングターボとか調子乗っている小排気量の欧州車を増税で一網打尽にしてしまってはどうでしょうか? まあ大して売れていないので、増収にどれほど効果があるかはわからないですが・・・。

  日本や欧州は自動車に対して年々厳しい排ガス規制をかけています。もちろん環境のことを考えるとある程度は合理的な判断なのだとは思いますが、その結果として自動車会社の開発コストは高騰を続け、そのまま自動車価格へと必然的に賦課されます。各メーカーとも負担増のリスク(売れない恐れもある)をヘッジするために、他社との共同開発に踏み切ったりや部品メーカーに開発を丸投げするなど、知恵を絞って利益を確保しているのが現状です。

  かつては系列の部品メーカーと綿密な擦り合わせをして、高性能なクルマを作っていましたが、そんな時代はとうに過ぎ去り最低価格を提示する部品メーカーの部品を各社が横並びで選択し、それらを組合わせたモジュラー化されたクルマばかりが次々と発売されています。あの日産GT-Rの3.8Lターボのエンジンや、「プレミアムミッドシップ」に適合したトランスミッションも日産の系列で作ったものではないのですから、それ以外の末端の大衆車の設計などは押して知るべしです・・・。

  ちなみにGT-Rのエンジンは300万円以上するらしいです。他にも車体剛性やトラクションコントロールなど世界最高水準の技術がふんだんに取り入れられているので、製造原価率は、同じ日産のノートなどよりも高い割合になっています。ノートには相当な宣伝費が投入されていますが、一方のGT-Rにはいっさい宣伝費が「製品」原価に組み込まれていません。よって宣伝費によって160万円まで水増しされたノートよりも、5倍以上の価格のするGT-Rの方がむしろお買い得といえます。

  日産ノートのようなアパレルに匹敵する製造原価率(10%以下と言われる)のクルマは、いくら取り繕っても満足感など得られないのは当然のことだろう。さらにエコカーがこぞって争っている最大のセールスポイントである「燃費」についても、さらにもっと燃費効率が良いクルマが1年以内に出てくることは誰にでも予想がつきます。その段階では中古車価格も想像が付かないほどに低減してしまうでしょうし、買い替えには新たに大きな負担が強いられることも目に見えています。こんな状況でクルマを買えという方が無理というものです。

  日本や欧州だけでなく北米でも都市部に限っていえば、交通インフラとしてのクルマなんて利用価値は恐ろしく低くなっています。現実にサンデードライバーの私にとって、いくら税金が安かろうが軽自動車やコンパクトカーは絶対に要らないし購入対象になりえません。人生を豊かにしてくれそうなクルマとして、ジャガーFタイプなどは検討に値すると思いますが、100万円台のクルマには全く興味がありません。私のような考えの人は結構多いのではないでしょうか?

  アメリカはシェールガスの産出が始まり、ガソリン車への規制を後回しにする方針を打ち出しました。これは米政府の経済予測がいかに的確かをよく示していると思います。おそらくこの方針の転換により今後も日本や欧州よりアメリカ経済は堅調に推移するでしょう。一方でとある日本のエコノミストが、自動車関連産業など全製造業の3%程度(なのでクルマが売れなくても影響はそれほどない)だと主張していましたが、自動車の普及が消費に与える影響力をまったく考慮にいれていない浅はかなコメントだと思わざるを得ません・・・。




   ↓70~80年代の日本の孤高の成長を支えた道路行政とモータリーゼーションを安易に非難する日本人の無知をアメリカ人の著名コンサルが嘆く・・・。アメリカの現在の成長戦略の原点は30年前の日本にあるとか。
  

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