「プレミアムカー」 と 「ラグジュアリーカー」 は違うものらしい!

  「プレミアムカー」と「ラグジュアリーカー」の違いなんてどうでもいいことなんですが、結構本気で分類しようとしている本があって、これが意外と説得力があり面白かったです。そんなくだらないことをいちいちビジネス本にする人なんて、日本人の頭カチカチのインテリ(高学歴)しかいないわけです。彼らがこよなく愛する「メルセデス・BMW・アウディ」は高等教育を受けた人にしか解らない「学問的価値」があるらしいです。

  私たちが日本車を愛さない理由は、日本メーカーには絶対に越えられない欧米メーカーとの「壁」を感じるからだそうです。「プレミアムビール」や「プレミアムアイス」なら日本メーカーでも作れるけど、「プレミアムカー」や「プレミアムクロック」は無理と言われると、なんだか解らないでもないです。さすがはインテリ知識人だけあってもっともらしい説明を付け加えます。欧州の工芸は「マイスター」という社会的地位の高い職人によって育まれた「芸術」だからそこに付加価値(プレミアム)が発生すると・・・。

  その一方で「キャデラック」や「リンカーン」といった米国を代表する高級車ブランドは「プレミアムカー」ではなく「ラグジュアリーカー」になる・・・なるほど。アメリカではマイスター制度は無く、クルマ作りにおいては世界で初めて「大量生産」に踏み切った歴史がある。ゆえに私たち(日本のインテリ)はその付加価値はあくまで米国的な価値観に過ぎず、日本でもなかなか受け入れられないのは「欧州的価値観」が感じられないからだそうです。なんだかとても説得力がありますね。

  「欧州的価値観」の本質は「質実剛健」なんだそうです。「良いものを長く使う」という消費行動こそが最大の美徳であり、賢者の選択として社会的にも称賛されるものになっています。その一方で「米国的価値観」は(良い意味で)「成り上がり」の文化であり、成功者としての自分を見せつけることが社会的に寛容されているらしい・・・。なんとも「ステレオタイプ」で三流大学の一般教養の授業で話されてそうな眠くなる話が土台になっているなんて!さすがはインテリ!

  でも昔から疑問に思っていたんですよね。日本人は欧州にも米国にも憧れを持つわけです。けど欧州と米国はお互いに無関心ということはないんじゃないかと・・・。BMWなんて米国的な「自由」を求めているのだけど、頭カチカチのファンのせいでうまく身動きが取れなくて窮屈そうに見えてしまうんです。欧州メーカーは自らの出自に誇りを持っているのは確かかもしれませんが、その伝統の中に閉じ篭ることを欲してはいないじゃないですかね。

  音楽が好きなので英国のロックに例えると、その昔1980年ころには「パンク」と呼ばれるバンドがたくさんありました。今でも活動を続けてコアなファンを持つバンドもありますが、同じ時期に登場したパンクバンドの中、アメリカに渡り大成功した「U2」がいました。彼らは欧州の昔からのファンには「拝金主義」と罵られましたが、それでも貪欲に成功を求めました。

  ちょっと解りづらかったかもしれませんが、「欧州=プレミアムカー」、「米国=ラグジュアリーカー」だとしたら、「U2=ポルシェ・BMW」はどちらになるんだ?というのが私の率直な感想です。最新のメルセデス(SやC)を見ると「質実剛健」とはちょっと変わってきたようですが・・・。


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