2019年6月16日日曜日

トヨタRAV4 「トヨタの圧倒的な適応力が冴え渡る」



トヨタの本気
アメリカでは4.5mクラスのSUVがバカ売れしているらしい。日本では中型サイズだけど、アメリカではコンパクトSUVと言われる。その中でももっとも売れているのがトヨタRAV4なんですけど、数世代ぶり?に日本市場にも導入してきました。日本市場には同じクラスのSUVとして5年ほど前からハリアーが導入されているのですが、トップシェアのトヨタとしては、少々ライバルよりも高めの価格設定とはいえ、日産エクストレイル、マツダCX-5と互角の販売台数(決して悪い数字ではない)では納得できなかったようです。


トヨタは負けてはいけない
そろそろケリをつけよう!!とばかりに、RAV4をリーサルウエポンとして投入し、CX-5、エクストレイルを日本市場から一気に駆除するつもりなのか!? ハリアーに限った話ではないですが、トヨタ車は競争が激しい市場では持続性がないのが難点。ミニバン、プリウス、アクアさえ売れていれば十分なんだろうけど、よりライバルが多いモデルでは苦戦が目立つ。レクサスでは全くロングヒットの気配すらない。トヨタとしてもメンツがかかっているのでRAV4がどれだけ日本市場で重要な存在になれるかは注目だ。



まさか・・・トヨタが格上げとは
トヨタの横置きFFシャシーは次々と「TNGA」を使ったものに置き換えられているけど、以前と同じようにカムリ級、プリウス級、ヴィッツ級の3段階のクラス分けが維持されている。日本に久々にやってくるRAV4は、アメリカでは通算で5世代目になる2018年に降るモデルチェンジしたばかりのモデルだ。初代から4代目までは「MCプラットフォーム」といういわゆるプリウス級のシャシーを使っていたが、5代目からはワンランク格上げされてカムリ級の「TNGA・Kプラットフォーム」が使われるようになった。


RAV4とハリアー
RAV4よりも既存のハリアーの方が車格が上だと一般に考えられているけども、ハリアーは北米では「レクサスRX」として発売されていた先代モデルまでは「Kプラットフォーム」が使われていたが、RXと分離されたトヨタブランド用の現行ハリアーは、プリウス級の「MCプラットフォーム」へ格下げとなっているので、シャシーで比べるならば、2000年代初頭とは立場が逆転しRAV4の方が格上になってしまった。マツダのCX-5とCX-8も異なるシャシーを使っているが、ちょうどCX-5=ハリアー / レクサスNX、CX-8=RAV4 / レクサスRXという関係になる。



ホンダとマツダの失策
トヨタがFFの中型車販売において最も警戒しているのはおそらくホンダ、マツダだろう。この両社は2010年頃にリーマンショックからの再建策として設計の合理化を進め、事実上CセグとDセグを1つのプラットフォームに統合する方向で経営再建を図った。個々に評価が高かったシビックとアコード、アクセラとアテンザを同一プラットフォームで作ってしまうという大胆すぎる暴挙に出た。しかし最大市場の北米ではその方針があまり評価されず苦戦を続ける。メルセデスやBMWもFFのCセグ・プラットフォーム車を中国や日本で大量に販売しているけども、北米へはこのレベルのシャシーでは通用しないと考えているようで導入にはあまり積極的ではない。北米で安易にトヨタと同じ土俵に立つことは愚かと考えているようだ。


シビック、CR-V日本凱旋の意味
北米でも日本でも、トヨタでは「MCシャシー」、日産ルノーでは「CMF」がCセグ前後を幅広く網羅するシャシーとして使われているが、ホンダやマツダに対してユーザーが期待することは、おそらくトヨタ、日産よりも走りで明確に上回る性能であったはずなのに、結果的に「MC」や「CMF」をベンチマークしてしまった。当然ながら上級のアコード、アテンザは売れなくなっても仕方ないことだ。反省を生かしホンダはさっそくシャシーを更新し、新たに他社のCセグプラットフォームを大きく上回るレベルのシャシーと開発し、これを採用してフルモデルチェンジをしたシビックとCR-Vを相次いで日本へ復帰させた。実際に新旧のシャシー性能の違いはかなり大きく、旧型を使うジェイドと新型を使うインサイトでは走りの印象がだいぶ違う。


マツダの大胆戦略
マツダも2019年以降に発売のモデルから順次新しいプラットフォームへの置き換えを明言している。ホンダの戦略に丸乗っかりしてCセグDセグを統合した2012年からの「スカイアクティブ世代」の方針を見直し、再び挑戦者として新しい価値を生むことに集中すべく、さらにトヨタとのアライアンスによって経営上のリスクを軽減した上で、メルセデスやBMWのようなFFとFRの2層構造を基本とすることになった。まあ見方によってはトヨタを中心とする株式持合グループ内に「第二のレクサス」を作り、グループ全体の付加価値向上とプレミアム市場でのシェア確保を狙っているようだ。トヨタのさらなる世界戦略に組み入れられたともいえる。


CR-Vは早くも戦意喪失!?
ホンダ、マツダの方針転換に合わせてトヨタも「TNGA・Kプラットフォーム」の細部を煮詰めて想定する性能を定め、ホンダ、マツダのレベルに合わせて市場で十分に競争力を確保するべく、主力SUVであるRAV4のシャシーを格上げした。新たに投入される日本市場では車名にあまり馴染みがないということもあり、新規顧客を獲得するために価格が目一杯抑えられている。トヨタがここぞで繰り出すダンピングだ。北米で24000ドルのRAV4が日本でも260万円で買える。AWDモデルも283万円〜で、CX-5の価格に合わせた格好だ。ホンダは新型シャシーの余裕の性能でハリアーの価格(320万円〜)をターゲットに昨年にCR-Vを日本復帰させたが、そこにすかざすRAV4を送り込んで目論見をあっさり打ち砕く冷酷無比なマーケティング戦略・・・。


高度なディファレンシャルは必要か!?
日本の自動車メーカーのマーケティングにケチをつけるわけではないのですが、若い世代とかどのクルマを選んでいいかわからない人々の受け皿としてSUVはある。選ぶユーザーの視点は甘い。しかし三菱、日産、マツダ、スズキ、スバルなどはAWDのディファレンシャル技術という、前後左右の駆動をコントロールし、コーナリングやスリップ時の回転差やトルク配分を適正化させる機能を開発を競っている。スポーツカーじゃないんだからさ・・・。ホンダのようにNSXやレジェンドに搭載するのが理にかなっていると思うのだけど、SUVに専門技術的なウンチクを混ぜて素人に売りさばけばいい!!なんともオッサン社会の自動車メーカーらしい頭の硬さをヒシヒシと感じる。


トヨタは潰すべき相手を見定めている!?
そんなギーク一辺倒なオタク・メーカーとは一線を画し、柔軟性を持ち味としてきたトヨタですが、新型RAV4のAWD車ではこれまでのトヨタのイメージを覆すように、前後左右のディファレンシャルや、トルクベクタリングを大々的にアピールしています。やはりトヨタによる「他社モデル殲滅作戦」は隙がないなー。いまいちRAV4の拡販に自信が持てなかったのだろうか!?もう一手間やれるべきことの手を打っている。とりあえずスバル(フォレスター)とスズキ(エスクード、SX4・Sクロス)は、RAV4に対して価格以外に大きなアドバンテージは見出せなくなった。日産には日本に未導入で他のメーカーが実用化していない可変圧縮比エンジンを搭載したインフィニティQX50という日産のFF中型プラットフォーム(CMF)を使ったモデルがあるからこれを日本へ導入するかもしれないけどあくまで噂話でしかない。そしてマツダCX-5にはディーゼルという飛び道具が残されている。アライアンスの仲間としてCX-5は見逃すけど他は全部潰す・・・ってことだな。


















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