2019年6月20日木曜日

ホンダe 「匣体」デザインのリバイバル!?


ホンダデザインの反撃
ホンダのBEV(ピュアEV)が年内に日本でも発売される見通しらしい。EVとしてすでに2世代目に入っていて完成度も高く月に1000台以上を軽く売ってしまう日産リーフがほぼ独占する日本のBEV市場にホンダが新型モデルで勝負を挑む。リーフの航続距離には及ばないようだけども、こだわりのデザインだけで十分に挽回可能じゃないか!?という気がする。この不思議と温もりを感じる「匣体」ボデーは未来でもあり伝統でもある。

 

動物トレンド・・・
日産リーフのデザインには何も感じないのだけど、かつての日産はこのHONDA e のようなデザインが得意だった。あらゆる小型車デザインのバーションは、偉大なるカルロス=ゴーンの日産から生まれた。スイフトもデミオも・・・日産の過去のデザインに大いにインスパイアされている。動物のような目をした小型車デザインは、日産の中村史郎というカリスマデザイナーがその著書で力強く主張している。先代のマーチや現行キューブのような小動物デザインをモチーフにした「ナカムライズム」はスズキやマツダのデザイナーによって受け継がれている。


中村デザインはマーケティングの主流ではない!?
小動物デザインの最大の弱点は、とても女性ユーザーを意識したクルマであると認識され、結果的にそれほど売れないこと。女性には人気か!?というとそーでもない。身も蓋もない言い方をしてしまえば、女性の多くはパッソよりヴォクシーのデザインに、スイフトよりもソリオのデザインに惹かれるらしい。パッソやスイフトに乗っている人を見てみればわかるけど、見た目がオッサンだかオバさんだかよくわからない人が乗ってたりする。クルマの設計とか素性とかを考慮せずに言ってしまえば、パッソやスイフトを選ぶ人はデザインにおいては少々センスがないんじゃないか!?(失礼)。


女性活躍社会・・・
本来女性は身だしなみにとてつもなく気を使う。身だしなみがヤバい女性は、特別なキャラが成立していない限りは、一般社会で「ダサい」というレッテルを貼られる。身だしなみに気を使う女性ほど、アウトドア志向でありアグレッシブにバイクを趣味としていたり、クルマには自分のファッションとは違う独立したキャラクターを求める傾向にある(あくまで仮説です悪しからず)。


ライフスタイルに過度なデザインを求める時代
身の回りに置く家電製品や家具、食器、グラスそれから本棚に並べる本の装丁まで、あらゆるデザインが自分のライフスタイルの中で統合的な調和が求められる。タワーマンションの内装デザインや、住む街の通りの構図、気分転換にふらっと訪れる絶景スポット・・・あらゆる調和。「ホンダe」も違和感を抑えつつハイセンスなライフスタイルへの調和をテーマに掲げている。街並みがキレイな欧州と日本が最初の販売先になるようだ。


3層構造のデザイン
自動車を自分の周りの環境の一部とみなす人もいれば、自分にとって最も愛情を注ぐ対象であり愛すべき相棒であると考える人もいる。デリカD5のイカツイ表情のモデルが一定の人気を得るのは、風景に埋没するクルマでは物足りないと感じる後者が存在するから。ホンダeは一見、環境に溶け込んでいるように見えるし、中村史郎さんが提唱した「動物的表情」も持っている。しかし10年前に日産が考え尽くしたレベルのデザインで完結していない。最初に書いたけども「匣体」が持つ不思議な魅力に惹きつけられる人もいるだろう。



「匣体」はクールだ
これだけの「匣体」の傑作デザインがあるけども、当代の自動車デザイナーたちのエゴで中型車のリバイバルデザインは封印されている。小型車の設計を使ってお遊びの企画ならできるけど、500万円以上するモデルではどこも決断できないようだ。クラッシャブルボデーで、芸術的な曲線を描くことがクルマの価値にどれほど貢献するのだろうか!?80年代のプレス技術で十分に再現可能な直線的な断面で囲まれたボデーの力強さこそが、所有欲が希薄になっている草食系の意識を大きく変えるきっかけになるんじゃないか?


デザイン大好きメーカーの死角
蛇足かもしれないが、他の日本メーカーや輸入メーカーに対して上から目線のデザイン論をカーメディアを介すことなくダイレクトに伝えてくる広島系メーカーのデザインは、このメーカーが50年以上にわたって育んてきた「美の哲学」が結実していて非常に力強い。他のメーカーは完全にコケにされた格好だが、ホンダeが辿り着いたように自動車業界の共有財産である「匣体」のモチーフを広島系メーカーは得意としていない。これからも取り入れることはないだろう。ホンダeが欧州と日本で異例のヒットを遂げれば、自動車デザインの趨勢を変える大きなポイントになるかもしれない。


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