2016年6月3日金曜日

エンジンでクルマを選ぶならば・・・

  せっかくクルマを買うならば、「良いクルマ」を選びたいですよね。できれば「名機」と讃えられるようなエンジンを積んでいて、「芸術」と称されるデザインでボデーが包まれ、「人間工学」に優れた機能性を有しているいわゆる「名車」がいいな。そしてそれがどんな場所で、どの市場のどの階層を目的として作られているのか?なんてのも気になります。

  最近のクルマは雰囲気だけで値段が決まっていることもあって、400~500万円くらいする国産では高級に属する部類のモデルのエンジンが、中国の工場で組み付けられていたりします。他にもドイツのプレミアムブランドと日本のプレミアムセダンに併用されている直4ターボエンジンが組み付けられているのはアメリカの工場です。グローバルで年産100万台くらい作るメーカーでないと、廉価な量販車を一定の品質で開発することは難しいようですが、大規模な工場でも年産30~40万台くらいですから、トヨタやマツダのように国内拠点をクラスター化しているメーカーでも車種によっては海外組み立てモデルを輸入するケースもあります。

  国内販売モデルの車種を確保するために、スズキはハンガリーとインドからグローバルモデルを導入しています。最近では排気量である程度はどこの地域で作られたクルマかがわかるようになっていまして、0.9~1.2Lくらいの小排気量はアジアと東欧、1.4~1.6Lくらいだと西欧、1.8~2.4Lだと北米といった感じです。2.5L以上になると大抵の地域で高級モデルと位置づけられているようです。

  日本では軽自動車を除くとHV車の割合がかなり高くなっていて、単純に排気量だけで車格を判断しにくくなってますが、「アジア・東欧」が100万円台、「西欧」が200万円くらい、「北米」が200~300万円台と階層化しつつあります。VWでいうと、up!が150万円で「アジア・東欧」基準で、ゴルフオールトラック(1.8Lターボ)やゴルフGTI(2Lターボ)は350万円で「北米」基準で適正価格化されてますが、ポロの(200万円)やゴルフのトレンド/コンフォート(250万円)は「アジア・東欧」、ハイライン(325万円)は「西欧」の基準で考えるならばやや高価?かもしれません。

  それぞれの排気量別クラスにおいて、定評のあるエンジンとは?
「アジア・東欧」クラスでは、やっぱり大衆車の有名ブランドが強いです(断言)。まずはスズキの「K10」&「K12」ですが、3気筒1LのK10よりも4気筒1.2LのK12の方が「デュアルジェット」というこのクラスの決定版的なスペシャル高効率タイプのものがあって先進的です。クールドEGRを使って圧縮比を「12.0」まで高めています。これはVWの汎用EA211の「10.5」など世界のこのクラスの有力なエンジンと比べても異例の高さを誇ります。

  唯一「K12」と同等の性能(圧縮比)を持つ小型車エンジンが、マツダの「P3-VPS」通称:1.3LスカイアクティブGで、こちらも現行量産タイプで「12.0」となっています。先代モデルに使われた試作の「P3-VPS」は電動VVTという強烈な飛び道具が付いていて「14.0」という驚異的な数字でしたが、さすがにマツダのコストに合わずにトヨタのV8くらいしか採用例がない電動VVTはキャンセルされました。しかもマツダのエンジンは自然吸気にもかかわらず「直噴」なので・・・少々難点を言えば排ガスが汚いです。なので心理的にもスズキのインジェクタータイプ(ポート噴射)の方が心理的にも良好です。マツダのスカGよりも60cc少ないにもかかわらず、出力はほぼ同じですからスズキの小型車エンジン技術の高さが伺えます(VWが提携してまでパクろうとするのもよくわかる)。

  実はこのスズキとマツダの4気筒「12.0」の前に大きく立ちはだかる「世界最高峰の小型車エンジン」があって、作っているのはもちろん世界のエンジン屋・ホンダです。「L13B」というフィットに使われる1.3L4気筒の自然吸気エンジンの圧縮比は脅威の「13.5」です。しかもポート噴射タイプなので排ガスもキレイです。BMWだってアルファロメオだってまず勝てないであろう、世界最高のエンジンが搭載されているフィットの最廉価グレード車・・・。「HVに比べて燃費が悪い」やら、ミラーサイクルなので「Vテックの噴けとまではいかない」などなど悲し過ぎるコメントに押しつぶされてしまっている悲劇の名機です(一度お試しあれ)。

  もちろんエンジンに関してはどこにも負けない!!!という闘争DNAがまだまだ受け継がれる日産からも、「HR12DDR」というスペシャルエンジンが開発されています。こちらは直3スーパーチャージャーというなかなかマニアックな仕様です。過給器付きエンジンにも関わらず「12.0」の圧縮比を確保している辺りが、さすがは日産です。過給器付きですから直噴ですので排ガスは・・・。現行ではノートの上級グレードに使われていますが、これに日産の系列ミッションサプライヤーである「愛知機械工業」のMTが組み合わされたモデルがあればいいですけどね。前述のスズキ、マツダ、ホンダはMTで楽しめます。

  トヨタのヴィッツはどうなのか?・・・2012年に登場したホンダの「L13B」に遅れること3年。トヨタも執念で「13.5」の小型車エンジンを出してきました。型式は「1NR-FKE」という1.3Lの自然吸気でクールドEGR、アトキンソンサイクル、VVT-iE(可変バルブタイミングですね)などなど、ホンダをパクったかのような全部載っけ仕様です。開発を請け負ったのはもちろん傘下のエンジン屋で知られる「BMW」ではなくて「OMW」の方です。「Bayerische Moteren WerkeAG」ではなくて「Osaka Moteren WerkeAG」ことダイハツです。

  ダイハツはすでに「11.5」の圧縮比の「1KR-FE」というエンジンをチェコにあるトヨタとPSAの合弁会社で作られるモデル(トヨタ・アイゴ/プジョー107/シトロエンC1)に供給してましたが、この「1NR-FKE」はしばらく海外には出さずに秘密裏に研究を進めるようです。ハイブリッドやディーゼルもいいですけども、日本の小型車の本当にスゴいところは自然吸気のガソリンエンジンにあると思うんですよ。同クラスの輸入ブランドがいくら頑張っても「アジア・東欧」クラスではまず勝ち目がなさそうです。

  よくアホな評論家がこのクラスの輸入車を意味不明に褒めたあげく、日本車と違ってエンジンにカネが掛かってる!!!とかほざいていますが、どこをどう切り取ったらそういう解釈ができるのか理解に苦しみます。輸入車メーカー(&マツダ)がコストダウンばかりに目を奪われずに、ポート噴射で排ガスがキレイで、熱効率が40%!?といった建設的な視点でエンジンを作るのはまだまだ先なんじゃないですかね・・・。まあ輸入車なんてそんなもんです。

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