2016年6月30日木曜日

改めて「1.8~2.4Lクラス」のエンジンについて

  小型車エンジンと比べて刷新のサイクルが遅いように感じるのが中型車エンジンです。たとえば1.8L~2.4Lの直4はトヨタも日産も化石のような古いエンジンのままです。なぜ開発そのものが放棄されてしまうのか? 日本で最も売れている中型車は、もう断トツでトヨタ・プリウスになるわけですが、つまりこのクラスのパワーユニット常識がすでにHVに移行してしまったことで、トヨタも日産も古いエンジンをベースに長年ハイブリッドシステムを開発してきたことから、安易な仕様変更ができないみたいです。

  今後は例外なくHVにどんどん置き換えられていくであろう中型車向けに、わざわざ自然吸気あるいは過給のエンジンを新規に開発するメーカーが少なくなってきたようです。HVに対して慎重な姿勢のスバルやマツダも2L4気筒にそれぞれハイブリッド化されたタイプが存在しますし、どういう因果かどちらも現行エンジンはあまり好印象ではなかったりします。これまでコスト管理がしっかりできている良質な日本メーカーの中型車エンジンは、海外の少量生産を行うスポーツブランドを支えてきました。有名なところではロータスがトヨタからエンジンの供給を受けています。

  先日行われたルマン24時間は劇的な幕切れでしたが、ポルシェやトヨタとともにLMP1クラスに参戦したチームはアウディの他に「レベリオン」と「バイコレス」がありましたが、この2チームにエンジンを供給していたのがAER(Advanced Engine Research)というエンジニアリング会社です。このAERは大手メーカーのエンジンをベースにレース活動するチームにエンジンを供給するエンジンサプライヤーですが、AERがこれまでにベースとしてきたエンジンは6気筒が日産製(VQシリーズ)、4気筒がマツダ製(MZR)です。

  AERが採用しているからこの2つのエンジンがそれぞれ6気筒と4気筒の頂点だ!というのは少々強引かもしれませんが、どちらも日産、マツダがそれぞれ「スポーティ」を意識して仕上げた「噴け上がり」重視の相当に気合の入ったエンジンです。エンジンシリンダの「長さ(ストローク)」より「直径(ボア)」が長いエンジンを一般にショートストロークと言いますが、どちらもこれに該当します。排気量に比してストロークが短いわけですから、物理的に回転数が上がりやすい設計になります。ただし燃費にとっては不利な設計です。どのエンジンなのか?簡単に言ってしまうと、先代のフェアレディZ(Z33系)に使われていた3.5L自然吸気と、これまた先代のロードスターに使われていた2L自然吸気です。

この手の設計のエンジンは欧州ブランドの方が多く採用しているイメージがあるかもしれないですが、AMG、フェラーリ、ポルシェが相次いでターボ化するなど、ショートストローク自然吸気エンジンは、限られたブランドのものだけになりました。今ではアウディR8とランボルギーニそれからアストンマーティンなど高額モデルに限定されます。メルセデスにはまだギリギリでV6のショートストローク自然吸気が残っているようですが、まもなく消滅する見込みです。

  残念ながら日産のVQ35(スカイライン、フーガ、Z、エルグランド)もマツダのMZR(アテンザ、アクセラ、ロードスター、プレマシー)もいまでは新型車への搭載は行われなくなりました。VQ35は以外なところで日産製の「救急車」に使われています。マツダMZRは2.3L版がフォードマスタングに、2L版がジャガー・ランドローバーでいまでも現役です。さらに英国のスポーツブランドで日本でも正規販売が行われているケータハムの最速モデルである「R620」にMZRの2Lスーパーチャージャーが使われています。来年の復活を目指すアルピーヌにも使われるという噂が・・・。

  マツダのMZRが一部のスポーツモデルだけのオカルトエンジンになっている現状を考えると、現役の2L前後の4気筒エンジンで最も素晴らしいフィールを持つのは、アルファロメオの1750TBという1.75Lターボのユニットになりそうです。こちらもMZRと並んでショートストロークを採用しています。そしてその次に来るのが・・・やっぱりBMWのN20ですね。BMWの歴代に比べれば凡庸なのかもしれないですけど、同じクラスで比べるならば相対的に上位が占められるユニットであることは間違いないです。スバルのFA20(86やBRZ用エンジン)はどうか? このエンジンが利するところはパフォーマンスよりも水平対抗によるサイズですから、より小さいサイズのクルマに積むならアドバンテージはありそうです。

  もっともこの順位付けは量産エンジンを対象にしたものであって、例えばルノースポールの「F4Rt」やAMGの「M133DE20」といった思いっきりスポーティに振ったエンジンは対象外にしています。スバル、ホンダ、ポルシェなどにも同様のエンジンはあります。・・・結論として量産汎用エンジンとしては①マツダMZR、②アルファロメオ1750TB、③BMW N20、④スバルFA20、⑤ホンダKシリーズ(国内はオデッセイだけ!!!)⑥日産MR20DD(登場から10年以上が経過したロングランモデルです)・・・異論は当然にあるでしょうけども、私がエンジンから指名買いしたくなるのがこの6つです。(スカイアクティブは・・・ダメ。マツダは早く目を覚ませ!!!)


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