2016年2月1日月曜日

200万円台・第2位 プリウス!!!

  まだ発売して間もないので、今後はいろいろな不具合が噴出してレビューされるかもしれないですけども、これはなかなか「とんでもないクルマ」が出てきたと思いますね。もちろんいい意味で! 

  2013年にVWゴルフ(7代目)が大きな話題になりましたが、愛知県にあるトヨタの研究所で極秘にゴルフがたくさん分解されている!みたいな業界のウラ情報が結構ガセが多い某クルマ雑誌に書かれていましたが、どうやらそれに関しては本当だったようです。今回、トヨタから発表されている新型プリウスの技術概要を見ると、スタンプ材(超高張力鋼板・ホットプレスなど呼称は複数あります)を基本骨格とするであるとか、レーザー面溶接を使うであるとか、2年くらい前に話題になったVW自慢の車体技術を余さずフォローしているのがわかります。

  当時はVW陣営から「プリウスからの乗り換えが多い!」といった情報がリークされるなど、完全に挑戦状が叩き付けられた形になりました。しかしこういう時(身の程知らずがナメてきた時!)のトヨタはかなり本気でやる事が多くて、これまでもしばしばホンダや日産が血祭りに挙げられて痛い目に遭ってきました・・・。それにしても先代からの振り幅が大きい!スーパーFMCですね。もはや廉価HVで片付けられるシロモノではないと思います。

  まさかプリウスが、「車体剛性を高める=走行性能・衝突安全の向上」に邁進する高品質車の新しいスタンダードの先頭グループに入るとは・・・。ドイツや日本のメーカーは、これまで培ってきた技術力を生かして新興国のメーカーに差をつけるクルマ(付加価値の高いクルマ)作りへと舵を切りつつあって、VWやマツダなど従来は大衆ブランドとされていたところが、いち早くこの流れに乗って業績を伸ばしました!

  クルマの付加価値にはいろいろなファクターがあるのですが、近年はビッグサプライヤー(大手部品メーカー)が、クルマを研究して自動車メーカーへと提案する時代みたいで、メーカーが価格を上げてでも「いいクルマを作る!」と決断しさえすれば、高級車で実績があるザックス、ビルシュタイン、ZF、ゲトラグといった確かな技術力を持つドイツ系サプライヤーがすぐに協力してくれるようです。それらに対抗するKYB、ショーワ、ジャトコ、アイシンAWといった日本メーカーも控えています。それでは自動車メーカーは何をするのか?というと、これらの高性能部品を高い水準で使うためには「高剛性」な車体を作ることが要求されます。エンジンに負ける、タイヤに負ける、サスペンションに負ける、ミッションに負ける・・・シャシーではダメだ!とこれまで数々の日本車が叩かれてきました。(シルビア、IS-F、スープラ、ソアラ、セリカ、レビン、MSアクセラ、RX7・・・)

  ドイツ勢と日本勢そしてボルボなどは、新たな車体設計のスタンダードとして使用する鋼材を約900℃の熱であぶりながら成形する「ホットスタンプ(ホットプレス)」という方法を多用するようになりました。ただし従来の「冷間成形」よりも割高なコストなので、その負担を少しでも軽減するために、複数の車種で「ホットスタンプ材」を使用する部分の共用化から新設計共通シャシーへの流れは既定路線になりつつあるようです。「MQB」(VWグループ)「TNGA」(トヨタグループ)「EMP2」(PSAグループ)「スカイアクティブシャシー」(マツダ)など各グループは「新たなスタンダード」を掲げていて、今後はラインナップのほとんどの車種が高性能シャシーを採用した「クオリティカー」になるんだとか。

  しかしこれには残念ながら落とし穴があって、日産やホンダなど新興国市場に次々に生産拠点を移しているメーカーでは、日本に製造拠点がある鉄鋼メーカーからの鋼材の供給で不利になるなど採用が難しい部分もあるようです。例えば中国での現地生産ならばここ10年で頭角を現してきた中国鉄鋼メーカー群から供給を受けるのが自然ですが、ホットスタンプ材の安定供給はまだまだ難しい部分があるようです。実際に新設計共通シャシーを使う4つのメーカー群の中で、現地生産比率が圧倒的に高いVWは、思うようにコストが下がらずに営業利益が圧迫されていると報道されていました。

  日本での生産台数の維持を声高に掲げるトヨタとマツダにとっては、この新設計共通シャシー採用車の注目度が高まることは追い風となりそうです。爆発事故という思わぬ形で名前が知られた愛知製鋼・知多工場ですが、日本車の強さの秘密はこのような系列の鉄鋼会社の存在にあります。今回の事故で特殊鋼材の供給がストップしてトヨタのラインが1週間程度止まるらしいですが・・・。またトヨタ、マツダと並んで国内生産比率が高水準にあるスバルも、技術概要をあまり開陳しませんが、主力車種の設計はかなり高いレベルで共通化されています。前後のサスペンション形式がブランド内で全て統一されているメーカーは一定以上の規模だとおそらくスバルだけだと思います(FRのBRZまで同じ!)。

  ちょっとわかりにくい話になってしまったかもしれないですが、「新設計共通シャシー」を使ってドイツ、日本、フランスなどそれぞれの本国工場で集中的に作られるクルマは、世界の乗用車の中でも非常に高い水準にあると考えられる!ということです。「車体剛性」を上げるため(安全のために)には、戦車のような厚い鋼板を使えばいいわけですが、燃費向上のためにHV化が推進されているのに、車体重量の増加してしまっては本末転倒です。スタンプ材やレーザー溶接によって、これまでにないような軽量化を実現しつつ、車体剛性を上げるという「ブレイクスルー」によって飛躍的にクルマが良くなったということです。

  ノートパソコンに例えると、これまでは重くて大きいHDD(ハードディスク)を積む必要があって、モバイルとしての価値が低かったものが、数年前からSSD(フラッシュメモリー)を積んだものに変わり、「軽くて・薄くて・壊れにくい」という大きなイノベーションを起こしましたが、クルマにとってのスタンプ材の採用はちょうどそれに近いと思います。今では電気屋でパソコンを買う人は少数派だと思いますが、「HDD」のパソコンと「SSD]のパソコンがあって、当然に「SSD」の方が割高なんですけど、その使い勝手の良さから圧倒的に選ばれます。これと同じで試乗してみたら圧倒的にいいから選ばれたのが、スタンプ材を使ったシャシーをいち早く製品化したVWとマツダだったということです。

  そんな「スタンプ材シャシー」の高品質車カテゴリーに、トヨタ屈指のベストセラー車プリウスが満を持して参入してきました。しばしばトヨタの技術を疑問視する声がありますが、あのBMWが頭を下げてトヨタの軽量化技術の提供を求めてきましたし、その技術によって大幅な軽量化を実現した7シリーズ(BMWの最高級車)も発売されました(7シリーズは大きいプリウス!というのは語弊があるでしょうけど・・・)。もちろんBMW、トヨタ、VW、マツダが同じ設計というわけでもなく、同じ乗り味ということでもないですが、乗用車の設計で使える常識の範囲内で、同じ方向性のブレイクスルーを果たしたのは確かです。

  トヨタが総力を上げて行ったダイナミックな改革を経て、「入門用高級車」みたいな立ち位置になったプリウス。それで価格は200万円台を維持している!というだけでも素晴らしいことです。それではなんでこのクルマが1位じゃないのか? カタログを一通り見た人なら気がつくでしょうが、このクルマには「別売りパーツ」が大きく分けて3つあるのです。最上級の「プレミアムA」にはその中の1つである「本革シート・パワーシート・シートヒーター」が付いてきますが、価格は340万円まで跳ね上がってしまします。さらに「ナビ」が完全に別パッケージなのに加えて、もっとも気になるのがホイールです。なんでエコカーなのにスチール(鉄チン)なの?(申し訳ない!アルミでした!) しかもホイールカバーが超絶ダサい・・・。

  ある評論家が書いてましたが、今やスチールもアルミも製造コストはほとんど変わらないので、特段の理由が無くスチールホイールを標準にする必要はないそうです。上級グレードでもスチールになっているなんてもはや理解不能です。狙いはハッキリしていて、約30万円するホイールセットを売りたいのだと思います。モデリスタとTRDというトヨタの純正パーツブランドからそれぞれグッドルックなホイールが発売されてます。

  トヨタの戦略にみすみす乗って「プレミアムAツーリング」に純正ナビと純正ホイールを律儀に入れると乗り出し価格は430万円くらい? クラウンの価格帯に完全に踏み込んでますし、マークXなら3.5Lモデルに手が届きます!!! 3シリーズなんて乗りだし400万円以下もあるとか・・・。あるいはアテンザXDのLパケも可能です。まあ先代までのプリウスならば「とんでもない!」と一蹴したいところですが、400万円のプリウスもいいんじゃないか?と思えてしまうくらいに、今回のプリウスは魅力的ですね・・・。ぜひ一度お試しください。

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2 件のコメント:

  1. プリウスのホイールは、最下級「E」でもホイールキャップ付アルミホイールが標準装備では!?

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  2. 間違えてました。ありがとうございます!

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