2015年6月14日日曜日

比較的安全な小型車は・・・ルノー・ルーテシアらしい

  北海道でとても恐ろしい交通事故がありました。時速100kmでの「信号無視突入」はたしかにとんでもなく酷いですけど、実際にそんなシーンを1年に1回くらいは見かけます。交通マナーが悪いという大阪、名古屋だけでなく首都圏でも結構多い(他県ナンバーいますから)ので、交差点進入時には青信号といえどもくれぐれも注意しなければと思います。横から突っ込まれるってのはどんなに安全なクルマでも嫌ですね。日本・米国・欧州のNCAPですべて5つ星を獲得しているようなクルマでもほぼ例外なくサイドからの衝撃には弱いです。側面剛性にもこだわるなら2ドア(クーペ)や3ドアハッチバックという選択もありそうですが、実際にそういったクルマでも動画を見るとあっさりとサイドパネルが突き破られているので、とりあえずあまり期待できそうにないです。

  実際にNCAPの検査項目は、いわゆる壁などにつっこむタイプの「自爆」型が多いので、スコアが低くても無茶な運転さえしなければあまり気にすることは無いような気もします。しかしできるだけ安全なクルマが欲しいとすれば、他に特に頼れるデータもないので、とりあえず乗員保護でフルラップ・オフセットで全て最高評価(★5つ)を獲っているクルマの中から選びたいですね・・・私は相当のビビリなので、購入前にはかなり念入りにチェックしています。あれこれ見ていると意外な車種が対象からこぼれ落ちるもので、あのVWゴルフがアウトでした。現行モデルではフルラップに関して「運・助」ともに★4つに留まっています(これは結構マズい結果でゴルフオーナーが見たら発狂するかも)。

  ゴルフがダメならいよいよ「Cセグ以下は全滅か?」というと決してそうでもなく、これまた意外なことに「トヨタ・カローラルミオン」と「レクサスCT200h」という伏兵が見事にクリアしています。カローラルミオンは、ヴィッツと共通シャシーになった現行カローラとは違って古い設計で、オーリスと同じものを使っています。サイズにもちょっとゆとりがある(ルーフも高い)ことからも好結果につながっているかもしれません。レクサスCTも同じオーリス型シャシーですが、こちらは見るからにボンネットの張り出し感がオーリスとは違いますし、フロント部分でのスペースの余裕がクッションになっているのが大きいようです。ちなみに余裕のクリアが期待された「インプレッサ」はゴルフ並みにダメダメですし、ライバルの「アクセラ」もまた1項目だけ★4で個人的には「落第」です。アクセラは見るからにデザインを優先していて、やや前方にツッコミ過ぎたコクピット位置が災いして先代よりも評価が落ちているように思います。

  そしてルミオンとCT200hよりもビックリなことに、「スズキ・スイフト」、「日産・ノート」、「マツダ・デミオ」の小型車(Bセグ)3台が見事にクリアしています。ゴルフよりも下のクラスでVWだとポロに相当するBセグ車が「達成」していることに驚きです(ただしデミオの先代はダメダメでしたが)。ちなみにVWポロもJNCAPに参加していて、ゴルフ同様にフルラップが運・助ともにやや弱い(★4つ)と判定されています。そしてこのクラスの日本でのベストセラーであるアクア、フィット、ヴィッツの3台もポロ同様にダメでした。トヨタ、ホンダ、VW・・・営業や広告にばかりカネを使ってないで、もっと安全面で頑張らないとダメじゃないですか? 

  マツダもスカイアクティブ以降になってブランド発信のためにかなり広告費を増やしてますけど、デミオに関してはFMCで血も涙もないくらいに値上げを断行したので、その分しっかりと安全なクルマになっているようです(一方で安全性能が落ちた?アクセラのFMCによる値上げは何に還元されたの?)。あとフェアな立場でお伝えしておきますが、ホンダが最近発売したBセグセダンの「グレイス」はクリアとまではいきませんでしたが、ゴルフやポロを上回る水準まで乗員安全性を上げてきました。フィットに比べて高めの価格設定ですが、安全面で十分に元が取れると思います。ハッチバックとセダンでは間違いなくセダンの方が安全なので、ボディタイプによる恩恵も大きいかもしれません。米国・中国・東南アジアでトヨタとマツダが販売を進めている「デミオ・セダン」(トヨタはOEM)を日本で売ってもいいかもしれません。

  いくらJNCAPが判定したからって、VWゴルフよりも日産ノートの方が安全だなんて信じられない人もいると思います。同じハッチバックボディで、かつゴルフはCセグ3ナンバーで、ノートはBセグ5ナンバーですし・・・。他に判断材料はないかと探すと、海外のYouTube動画には衝突実験が大量にあるのでゴルフのものはたくさん見つかるのですが、国内専用車になっているノートは出てきません。ちなみにゴルフは「自爆」にはそこそこ強いですが、ピックアップや大型SUVとの衝突では「致命傷」に至るというケースがほとんどで、どうもCセグでも小振りなボディが大いに災いしています。クラッシャブルなスペースで衝撃を吸収することが重要なので、耐衝突性に関しては全幅よりも全長がポイントかもしれません。全長4199mmのゴルフと4100mmのノートの差は約10センチ! しかも車幅はゴルフの方が10センチ以上広いですから、素材や設計を考慮に入れないでサイズだけで判断するならばなんとなくノートの方が耐衝撃性は高いような気がします。

  何とかゴルフとノートの安全性について、一定の結論がほしいと思いあれこれ見ていると、出てきました「ルノー・ルーテシア」。このクルマはルノー日産の共通設計を使ったノートの兄弟車です。欧州と日本では走行環境が違い、ユーザーの嗜好も違うということで、ルーテシアには3気筒ターボが使われ、ノートには4気筒のNAもしくはスーパーチャージャーが使われます。欧州で信号がほとんどないハイウェイを定速走行するなら3気筒ターボが有効で、日本のような「信号地獄」を走るなら自然吸気かスーパーチャージャーが適しています。しかも静粛性を好む日本のユーザーには4気筒の方がベスト!なんてマーケティングもされています。なかなか芸が細かいです(カーメディアはこういうところをしっかり伝えろ!ボケ!)。

  そして本題に入りますが、ルーテシアなかなかすっごいですよ!ゴルフ7ではボルボXC90とのオフセットで完全にキャビンぺしゃんこになって「生存絶望」が誰の目にも明らかだったのですが、ルーテシアは何と!XC90のキャビンにめり込んでいくくらいの「甲殻類系キャビン」になっています。まさかのボルボXC90に逆に致命傷を負わせています。どんなトリックがあるのかわかりませんが、とりあえず目を疑うしかなかったですね・・・ルノー日産ってスゲ〜な。

  2013年の終わり頃に発売された「モーターファンイラストレーティッドvo.87」で、ボディ剛性を自慢するメーカーが開示したデータを付き合わせた特集が組まれていました。当時、話題のクルマだったMQB設計のゴルフ7/アウディA3の設計図と、各部の高張力鋼板の数値(MPa)が示されていました。再び見てみると「A/B/Cピラー部」には1GPa超のホットプレス鋼板が使われていて、スモールオフセットの結果が良好な理由がなんとなく判ります。VW/アウディ下位モデルであっても、BMWやメルセデスを十分に衝突安全性で上回れる水準であることを意気揚々と示すデータです。しかしMQB自体が軽量化を追求していることもあって、それ以外の部位は300MPa超程度の鋼板で主要部位を作ってありました。

  同じ特集には他にボルボ、スバル、ホンダ、マツダ、日産、ランドローバーといった耐衝撃性自慢のメーカーばかりが集結しました。その中で、1.2Gpa超あるいは1.5GPa超といったとんでもないレベル(VWを完全に凌駕するレベル)の鋼板をこれ見よがしに使っていたのが日産(スカイライン)とマツダ(アテンザ)でした。一方でボルボ、スバル、ホンダはというとVWと同等くらい(BMWやメルセデスには勝てる?)でした。いくらVWがBMWやメルセデス相手に鋼板の強さを主張したところで、世界の鉄鋼技術の頂点にある日本の大手鉄鋼メーカー(鉄のプロ)が、自ら新設計を自動車メーカーに提案する文化が根付いているわけですから、日本メーカーを上回るのは難しいと思われます。そういえば北米で抜き打ちのスモールオフセットの衝突テストが始まったときも、「good」を獲ったクルマのほとんどが日本車でした。

  まあ何を信じるかは、人それぞれ違うかもしれませんが、マツダ(アクセラを除く)とルノー日産の最近のクルマは乗ってみた感触で良さそうだなと感じます。静音性などのレベルも非常に高いですし。VWの名誉の為に言っておくと、日本に上陸している輸入車で堂々とJNCAPに参戦して、日本車の平均値に近い数値を出しているのはゴルフとポロだけです。ほかの参加した輸入車は3台で「アウディA1」「BMW X1」「フィアット500」ともに日本車の水準をかなり下回る結果になりました。VWだけが日本車の耐衝撃性に近いレベルにあるといってもいいかもしれません。地元のユーロNCAPでも悲惨な結果のメルセデスA/CLAがJNCAPに参加したらどんな結果がでるのでしょうか? 最近はやたらと無謀な運転が目立つのがこの2台ですね・・・。


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2 件のコメント:

  1. http://response.jp/article/2014/03/13/219080.html

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  2. JNCAPの「乗員保護性能評価」に基づいてストイックに書いただけです。
    悪しからず。アクセラは先代の方が遥かに優秀。
    約7割のクルマが新型アクセラと同等の「最高評価」を得ているけど、
    しっかり細かい項目まで見た方がいいのでは?

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