自動車雑誌よりも LEON の方がクルマ選びのタメになる!?

  ちょっと発売日が古いですが、男性ファッション雑誌「LEON」がクルマ特集をやっていたので、休暇中にちょっと読んでみようと購入してみました。「モテるクルマ選び」という非常にキャッチーなタイトルが付けられています(わぉ!)。「モテる」なんて自動車の専門誌では絶対にありえない特集ですね。大変失礼ですが、国沢(光宏)さんとか松下(宏)さんとか「男捨ててる」ようなライターが、今さらに「モテるクルマ」を語ったところで説得力なんてないですけどね。

  最近はやたらと「つまらない」と散々な評価のカーグラフィックですが、渡辺(慎太郎)さん、中村(昌弘)さんの2トップの書く文章に色気が無いのが根本的な理由なのでは?と感じています。やはりこんな編集部が「モテるクルマ」なんて企画をぶち上げることは今さらに無理だと思いますし、松任谷さんが語っても若い人には届かないでしょう。ちょっと指摘させてもらうと、10月号からマセラティ・ギブリの長期レポートが始まりましたが・・・このクルマを語るという心構えが全く無いですね。どういう人がこのクルマに1000万円払うのか?ナンパの道具とはいいませんけども、やはり色気を感じさせるクルマとブランドの魅力があってのことだと思います。しかし渡辺さんはなんとも無機質過ぎてギブリなのかフーガなのかよく解らないレポートに感じます。マセラティですよ!

  さて「LEON」の特集ですが、これでトヨタ86とか出てきたら大爆笑!なんですけど、出版不況にもめげずに堂々と続けている大手ファッション雑誌ですから、そんなチャチな不始末などするはずもなく、出てくる車種と理由が斬新でこれがなかなか説得力があります。まあ「クルマといえばSUV」といった一般ユーザー感覚の切り口は、クルマ好きであればとりあえず面食らいます。専門誌では「SUV=新種のファミリー・カー」というスタンスからはみ出ることはなく、ブランドがBMWでもポルシェでも、あくまで「肩の力が抜けたファミリーカー」という位置づけです。決してSUVをメインストリームには置かないわけですが、「LEON」のような一般誌では「セダン=ファミリーカー」であって「SUV=モテ車」という大前提から始まります。

  「CUV」なんて用語は自動車専門雑誌では全くと言っていいほど見かけないのですけど、今回LEONではじめて知りました!マカンとかレクサスNXのような都市型SUVを指して使う言葉みたいです。この「CUV」こそが今のクルマ選びのトレンドだ!と断言しています。確かに今をときめくトヨタとVWの2大グループがそれぞれの高級ブランドの新たなイメージアイコンとして、気合いを入れて作ったクルマが同じクラスで同時期という完全ガチンコなわけですから、自動車産業の趨勢を考えても「CUV」への注目度は高いはず。しかし自動車専門雑誌で「マカン」と「NX」を同じ土俵に挙げて比べる記事などほとんど無く、この2台に関してはあくまでタイアップによるメーカー情報を垂れ流すだけの、俗に言う提灯記事ばかりだった気がします。

  マカンやNXこそが「基本」だとする「LEON」の誌面構成はさすがに斬新で、真っ先にオススメされているのがマカンのベースとなる直4モデル!・・・グレードに関しても自動車専門誌とは全く真逆のチョイスです。マカンのベースモデルこそが「Simple is Best!」と断言!上級グレードはなんだか「ポルシェへの憧れ」が強過ぎてやや微妙なクルマ好きの雰囲気が出てしまうのだとか・・・。LEONの読者層(ジローラモみたいな格好のオッサン)は、このクルマをかつてのターセルやカローラⅡのように下駄車として使い倒せと指南しています。

  もちろんターセルやカローラⅡとは書いてませんが、ヴィッツやマーチをかわいく乗るのとも違いますし、インプレッサやアクセラだとちょっとスポーティ過ぎで、ちょうど良い雰囲気が「ターセルやカローラⅡ」だなと私が判断しました。もちろんマカンやNXはインプやアクセラよりも力強い走りをするハイスペック車ですけど、それをターセルやカローラⅡのように気軽に乗るスタンスが「粋」ってわけです。なるほど・・・って確かにグラサンのガイジンモデルがポージングすればとても様になっていますね。

  カイエンよりもマカンでしかも直4ターボ。先ほども書きましたが変に高級な感じを出すと、ブランドヒエラルキーの頂点に立てるならいいけど、そうでないなら逆に下品。確かにそこら中で見かけるカイエン(非ターボ)にはどうもあまりオーラがない気が・・・(セレブ願望?成金ぽい?)。マカンにしても、とにかくポルシェ!というチョイスが一般人の目線では「嫌味」に受け取られることもあるでしょう。けれどもポルシェというブランドは、その走行性能だけでなく、日本メーカーに匹敵するほどの非常に高い耐久性が備わっているので、「選び抜かれた道具」という意味合いも多分にありますし、分別のあるオトナから見れば「マカン2L直4ターボ」は十分にエスプリが薫る選択だと言えます。

  さらに「LEON」は一般誌ですから特にポルシェにこだわるわけでなく、国産車でも同じような乗り方が出来る例として「レクサスNX」と「レヴォーグ」が挙げられています。確かに言われてみればそれぞれブランドの上位モデルに当たるレクサスRXやレガシィアウトバックよりもエクステリアデザインの意匠が凝縮されていて「モード」な外観を呈してます。オシャレなオッサンのマシンに成りうるクルマは、輸入車・日本車に無数にありますが、そのなかから「外れ無し!」を厳選するとするならば、ポルシェ、レクサス、スバルから1台ずつ・・・、もちろん他にもランドローバーやメルセデス・ゲレンデなどいかにも「LEON」ぽい定番チョイスもあるわけですが、マツダ?日産?BMW?なんてガキが乗るブランドだ・・・なんてメッセージが込められているように感じました。

  「LEON」にとってはスカイラインもアテンザも「クルマじゃない・・・」という厳しい評価のようです。確かにスカイラインとかアテンザとか乗ってるオッサンはみんなダセー格好してるしな・・・。もうちょっと身だしなみとかなんとかならないかな?と思うことがありますね。メーカー自身はオシャレなブランドだと思っているようですが、マツダさ〜ん!!!LEONに完全に無視されてますよ〜!!!

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