2015年8月6日木曜日

BMW乗りに「安さしか取り柄がない日本車」と言われた・・・

  この前BMWミニから電話がかかってきて「どうですか?」なんてお伺いがありました。「ジョンクーパーワークス」という最上級のスポーツグレードが追加されたのを知っていたので、「JCWの試乗車ってありますか?」と訊いたら、試乗車が週末ごとに各店舗を回っているので来る事になったら連絡しますよ!とのことでした。さらに「他のグレードには興味がないですか?」と食い下がるので、以前試乗して見積もりも貰った「クーパーS」の実勢価格(主なオプション込みの在庫車で頑張れる価格)を尋ねると、当然のことですけども少々歯切れが悪くなりました・・・。

  「じゃあ逆にどれくらいなら納得できますか?」というディーラーマンの常套手段というべき切り返しが飛んできて、すかさず喰い気味に「今は3シリーズが400万円乗り出しくらいで買えるらしいじゃないですか!同じエンジンならそれ以下じゃないとちょっと・・・」。知らない人の為に説明を加えると、現行ミニは「ワン(1.2L)」「クーパー(1.5L)」「クーパーS(2L)」「JCW(2L)」の4グレード(全てターボ)があり、2.0LはBMWのFR車で使用されるものを縦置きから横置きに変えたものが使われているので、クーパーSとBMW320iはほぼ同等のエンジンのクルマとなります。

  ちなみにクーパーSが発売されたときは、BMW2LのFF版ということで、すぐに乗りにいきました。個人的な興味はホンダやマツダと比べてどうか?という点でしたが、拡大化されたとはいえ、ミニのボディには不釣り合いなエンジンですし、BMWのFFの経験値の低さを考えると比較するのは可哀相なレベルでした。トラクションなどボディサイズに起因する不利の他に、残念ながら小型車が有利であるはずの「ハンドリング」があまり冴えませんでした。ゴルフGTIのような自在感あるハンドリング、あるいは自然吸気なので当然ですがスイスポのような普通車の枠を飛び出すようなウルトラスムーズなハンドリングには遠く及ばないレベルです。これが本当に新しいミニの全力投球なのか?・・・まあこのクルマはハンドリングが平凡でも楽しむ余地はいろいろありそうですが(内装など)。

  ディーラーマンの話ぶりでは、在庫車の有無と販売のタイミング(決算前?)によっては、クーパーSでも300万円台半ばで出せる!みたいでした。ミニ・クーパーSが「350万円」で、BMW320iが「400万円」で乗り出しというのはBMWの日本インポーターにとっては生命線の数字だと思います。どちらもレクサスの最底辺モデルよりも完全に安いですから、「レクサスか輸入ブランド」だけを選択肢にしている人々への訴求力はそこそこ高そうです。

  しかし「プレミアムブランド」のモデルというのは、利益率が比較的に高いので価格設定が非常に弾力的で、安く叩き売りされるクルマとはほぼ例外なく不人気車であり、そこには大きな瑕疵を抱えていると考えて間違いないです。3シリーズは一体何が悪いのか?・・・個人的な趣味で言わせてもらえば、「走り」があらゆる事情で「雁字搦め」になっている点です。高速安定性を得意とするドイツ車という出自であるのに、FR車のまま静粛性や乗り心地においてトヨタや日産に対抗しようと頑張った先代のE90あたりから流れがおかしくなったように思います。

  試乗してみてすぐに感じられることで、3シリーズの「走り」を歪めていると思われるものが、①ZF(元々はGM系列)のミッション ②三菱のターボ ③ボッシュによる横滑り防止装置(ESC) です。多国籍な技術を経営上の合理的な判断から採用した結果なのでしょうか、クルマの方向性としてまとまりが無く、「何も語るべきものはない」つまらないクルマになってしまっています。

  ミッションに関していえば、BMWが採用しているZF製(8AT)のものよりも、ミニが採用しているアイシンAW製(6AT)の方がドライビングフィールは豊かで操っている楽しみを感じられます。ZF製は確かに変速ショックが少なく、スムーズな発進ができますし、加速も良いです。しかしこの原理を最初から突き詰めてCVTを開発し続けているのがスバルであって、BMWとスバルを乗り比べたときにどちらにも「エコモード」でのニュルっとしたフィールと、「スポーツ+モード」でエンジン音が猛々しく、ピッチ&ロールがせわしなく押し寄せる乗り味は「よく似ている」と思います。

  スバルに対する批判として「CVTとターボがマッチしない!」というものがありますが、BMWに関しても同様のことが言えます(カーメディアは言わないけど)。スバル車の場合はターボと自然吸気があるので、特にこの弱点が目立ってしまい「WRX S4」などが槍玉に挙がります。たしかにこのクルマの落ち着かない乗り味を「上質!」と言い切るスバルの感性にも疑問は感じますけど、300psのクルマを楽しむ分には悪くない企画だと思います。一方で全モデル・全グレードがターボ化されてしまったBMWには、なんとも収まりの悪いミッションフィールと、全く高回転が使えなくなったエンジンがもれなく付いてくるのですが、これに厳しく言及したライターは・・・私の知る限りでは10人もいません。

  さらにBMWの乗り味を決定的に台無しにしているのが、横滑り防止装置によるかなり広範囲に渡る大げさな介入です。日本車でも義務化されていて各メーカーそれぞれに創意工夫をしていますが、BMW、メルセデス、レクサスのものはなんだか「走るな!」と言われているようなネガティブなフィールです。レクサスIS乗りに行って一気にこのクルマへの興味が失せたなかなかヤバい装置です。ハッキリ言ってゴミです。もはやFRのセダンなんて買うもんじゃないですね。高級セダンでAWD車が良く売れるのも納得できます。

  横滑り防止装置との付き合い方は今の所は日産が一番上手いように思います。単刀直入に言うと1000万円以下で買えるFRセダンでは、スカイライン以外は「カス」だと考えて間違いないです。RWDに乗るなら「低重心のスポーツカー」か、「1000万円以上のV8積んだクルマ」か、「V6HV搭載のスカイライン」の3つの選択肢しか無いです。上質な内装に囲まれて、エアコンが良く効いて、カーオーディオの音質も良い空間だけで満足!という意見もあるでしょうけど、それは「クルマ」の評価ではなく、厳密には「箱」の評価でしかないです。

  この前、別のブログでBMWユーザーと思われる人から「安さしか取り柄がない日本車」という意見を頂戴しました。3シリーズの現状を批判したら記事に送られたものですけど、具体的な反論が出来ないからといって「安さしか取り柄がない日本車」ってあまりにも現実が見えてないですよね。レクサスISやスカイラインだけでなく、アテンザやレガシィよりも安い価格で新車も中古車も取引されているのに・・・。ISやスカイラインにハンドリングや乗り味で完全に遅れをとり、アテンザやレガシィにも静粛性や直進安定性など高級セダンとしての適正で勝てない3シリーズですから安売りするしかないのですけどね・・・。 

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