2015年4月28日火曜日

いいクルマに乗りたいなら日本のセダンにしなさい! BMWは論外!

  今回は「セダン」です。最初の1台をこれから買う人にぜひ前向きに検討してほしいクルマが「セダン」です。できれば4.7m以上あるミドルサイズ(Dセグ)から上のクラスがいいですね。なんでか?というと、やっぱりなんといっても最も安全性に優れているのが「Dセグセダン」ですから、運転に自信のない間は万が一にもぶつかっても乗員が生存できる可能性が高いクルマがいいからです。間違ってもSUVなんて止めておいたほうがいいですよ。あれはマツダ(CX5)だろうがスバル(フォレスター)だろうが日産(エクストレイル)だろうが、衝突安全基準では相当に下の格付けになります。安全性能で世界の頂点に位置するマツダ、スバル、日産ですらこのザマですから、メルセデスやBMWのSUVなんて言語道断(乗ってはいけない)です。

  またセダンの魅力として、車高が低く空気抵抗(cd値)に優れるので、SUVやミニバンに比べて加速性能や燃費が圧倒的にいいです。さらに「3BOX」といってボンネット・キャビン・トランクがそれぞれに独立した構造なので、サスペンションの設計の自由度も高く、様々な乗り心地や操作性を足回りから設計できるので、ほかの車種と比べて断然に乗り心地・ハンドリングが良いです(あくまで一般論です)。そして設計上も車体剛性を高く保つのに適した構造なので、他のあらゆるボディタイプよりも大出力エンジンの搭載にも耐えられますし、タイヤの強烈なグリップにも応えられるだけの強靭なシャシーを作りやすく、あらゆるドライビング条件においてもコントロール下から最も逸脱しにくいので、最も安全に制御できるクルマだと断言できます。

  ほぼ唯一といっていいほどの、「セダンの弱点」はあまりの乗り心地の良さに慣れてしまうと、他のあらゆるボディタイプのクルマがどうしようもなくツマラナイと感じてしまう点です。一度セダンに乗ってしまったら、もう他のクルマには乗れなくなるかもしれません。でもいいではないですか!某著名な評論家の言葉を借りれば、「BMWはM3、M5、M6以外はカスだ!」というくらいですから、BMWのようなクオリティカー・ブランドが好みならば、もはやSUVやワゴン、ハッチバックのBMW車なんて見向きもする必要ないわけです。

  まずセダンには大きく分けて2つあります。私は「GTセダン」と「COMセダン」と分類してますが、これはあまり一般的には通用しません。「COMセダン」ってのは、「コミューター・セダン」の略で、セダンの設計を利して特に「衝突安全性」と「経済性」の部分を強調して、その性能を保証しつつも、ドライブフィールに関しても小型車よりも大きなアドバンテージを持っているのが特徴のセダンの総称として使っています。カムリ・アコード・アテンザ・レガシィが代表的なところです。日本の公道での最高速度はたかが知れているので、それほど大きなエンジンを積む必要もなく、150~200ps程度(車重1400~1800kg)でも高速合流でも十分な加速は得られます。あらゆるシチューエーションでまったくストレスなく走ることができ、コンスタントに10km/L以上の燃費を維持してくれるのも有り難いです。

  このジャンルでは、特に日本メーカーのモデルが、「安全性能」「快適性」「燃費」において抜きん出た実力を持っていて、世界最大のセダン市場であるアメリカでは、トヨタカムリとホンダアコードの2台が長らくベストセラーとして君臨してきました。、そこに日産アルティマ(ティアナ)とフォード・フュージョンの2台が割って入り、現在では「4つ巴」の戦いになっていて、それぞれが毎月30000台程度売れています。日本では勢いがあると報じられている「ヒュンダイ・ソナタ」や「VWパサート」は、これら4台の影すら踏めない程度に低迷しています。

  ちなみにフォード・フュージョンはかつてマツダが設計したシャシーを改良して使っていて、最上級モデルはマツダエンジンをベースにした「エコブースト」が搭載されています。このデータだけでも十分にお分かりだと思いますが、とにかく日本メーカーが創り出すセダンは世界で一番売れています。そして人気の秘密は圧倒的な「安全性」です。実際に北米のテストではメルセデス、アウディ、BMW、VWの各モデルを全く寄せ付けないほどに優秀で、特に「アコード」「スカイライン」「キザシ」「アテンザ」「レガシィ」の5台の日本セダンのスコアは凄まじく高いです。

  しかし、残念なことに本国の日本では、アホな中高年が「ドイツ車の方が安全」と盲信していたりするせいで、アコードもカムリもとっても地味な存在です。クルマの実力は十分なのですが、各メーカーともにグループの関連企業の社長が乗るクルマくらいに位置づけているようで、拡販にあまり積極的ではありません。トヨタに至ってはカムリやクラウンなんて止めて「レクサスどうですか?」みたいなヘンな商売を仕掛けています。世界一優秀なミドルセダンが350万円くらいで選び放題なのに、現実にはドイツメーカーのBMWの3シリーズというセダンが月間平均で2000台程度売れてしまっているのです。このクルマは日本ではどうやら高級車として認識されていますが、ドイツでは学生や引退世代が乗るクルマとしてのイメージが定着しています。実際にドイツではアテンザやレガシィよりも安いクルマなんです。このクルマを喜んで買っているのが中国・韓国・日本の東亜3国で、これらの国ではBMWの評価が異常に高いです。ただしこの地域で販売される3シリーズには韓国タイヤメーカーの騒々しいランフラットタイヤが付いてくるので、クルマを良く知っている人はまず買いません。

  別にBMW3シリーズが悪いクルマだとは思いませんが、このクルマはどうも存在が中途半端です。ベースモデルとなる320iは「COMセダン」としての経済性と静粛性に難がありますし、「GTセダン」としては絶対的な性能が足りません。さらに残念なことに300psオーバーの335iという北米での売れ筋モデルが日本には入ってきていません。現行のF30系になってからは、経済性に優れるディーゼルエンジン車が日本でも発売され、ドイツから来た「COMセダン」としてそこそこ人気を博しました。しかし日本のセダンの基準からいうと、あの下品極まりないエンジン音は「COMセダン」として失格といっていいかもしれません。昨年になってF30系の「GTセダン」版と言えるM3というクルマが発売されました。こちらの方はBMWのキャラクター通りなので受け入れやすいのは確かですが・・・日本価格がボッタクリ過ぎです。

  正直言って、このジャンル(COMセダン)が盛り上がらないことには、日本市場で再びセダンが脚光を浴びることはないと思います。しかし残念なことに各日本メーカーともに上位グレード車のはずなのに販売にあまり力が入っていません。そのためどうも惹きが弱いようで、メーカーがアイディアを出してプロモーションしても発売して1年持たずに月間目標販売台数を下回っているケースが多いです。最近あったカムリのフェイスリフトは・・・でした。結局は「日本人はブランド品ばかりに目が行く」とこれまでの日本メーカーの担当者はいじけていたようですが、せっかくいいクルマがあるのに、ブランディングが下手くそ過ぎるからダメなんだ!という事実に気がついて慌ててディーラーの建て替えを指示するメーカーも出てきました。

  「COMセダン」が売れない程度のブランディングでは、絶対に「GTセダン」なんて売れっこないです。世界市場ではすでに600psに近い出力を持つ「モンスター・セダン」が、プレミアムブランドの「看板」として次々と登場しています。幸いなことにトルコンATを供給するメーカーのZFなどは、元々はアメリカのGMの系列メーカーだったりするので、アメリカで根強い人気を誇る「マッスルカー」(600psクラスの3BOXカー)のミッションを作ってきた実績もあり、600psでも使えるATをすでに実用化しています。余談ですがVWグループに属するアウディは自社製のDCTが使えずに「RS」という500psクラスのモデルにはATが使われていたりします。実はこの「モンスター・セダン」市場にはまだ日本メーカーは4ドアセダンを送り込んではいません。ただし日産はGTRに使うユニットを4ドアのフーガやスカイラインに搭載すれば、それほど支障無く製品化ができるようです。

  ドイツメーカーがBMW・メルセデス・アウディ・ポルシェと見事に揃って参入している、「モンスター・セダン」市場に日本メーカーも参入したときに、初めて「日本車は世界の頂点に立った!」と自他共に認められる存在になれると思います。そのためにはちょっと安易ですが、日本の優秀な「COMセダン」が日本国内でも十分に認められて、メーカーも「COMセダン」作りに本腰を入れるようになり、優秀なベース車から優秀な「GTセダン」が生まれ、さらに強化された「モンスター・セダン」が開発される(もちろんブランド力向上のため!)という段階を踏んで欲しいと心から思います。セダンの発展無くして自動車産業の発展は無いのではないでしょうか?

リンク
最新投稿まとめブログ


2015年4月12日日曜日

150万円スポーツカーを作ってもいいんじゃない?

  巷で(それはどこ?)、「こんなクルマあったら買う!」とかいうクルマ好きの他愛のない話の中にしばしば登場するものといえば・・・「150万円くらいのスポーツカー」。それもある程度のスペックが備わっていて、150psくらいの出力で150万円!つまり「1馬力当たり1万円」という遥か昔に通用したレートでクルマを作れ!ってことなんですけど、こんな主張もここ数年はさすがに時代錯誤も甚だしいのか、カーメディアなどでは見かけることもなくなりました。

  64psの軽自動車が200万円近くもする時代に「何を寝ぼけてんだ!?」と言われることは覚悟の上ですけれども、いろいろな快適装備を全部取っ払えば、十分に実現可能じゃないですかね。最近のクルマは標準装備の段階ですでに豪華過ぎです。ブランドの上級グレード車に自動ブレーキが付いてないだけで「完全否定」してくる意味不明な評論家が湧いています。「オマエは安全評論家か?電車でも乗ってろ!」・・・。世の中には「日本向け生産車」というジャンルがあって南アフリカ・タイ・メキシコといった「製造下請け国」には、右ハンドル専用ラインってのがあります。そこで作られたクルマは日本で結構なお値段で売れるので、価格相応にガソリンターボとか多段式ATとか「スペック表」に書けるものはとりあえず全部載せてきます。その代わり履いているタイヤは韓国メーカーのランフラットだったりしますが・・・。

  そんなクルマばかりが輸入されるので、ボルボとかメルセデスとかのクルマは全世界で自動ブレーキが標準装備されていて、ガソリンターボが当たり前だと勘違いしている人いますけど、欧州市場ってのはパワートレーンが選び放題なのが原則です。日本にいるとPSA(プジョとシトロエン)のクルマは1.2Lと1.6Lターボだけだと錯覚してしまいますが、3LのV6エンジンだってありますし、ディーゼルエンジンだってあります。なんで日本向けは1.2Lや1.6Lしかないか?ってそりゃあターボ外せばそのまま途上国向けのエンジンとして使えますから・・・。タイのエンジン工場で日本向けも途上国向けもまとめて作っているからです。

  中にはフォード・フォーカスの日本仕様のように、タイ生産ゆえに2Lのしっかりしたエンジンを積むケースもあるようです(マツダと共同開発したエンジンなので、製造拠点がタイにある)。けれどもほとんどの日本に持ち込まれる小型の輸入車ってちょっとスペックをググれば、なるほど!アジアの工場からほとんどの部品を調達しているんだ〜・・・ってのが分ってしまってガッカリします。ちょっと前に「VW車なんてインドで50万円で売ってるよ〜!」とブログに書いたら、何を血迷ったかゴチャゴチャ言って来る人がいるんですよね。本当に何も知らずにVWを選んでいるんだな・・・ってのが良くわかって、こんな人々の価値観で「日本車なんてダメダメ」とか語られたら、日本メーカーがやる気なくしちゃうのも頷けます。


  ちょっと話が脱線しましたが、そういえばトヨタ86がデビューした当時は、エアコン無しで本体価格が199万円とかいうグレードがありました。200psですから一応は「1馬力1万円」をクリアしています。しかしエアコン無しのクルマなんて日本ではもはや理解されないでしょうね。北海道で乗る分にはちょうど良いのかもしれないですけど、同時に寒冷地でFRのドリフト仕様車を乗り回すだけの技術も必要です。BMWのドイツ本国車はエアコンなんてオプション装備らしいですよ。確かに日本の気候では欠かせない装備のように思いますけど、窓やルーフを全開にすれば夏場はなんとかなりますし、冬場もしっかりと服装で防寒して、バイクに乗ることを思えば風が避けられるだけでもマシって思います。実際に夏場に窓全開で走っているドイツ車をよく見かけますが、その99%はエアコン不調が理由です(つまりエアコン無しでもなんとかなる)。

  トヨタ86はコストが割高になる専用設計シャシーなのですが、それでも装備を省けばなんとか「1馬力1万円」で採算がとれるようです。それならばベース車のシャシーを使って、ベース車と同じ生産ラインで作る(日産GT-Rがこの方法)ならば、「150psで150万円」も十分に可能じゃないですかね。ヴィッツかカローラをベースにしてスポーツチューンを施した1.6Lか1.8LのNAエンジンを載せればOKです。ちなみにトヨタが欧州向けオーリスとロータスエリーゼに提供する1.6Lだと136psで、北米向けカローラと国内のフィールダーやオーリスなどに使う1.8Lだと144psくらい出ます。ただしヴィッツやカローラといったベース車がFF(前輪駆動)なので、それだけでスポーツカー好きから「対象外」とされてしまうことがもちろん懸念されます。

  トヨタが自信を持って提案する「スポーツカー」という前提があることで、なかなか安易に手を出しにくい部分もあるのかもしれません。要するに面子やプライドの問題です。例えば最初から「乗り出し150万円!」という条件で開発するとなると、よっぽどの技術的なブレイクスルーがない限りは、「トヨタに相応しいクルマにならないので却下」という結論になってしまい何も始まらない・・・ってことです。ドイツのフォルクスワーゲンが「日本で本体価格150万円で売る!」という決意のもと投入してきたモデルが今も売られています。もちろん輸入車としては破格のお値段ですが、「これがフォルクスワーゲン?」と訝しくなるほどのクオリティの低さ・・・これにはさすがの輸入車ファンも幻滅したのでは。

  ここで改めて気がつくのですが、実は日本メーカーのほぼ全てがブランドの「上の部分」よりもむしろ、「下の部分」に相当に気を使ってクルマを作っています。ドイツ車の「底辺」って本当にとんでもなく雑な作りをしてますが、日本車の「底辺」はそれほど酷くないです。なので一般的に途上国での日本車の評価は異常なまでに高いです。簡単に推測すると日本人の「中流意識」がクルマ作りにも大きく影響しているってところでしょうか。しかしその分、超高級車を作ることにはまだまだ不慣れではあるようですが・・・。つまり・・・桁違いの日本の資産家が、とりあえず輸入車を愛用することはとっても理にかなっているのですが、ごくごく普通の一般人が欧州車に無理に執着したところでロクな事は無いってことです。

  「安心して乗れる」という日本車の美点が損なわれるのは嫌なんですけども、日本車ももっとラディカルな装備の若者向けの「お手軽なモデル」を作ってもいいと思います。三菱がミラージュを発売する時に普通車で80万円!という「1馬力1万円」の価格設定をしようとしたらしいですが、結局は未遂に終わりました。しかし昨年末に登場したスズキ「アルト」は49psで69万円!というなかなか「攻めた」価格付けをしてきました。スズキにはぜひに頑張ってほしいです! すでにインドを始めとした多くの地域では35万円(20万ルピー)前後の乗用車が当たり前に売られています。しかもその販売の中心にいるのはスズキです。日本でもこれに近い価格のクルマが出てきてもいいように思うのですが、しかしさすがにご想像のとおりいろいろな方面からプレッシャーがかかってしまうようで(他のモデルが売れなくなる)、簡単にはいかないようです。日本のモーターショーでも出品されて話題になりましたが、現在10万ルピーに設定されているインドのタタ・モータース「ナノ」の日本市場への参入はどうやら永遠に無さそうですね・・・。


リンク
最新投稿まとめブログ